自尊感情とは？自己肯定感や自己受容感との違いと高め方を解説

2025年7月3日

「自分に自信が持てない」
「つい人の目ばかり気にしてしまう」
そんなふうに感じること、ありませんか？

もしかしたらそれ、自尊感情が関係しているかもしれません。

この記事では、

自尊感情ってそもそも何なのか？
よく聞く自己肯定感や自己受容感との違いは？
自尊感情を高めるために、今日からできることは？

を、解説していきます。

読むことで、きっとあなたも
「自分ってこれでいいんだ」って思えるヒントが見つかるはずです。

自尊感情とは？意味をわかりやすく解説

自尊感情の基本的な定義と心理学での位置づけ

「自尊感情」って、
言葉だけ見るとちょっと堅苦しい感じがしますよね。

自尊感情（Self-Esteem） とは、簡単にいうと

「自分は価値ある人間だ」と思える感覚

のことなんです。

心理学では、人が幸せに生きるための土台とされる、とても大事な要素なんですよ。

例えば、友達に「それ違うんじゃない？」って言われたとき、

自尊感情が高い人 → 「そうかな？どこが違うか教えてくれる？」と冷静に聞ける
自尊感情が低い人 → 「やっぱり自分ってダメなんだ…」と深く落ち込む

という風に、同じ出来事でも受け止め方がまったく変わってしまうんです。

心理学者ナサニエル・ブランデンは自尊感情を

自己効力感（自分にはできるという感覚）
自己価値感（自分には存在する価値があるという感覚）

の2つに分けて説明しています。

つまり、自尊感情とは 「私は何かを成し遂げる力があるし、そのままの自分も価値がある」 と思える心の土台なんですね。

自尊感情が高い人と低い人の違い

じゃあ、自尊感情が高い人と低い人って、具体的にどんな違いがあるんでしょう？

ざっくりまとめると、こんな感じです。

自尊感情が高い人

自分を信頼している
失敗しても「学びがあった」と切り替えられる
人と適度な距離感を保てる
人の評価に左右されすぎない
自分の気持ちを素直に表現できる

自尊感情が低い人

自分に自信がない
ちょっとしたことで落ち込みやすい
「どうせ自分なんか」と自己否定しがち
人の顔色をうかがいすぎる
チャレンジを避ける

例えば、仕事でミスしたとき

高い人は「次は気をつけよう」と前向きに考えます。
低い人は「やっぱり自分はダメだ」と自分を責め続けます。

こうした違いが、人生の選択や人間関係にも大きく影響してしまうんですよね。

自尊感情が私たちの人生に与える影響

自尊感情は人生にものすごく大きな影響を与えるもの です。

なぜなら、自尊感情は

「自分が自分の味方でいられるかどうか」

に直結しているから。

自尊感情が高い人は

人間関係が楽になる
新しいことにチャレンジしやすい
多少の失敗でも折れにくい
幸福感が高い

という良い循環を作りやすいんです。

一方で、自尊感情が低い人は

他人の評価に振り回される
ネガティブな思考に陥りやすい
自分のやりたいことを我慢してしまう
挑戦する勇気が出ない

など、日常生活のあらゆるところで生きづらさを感じやすくなってしまいます。

でも、

自尊感情は生まれつき決まるものではなく、
意識と練習で高めることができるんです。

自己肯定感・自己受容感との違いとは？

自己肯定感と自尊感情の違いを簡単に比較

「自尊感情」とよく似た言葉に、自己肯定感というものがあります。
実はこの2つ、混同されやすいけれど微妙にニュアンスが違うんですよ。

ざっくり言うと：

自尊感情（Self-Esteem）
　→ 「自分には価値がある」と思える 存在そのものへの信頼
自己肯定感
　→ 「ありのままの自分を受け入れ、肯定する」という 状態への肯定

つまり、自尊感情は“存在そのもの”の価値感であり、
自己肯定感は“状態”をどう受け入れるかという視点が強いんですね。

「状態」ってどういうこと？

ここでいう状態というのは、たとえば：

失敗した自分
怒っている自分
落ち込んでいる自分
調子が良い自分
頑張っている自分

など、そのときどきの自分の姿や感情、状況のことなんです。

例で説明すると

たとえば、仕事でミスをしたとき。

✔ 自尊感情 が高い人はこう思う：

「失敗しても、自分の価値は変わらない」

→ これは「自分という存在そのもの」に対する信頼。

一方、自己肯定感 が高い人はこう思う：

「失敗したのは事実だけど、それが今の自分。ダメなわけじゃないし、またやり直せばいい」

→ 失敗している“状態”の自分も受け入れる ということなんです。

だから、自己肯定感というのは

「うまくいっている自分も、うまくいっていない自分も、全部ひっくるめてOKと思えるか」

という感覚なんですね。

もっと簡単に言うと？

自尊感情 → 「私は価値がある人間だ」と思える感覚（存在への信頼）
自己肯定感 → 「今こういう自分でもいい」と思える感覚（その時々の状態の受け入れ）

簡単な例

イライラしてる自分を見て
- 自尊感情 → 「イライラする自分でも、自分の価値は変わらない」
- 自己肯定感 → 「イライラしてる今の自分も、それが人間だから仕方ない」

つまり、

その時々の自分の感情や行動のありさまを、そのまま受け入れること

が自己肯定感だと覚えておくとわかりやすいですよ！

自己受容感とは？自尊感情との関係

さらに、もう一つよく出てくるのが自己受容感。
これは簡単に言うと、

「良いところも悪いところも含めて、今の自分をそのまま認める感覚」

のことです。

「自分は怒りっぽいところもあるけど、それも自分」
「失敗しても、それが自分の一部」

自己受容感が高い人は、ネガティブな感情や弱さを無理に否定しません。

ここでのポイントは、

自尊感情 → 存在の価値を感じる
自己受容感 → ありのままを認める

という違いです。

自己受容感が高まることで、結果的に自尊感情も安定しやすくなると言われています。

混同しやすい理由と整理のポイント

「いやいや、正直ややこしい！」って感じますよね。
実際、この3つはとても似ているので混同しやすいです。

混乱する理由は、

日本語訳がすべて「自分を認める」系の言葉になる
ネットや本によって説明が微妙に違う
感覚的に使われることが多い

だからなんです。

整理するコツは、こう覚えておくと良いですよ！

用語	簡単な覚え方
自尊感情	存在そのものの価値
自己肯定感	状態の肯定
自己受容感	ありのままを認める

例でわかるそれぞれのニュアンスの違い

例えば、仕事でミスをしたケースで比べてみましょう。

✔ 自尊感情が高い人
→ 「失敗しても、自分には価値がある」

✔ 自己肯定感が高い人
→ 「失敗した自分も、それが今の自分。次に活かせばいい」

✔ 自己受容感が高い人
→ 「あぁ、自分は落ち込んでいるんだな。でもそれも自然な反応だよね」

自己受容感 → 「今の自分、全部そのままでOK」と認める感覚
　→ まずはここを育てるのが第一歩
自尊感情 → 「自分には価値がある」と思える深い感覚
　→ 自己受容感があると育ちやすい
自己肯定感 → 「うまくいかない時も、それでいい」と肯定する感覚
　→ 日々の状態への柔軟な対応

自尊感情が低いとどうなる？よくある悩みと特徴

他人の目が気になりすぎる

自尊感情が低いと、とにかく他人の目が気になるようになります。

例えばこんなふうに感じていませんか？

「変に思われたらどうしよう…」
「こんなこと言ったら嫌われるかも…」
「周りはみんな自分よりすごい」

これは、自分の価値を 他人の評価に委ねすぎてしまう からなんです。

他人に合わせすぎることで疲れたり、
自分が本当にしたいことがわからなくなったりしてしまいます。

すぐ落ち込む、自己否定が止まらない

自尊感情が低い人の大きな特徴のひとつが、落ち込みやすさです。

ミスをすると「やっぱり自分はダメだ」と思い詰める
誰かに注意されると「自分は価値がない」と感じる

こうした自己否定の言葉が頭の中をグルグル回ってしまうんですよね。

本来なら「失敗は誰にでもある」と思える場面でも、
自尊感情が低い人は「全部自分のせいだ」と抱え込んでしまいがちです。

挑戦を避けるようになる理由

自尊感情が低いと、新しいことに挑戦する勇気が出にくくなります。

なぜかというと…

「失敗したら恥ずかしい」
「うまくいかない自分を見たくない」
「また自分を責めることになるかも」

こうした恐怖が先立ってしまうからなんです。

そして、挑戦を避けるほど成功体験が減り、
さらに自信が持てなくなるという 負のループ にはまりやすくなってしまうんですよ。

「脆弱な自尊感情（Fragile Self-Esteem）」とは？

ここで出てくるのが、心理学の世界で言われる
「脆弱な自尊感情（Fragile Self-Esteem）」 という考え方です。

名前の通り、

一見、自信がありそうに見えるけど、内面ではとても不安定

という状態を指します。

例えば：

普段は「オレはすごい！」と言ってるのに
ちょっと批判されただけで激しく落ち込む
他人を見下すことで自分を保とうとする

など、外向きの自信と内側の不安定さのギャップが大きいのが特徴です。

脆弱な自尊感情の人は、

自分の価値を人からの評価や成功だけで測ってしまう
根拠のない自信にしがみついてしまう

という傾向があり、失敗や批判に非常に弱いんです。

この状態は自分自身も苦しいし、周りとの人間関係もぎくしゃくしやすくなります。

自尊感情を高めるために大切な考え方

根拠ある自尊感情と根拠のない自信の使い分け

自尊感情を育てるうえで大事なのが、
「根拠ある自信」と「根拠のない自信」のバランス です。

「根拠がない自信なんて持っていいの？」
と思う人も多いかもしれませんね。

実は、根拠のない自信も大事な側面があるんです。

例えば、

「やったことないけど、なんとかなるかも！」
「根拠はないけど、きっと大丈夫！」

こうした思いは、新しい挑戦のきっかけになります。

でも、現実を見ずに根拠のない自信だけに頼ると危険なのも事実。

だからポイントは、

根拠のない自信 → 一歩踏み出すスイッチ
根拠ある自尊感情 → 経験や行動を積み上げて作る土台

この使い分けです。

たとえば、

「根拠はないけど挑戦してみよう！」
→ やってみる → 小さな成功体験 → 根拠ある自信に育つ

という流れがとても大事なんですよ。

自分の気持ちを尊重することが大事な理由

自尊感情を高めるためには、

「自分の気持ちをちゃんと聞いてあげる」

ことが本当に大事です。

例えばこんなシーンありませんか？

「本当は疲れているのに無理に人に合わせる」
「嫌だけど断れずに引き受けてしまう」

こうして自分の気持ちを押し殺してばかりいると、

「自分は大事にされる存在じゃない」

という感覚がどんどん強くなってしまいます。

でも逆に、小さなことでも自分の気持ちを尊重すると、

「自分は自分の味方なんだ」
「自分は大切にされる価値がある」

という感覚が育ちます。

それが、自尊感情を育てる土台になるんです。

「自分物語」を作るという発想とは？

もう一つ大事なのが、「自分物語を作る」 という考え方。

私たちはみんな、自分の人生をどう語るかで
自分自身の価値を決めています。

例えば同じ失敗をしても、

「やっぱり自分はダメだ」という物語を作る人
「失敗も成長の一部」という物語を作る人

では、心の安定度が全然違うんですよね。

自尊感情を高めるには、

自分が納得できる、合理的で前向きな物語を作ること

がとても大事です。

たとえば、

「私は臆病だけど、慎重に計画できるところが強み」
「失敗したけど、そのおかげで新しい道が開けた」

こんなふうに、失敗も弱さも物語の一部にしてしまうんです。

「自分物語」は、自尊感情を守る心の盾のようなもの。
ぜひ、自分だけのストーリーを考えてみてくださいね！

ケースバイケースで「合わせる」ことも自尊感情を守る

ここまで読むと、

「じゃあ常に自分の気持ちを優先しないといけないの？」

と思う人もいるかもしれません。

でも実際は、ケースバイケースで人に合わせることも、自分を大事にする行為なんです。

例えば：

「今日は断ると揉めそうだし、今は合わせた方が自分が楽だな」
「どうでもいいことだから、合わせてもいいや」

こうやって 「自分が納得して合わせている」 と思えれば、
自尊感情は下がりません。

大事なのは、

自分の気持ちを無視して合わせる → 自尊感情が下がる
自分が納得して合わせる → 自尊感情は守られる

という違いです。

「自分が選んでいる」と思えることが、自尊感情を守る最大のポイントなんですよ。

自尊感情を高める具体的な方法と習慣

小さな成功体験を積み重ねるコツ

自尊感情を育てるうえで、とても大事なのが

小さな成功体験を積み重ねること

です。

「成功」って聞くと、
「大きな目標を達成しなきゃ！」って思うかもしれませんが、
そんなに大げさなことじゃなくて大丈夫。

例えば：

朝きちんと起きられた
今日言いたいことを一つ伝えられた
苦手な人とも挨拶できた

こういう 小さなできた！ を一つずつ積むことが、
「自分にはできる」という感覚を育ててくれます。

コツは、

ハードルを思いきり下げる
成功したら、自分をしっかり褒める
ノートやスマホに「今日できたこと」を書き残す

この積み重ねが、根拠ある自尊感情の土台になるんです。

自己肯定感を育む言葉の使い方

自尊感情を高めたいなら、
普段の 「言葉の使い方」 がとても大事です。

よくあるのが、

「どうせ自分なんか…」
「自分はダメな人間だ」

こういう否定的な言葉を、無意識に自分に向けてしまうこと。

だからこそ、

自分にかける言葉を意識的にポジティブに変える

ことが効果的なんです。

例えば：

「まだできてないだけ」
「失敗は学びになる」
「よく頑張ってるね」

声に出すのもいいですし、
紙に書いてみるも効果的です。

「自分は自分の味方だ」という姿勢が、
自尊感情を育てる大きな力になります。

他人と比較しすぎないための工夫

自尊感情が低くなる大きな原因の一つが、

他人と比べすぎること

です。

「あの人はできるのに自分は…」
「SNSのあの人が眩しすぎる…」

比べだすとキリがないし、
比べる相手ってだいたい「自分よりすごい人」なんですよね。

比べすぎを減らすためには、こんな工夫がおすすめです。

比較対象を「他人」ではなく「昨日の自分」にする
SNSの使用時間を決める
自分の良いところを書き出す

例えば、

「昨日より10分早起きできた！」
「先月より穏やかに話せた！」

こうやって 自分だけを比べる相手にする ことが、自尊感情を守るコツです。

セルフコンパッションの実践例

最後に、自尊感情を高めるうえで、
とても効果的なのが セルフコンパッション です。

これは、

自分に対して優しくする、思いやりを持つ

という心理学の考え方。

「コンパッション」は「思いやり」という意味なので、
セルフコンパッションは 「自分への思いやり」 なんですね。

実践のコツはとてもシンプル。

落ち込んだとき、自分に優しく声をかける
- 「つらかったね」
- 「誰でも失敗することはあるよ」
自分を責める代わりに、友達に話しかけるように言葉を選ぶ
「今、自分はどんな感情を感じてる？」と自分に問いかける

例えば、失敗したときに

「なんでこんなこともできないんだ！」

ではなく、

「できなかったのは残念だけど、挑戦しただけでも偉いよね」

と声をかけるだけで、心が軽くなることが多いんです。

セルフコンパッションを習慣にすることで、

ネガティブ感情に飲まれにくくなる
自分に優しくなれる
自尊感情が安定する

といったメリットがあります。

まずは、一日に一回、自分を優しくねぎらう言葉をかけてみてくださいね！

まとめ｜自尊感情を育てて自分らしく生きるために

今日からできる第一歩

ここまでお読みいただいてありがとうございます！
自尊感情って聞くと、ちょっと大げさで難しそうに思うかもしれませんが、
実は日常の中で少しずつ育てていけるものなんです。

今日からできる小さな第一歩を、いくつかご紹介しますね。

自分を責める言葉を言いそうになったらストップ！
- 「まだできないだけ」
- 「それでも自分には価値がある」
「今日できたこと」を1つ書き出す
- どんな小さなことでもOK！
- 例：「朝ちゃんと起きられた」「笑顔であいさつできた」
疲れているときは休む勇気を持つ
- 「無理しないことも、自分を大切にする行為」
人と比べそうになったら「昨日の自分」と比べる
- 「昨日よりちょっと落ち着いて話せた」など、進歩に目を向けてみましょう。

大事なのは、

「自分が自分の味方になる」

ということ。

完璧でなくていいし、失敗もあって当然です。
少しずつ自分を信じる練習をしてみてくださいね。

悩みが深いときは専門家の手も活用しよう

とはいえ、どうしても

「何をやっても自信が持てない」
「自分を責める気持ちが止まらない」
「毎日がつらくて仕方ない」

こんな風に深刻に悩んでいる方もいると思います。

そんなときは、一人で抱え込まなくて大丈夫です。

カウンセラーや臨床心理士に話を聞いてもらう
メンタルクリニックで相談する
信頼できる人に悩みを打ち明ける

こうした 専門家の力を借りることも、自分を大事にする大切な行動 です。

心の専門家は、「自分の気持ちを整理するお手伝い」をしてくれる存在です。
決して弱いことではなく、自分を守るための賢い選択なんですよ。

例えば、公認心理師が対応するオンラインカウンセリングオンラインカウンセリング「Kimochi」 は、恋愛や仕事、人間関係、家庭の悩みなど、幅広い心の問題に寄り添ってくれるサービスなんですよ。

忙しい方でも、ビデオ通話やチャット相談などライフスタイルに合わせて利用できるので、
「誰にも話せない悩みを安心して打ち明けたい」という方にはぴったりです。

自分だけで抱え込まずに、心の専門家と一緒に、少しずつ心を整えていく。
それも、自尊感情を育てる大事な一歩かもしれませんね。

最後に

自尊感情とは、「私は私でいい」と思える心の土台 です。

自己肯定感や自己受容感との違いを知ること
自分物語を作ること
小さな成功体験を積むこと
自分に優しくすること

これらを少しずつ積み重ねることで、必ず育っていきます。

自尊感情が高まると、人生はもっと自由で軽やかになります。
ぜひ、今日から一歩ずつ始めてみてくださいね。

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