不安や反すう思考が止まらなくなるときはありませんか?
もしかすると今あなたは、
- 同じ悩みがぐるぐる回って抜け出せない
- 最悪の未来ばかり想像して不安が膨らむ
- 完璧にできない自分を責めてしまう
こんなモヤモヤを抱えているかもしれません。
この記事では、ACT(アクセプタンス&コミットメント療法)の核心である
「思考はただの思考」という考え方をベースに、
悩みを軽くするシンプルな方法 「思考の分離ジャーナリング」 をわかりやすく解説します。
- なぜ不安・完璧主義・反すうが軽くなるのか
- 初心者でもできる書き方ステップ
- 心がラクになる具体例
- よくある失敗と注意点
までまとめました。
ぜひ最後まで読んでくださいね。
思考の分離ジャーナリングとは?|ACTの核心「思考はただの思考」を理解する

思考の分離ジャーナリングは、ACT(アクセプタンス&コミットメント療法)の中心にある考え方
「思考はただの思考であり、事実とは限らない」
を、日常で扱いやすくするための書くトレーニングです。
反すう思考・不安・完璧主義に悩む人ほど、頭の中の言葉を“事実そのもの”として受け取ってしまいます。
このジャーナリングは、その「巻き込まれ状態」から一歩外に出て、思考と“距離”を作るための道具です。
思考の分離(デフュージョン)の基本概念
ACTでは、悩みを大きくしてしまう原因を「融合(フュージョン)」と呼びます。
これは、頭に浮かんだ思考にくっつきすぎて、
- 「失敗したら終わりだ」=絶対の真実
- 「私はダメな人間だ」=変えられない事実
のように受け取ってしまう状態です。
そこで必要なのが 「デフュージョン(思考の分離)」。
これは、
思考を“事実”として飲み込むのではなく、
「いま頭の中に浮かんでいる言葉」として扱うスキル
です。
例えば、
- 「嫌われるかもしれない」という思考
- →「そういう“予想”が頭に浮かんでいるだけ」
こう見るだけで、感情の強さは自然に下がります。
「思考=事実」という同化状態が苦しみを生む理由
私たちが苦しくなるのは、思考の内容そのものではありません。
その思考を“事実だと信じ切る”ことが苦しみを生むのです。
- 「ミスしたらもう信用されない」
- 「私はいつも失敗する」
こういう思考は、科学的根拠がないにもかかわらず、本当の未来・本当の自分のように錯覚しやすい特徴があります。
この「同化(フュージョン)」が続くと、
- 不安が強くなる
- 行動が止まる
- 完璧主義が悪化する
- 反すう思考が止まらなくなる
など、悩みの悪循環に入ります。
思考の分離ジャーナリングは、この同化をゆるめる練習です。
ACTが目指す“心理的柔軟性”とは何か
ACTの最終ゴールは、
「心理的柔軟性」=状況に合わせて行動を選べる心の余裕
を取り戻すことです。
心理的柔軟性がある人は、
- 不安があっても行動できる
- 思考に巻き込まれても元に戻れる
- 完璧でなくても前に進める
といった特徴があります。
逆に柔軟性が低いと、
- 思考に従いすぎる(例:「不安だから今日もやめておこう」)
- 感情に振り回される
- 自分の価値や目的を忘れてしまう
といった問題が起きやすくなります。
思考の分離ジャーナリングは、
“思考に振り回されず、選びたい行動に戻るための訓練”なのです。

マインドフルネスとの違い:観察する力と距離を取る力
マインドフルネスもACTも、
「今この瞬間に気づく」という点では同じ方向を向いています。
ただし、重要な違いがあります。
- マインドフルネス:状態を“観察する”力を鍛える
- 思考の分離(デフュージョン):観察した思考と“距離を取る”力まで踏み込む
つまり、
マインドフルネスが「気づく」スキルだとしたら、
デフュージョンは 「気づいたうえで、巻き込まれないためのスキル」 です。
ジャーナリングは、初心者でもその距離感をつかみやすいのが大きなメリットです。

まとめ
- 思考を“事実扱いしない”のがACTの核心
- そのための方法が「思考の分離(デフュージョン)」
- 同化状態が続くと不安・完璧主義・反すうが悪化する
- ジャーナリングは初心者でも取り組みやすい“距離を作る練習”
- マインドフルネスよりも「距離感」に踏み込む点が特徴
なぜ不安・完璧主義・反すう思考が軽くなるのか|思考の分離の心理学的メカニズム

思考の分離ジャーナリングが効果を発揮するのは、
「思考に巻き込まれる仕組み」を分離させる力があるからです。
ここでは、不安・完璧主義・反すうに共通する心理メカニズムを
初心者でもわかる形で解説します。
反すう思考が止まらなくなる「融合(フュージョン)」の仕組み
反すうが止まらないとき、人は思考と完全にくっついた状態(融合)になっています。
たとえば、
- 「あの時の言い方は失礼だったかも」
- 「嫌われたかもしれない」
- 「うまくいかない未来が見える」
これらは“ただ浮かんだ思考”なのに、
脳は 「本当に起きていること」 と同じ反応をしてしまいます。
これが融合の厄介なところで、
- 頭の中での反省が終わらない
- 判断がどんどん偏る
- 自分を否定する材料ばかり探す
という悪循環が起きます。
思考の分離ジャーナリングは、この融合をゆっくり剝がす作業。
紙の上に出すことで、“自分の外側”に置けるため、巻き込まれが弱まります。
不安が増える「思考への巻き込み」のパターン
不安が大きくなる背景には、
「思考の内容ではなく、巻き込まれ方」 が影響しています。
不安が強い人に多い巻き込みパターンは以下の3つです。
① 最悪の可能性を事実扱いする
例:「失敗したら終わり」→ 実際には“仮の未来”
② 感情と事実を混同する
例:「不安を感じている」→「危険に違いない」
(感情=警告ではないのに、直結させてしまう)
③ 思考の連鎖を止められない
例:1つの不安 → 10個の妄想 → 自分批判へ
これらは内容が問題なのではなく、
「巻き込まれる強さ」が不安を増幅させているのです。
ジャーナリングをすると、
- あ、これは“思考の連鎖”だ
- これは“予想”であって“事実”じゃない
- 今の感情と事実は別だ
と気づきやすくなり、不安が自動的に弱まっていきます。
完璧主義が強まる“内なる批判者”との距離
完璧主義の人は、心の中に“内なる批判者”が住んでいます。
例:
- 「もっとちゃんとできたはず」
- 「80点では意味がない」
- 「ミスしたら価値がない」
これらは事実ではなく、
“厳しめのフィルターを通した思考”にすぎません。
しかし、この批判者の声に同化すると、
- 行動が遅くなる
- 失敗回避が最優先になる
- 自己否定が強まる
といった悪循環が起きます。
思考の分離ジャーナリングでは、この声を書き出し、
「これは“批判者の声”であって、自分自身の真実ではない」
と認識できます。
この距離感が、完璧主義をゆるめる一歩になります。

思考の分離で脳に起きる変化:注意の再配分・ブロードン効果(視野の拡大)
ここが重要ポイントです。
ブロードン効果は「ネガティブ感情が弱まるだけ」では起きません。
正確には、
“脅威に向きすぎた注意をいったん離し、視野が広がる状態に切り替える”
という脳のモード転換のこと。
ジャーナリングでできることはまさにこれです。
- 思考を紙に置く
- 頭の中の渋滞がほどける
- 注意が“今やるべきこと”にも向く
- 問題解決の選択肢が見える
その結果、
- 不安がやわらぐ
- 自分批判が弱まる
- 行動がしやすくなる
といった変化が起きます。
つまりジャーナリングは、
思考の渋滞 → 視野の拡大 → 行動の回復
この流れをつくる心理スキルなのです。
まとめ
- 悩みが深くなる原因は「思考と融合して巻き込まれること」
- ジャーナリングは融合をゆるめ、距離を作る実践法
- 不安・完璧主義・反すうは“内容”ではなく“巻き込まれ度”の問題
- デフュージョンで注意が再配分され、視野が広がる(ブロードン効果)
- 行動が戻るのは、脳のモードが切り替わるから
思考の分離ジャーナリングのやり方|初心者でもできる具体ステップ

思考の分離ジャーナリングは、難しいテクニックを必要としません。
「思考を事実扱いしない」状態をつくるために、書き方を少し工夫するだけで効果が出ます。
まず書く質問は3つだけ(感情・理由・本音)
まずは、次の3つの質問に答えるだけでOKです。
- 今、何を感じている?(Emotion)
例:不安、イライラ、焦り、落ち込み、緊張 - その理由は?(Cause)
例:上司の一言、仕事の遅れ、人間関係、未来への心配 - 本当はどうしたい?(Need / Desire)
例:休みたい、整理したい、進めたい、人に話したい
この3つだけで、
「感情 → 原因 → 本音」という基本ラインが整理されます。
ポイントは、正確に書こうとしなくていいこと。
どんな言葉でも、浮かんだまま書いて大丈夫です。
“思考を事実扱いしない”書き方のコツ
思考を書き出すときは、次の工夫がとても効果的です。
思考の前に「〜という考えが浮かんでいる」と付ける
例:
- 「私はダメだ」 → 「私はダメだ、という考えが浮かんでいる」
- 「失敗したら終わりだ」 → 「失敗したら終わりだ、という予想が出ている」
たった一言つけるだけで、
“思考そのもの”から距離が生まれるのがポイント。
感情は「思考の結果」ではなく“状態”として扱う
例:
「私は不安だ → 何か危険がある」ではなく、
「不安という感情が体に起きている」と書く。
この表現を使うと、巻き込まれが大幅に減ります。
ネガティブ思考が暴走しないためのプロセス整理
ネガティブ思考に巻き込まれるとき、頭の中では次のような流れが起きています。
- 不安・怒りなどの感情が発生
- 思考が自動で暴走(推測・最悪のシナリオ)
- 自己批判の声が出る
- 行動が止まる or 過剰に頑張る
ジャーナリングでは、この暴走プロセスを次のように戻します。
- Step1:感情を分けて書く
- Step2:思考の内容を“思考として”書く
- Step3:本音(本当に望む方向)に気づく
- Step4:小さな行動を選ぶ
つまりジャーナリングは、
「感情・思考・本音」を1つずつ切り離して整理する作業。
この“切り離し”が、思考の分離そのものなのです。
1日5分でできるシンプルなテンプレート
以下のテンプレートを使えば、毎日5分で実践できます。
5分ジャーナリング・テンプレート(保存版)
- 今の感情を書き出す
- 例:「不安」「焦り」「疲れ」「モヤモヤ」
- その感情を生んでいる思考を書く
- 「〜という考えが浮かんでいる」形式で
- 例:「このままでは失敗すると考えている」
- 例:「人に嫌われるという予想が頭にある」
- 本当はどうしたい?を一言で書く
- 例:「落ち着きたい」「5分だけ進めたい」「整理したい」
- 今できる“一番小さい行動”を書く
- 例:「深呼吸10秒」「タスクを1つだけ進める」
このテンプレートの目的は、
- 思考に巻き込まれない
- 行動のスイッチを入れる
- 心の渋滞を解消する
というACTの基本メカニズムを、日常に落とし込むことです。
まとめ
- 3つの質問(感情・理由・本音)が基本ライン
- 「〜という考えが浮かんでいる」形式で思考との距離を作る
- 感情と事実を混同しないための整理プロセスが重要
- 5分テンプレで初心者でも続けられる
- 目的は“思考の渋滞から抜けて行動を再開すること”
具体例:不安・完璧主義・反すうが軽くなる書き方

具体例を見ることで、思考の分離ジャーナリングが「どう効くのか」が一気に理解しやすくなります。
ここでは 反すう・完璧主義・不安 の3つの典型パターンについて、実際の書き方例をまとめて解説します。
どれも初心者向けにアレンジしており、
“思考を事実扱いしない”ための距離化フレーズも合わせて紹介します。
反すう思考が止まらないときの書き方例
反すうとは、「同じ考えがぐるぐると回り続ける状態」です。
多くの場合、思考と融合しているため、自分では止めにくくなっています。
例:人間関係で気になる一言があったとき
① 感情
- モヤモヤ
- 気まずさ
- 相手にどう思われたか不安
② 思考(距離化して書く)
- 「あの言い方はまずかったかもしれない、という考えが浮かんでいる」
- 「嫌われたかもしれない、という予想が頭に出ている」
- 「また同じ失敗をするに違いない、という不安が湧いている」
③ 本音
- 本当は落ち着きたい
- 今の気になるポイントだけ整理したい
④ 小さな行動
- 5分だけ今の仕事に集中
- 深呼吸
- 可能なら相手に普通に話しかける
距離化フレーズを挟むだけで、
反すうの中心にあった“事実扱い”が崩れ、負荷が一気に下がります。

完璧主義で自己否定が強いときの書き方例
完璧主義の裏には、多くの場合、
“内なる批判者(ジャッジの声)” が存在します。
その声を「自分自身の真実」と思い込むと苦しくなります。
例:仕事が予定どおり進まなかったとき
① 感情
- 焦り
- 罪悪感
- 失望感
② 思考(距離化して書く)
- 「これは80点だから意味がない、という批判的な声が出ている」
- 「完璧じゃなければ認められない、という古いルールが働いている」
- 「失敗したら価値がない、という極端な思考が浮かんでいる」
③ 本音
- 本当は今日できる範囲で進めたい
- 体力と集中力を守りながら作業したい
- 責めるより、調整したい
④ 小さな行動
- “ここからの30分”だけ丁寧にやる
- 明日の計画を軽く見直す
完璧主義へのジャーナリングのポイントは、
批判者の声を“外側の声”として扱うことです。
これで一気に心が軽くなります。
行動が止まる不安へのジャーナリング例
不安は「危険があるかもしれない」という脳の予測反応です。
しかし、思考と感情が混ざると、“実際に危険がある”と錯覚します。
例:新しい仕事・挑戦の前で不安になったとき
① 感情
- 緊張
- 不安
- 失敗への怖さ
② 思考(距離化して書く)
- 「もし失敗したら終わる、という最悪シナリオが浮かんでいる」
- 「評価が下がるかもしれない、という予測が出ている」
- 「みんなに迷惑をかけるに違いない、という悲観的な推測がある」
③ 本音
- 小さくでいいから前に進みたい
- 本当は挑戦してみたい
- 完璧じゃなくていいからやってみたい
④ 小さな行動
- 5分だけ準備する
- 取りかかる最初の一手だけ決める
- 誰かに相談してみる
不安は“脅威への注意が一点集中”している状態。
ジャーナリングをすると注意が分散し、視野が広がるため、
自然と行動できるようになります。
書いた後に使う「距離化ワード」や観察フレーズ
ジャーナリングの後は、
次のような「思考と距離を取るフレーズ」を1つ唱えると効果が倍増します。
距離化(デフュージョン)フレーズ集
- 「これは ただの思考。」
- 「頭の中の 予想 が流れているだけ。」
- 「この声は 内なる批判者 のパターン。」
- 「思考は浮かぶけど、私はそれを 選べる側 にいる。」
- 「今、不安が 体に起きている現象。」
- 「これは事実じゃなくて、物語の一つ。」
- 「私は思考ではなく、思考を 観ている側。」
ジャーナリングと組み合わせると、
ACTの核心である“観察者の視点”が強まり、感情に巻き込まれにくくなります。
まとめ
- 反すう:距離化して「ただ浮かんでいる思考」に戻す
- 完璧主義:批判者の声を“自分とは別”として扱う
- 不安:最悪シナリオを事実扱いしないために書く
- 距離化ワードを使うと効果が倍に
- 書く→距離を作る→本音に戻る→小さな行動へ、という流れで心が軽くなる
よくある失敗と注意点|「書いてもラクにならない」を防ぐポイント

思考の分離ジャーナリングはシンプルで効果の高い方法ですが、
やり方を少し誤ると「余計しんどい」「逆に疲れる」 ことがあります。
ここでは、初心者がつまずきやすいポイントをまとめて解説します。
失敗ポイントを知っておくことで、ジャーナリングの効果が一気に高まります。
問題の分析に入りすぎて、逆に反すうしてしまうケース
ジャーナリングの目的は「解決策を絞り出す」ことではなく、
“思考との距離を作って行動しやすくすること” です。
しかし次のような書き方は、反すうを強めてしまいます。
- なぜこうなったのか?を延々と分析する
- 何が悪かったのか?を細かく掘り続ける
- 過去の出来事を細部まで思い返す
これでは、頭の中の反すうを紙に移しただけで、
思考への融合(巻き込まれ)が続いたままです。
解決としては?
- 分析は“1行程度”で止める
- 「いま浮かんでいる考え」と認識する
- 本音(今どうしたい?)まで必ず書く
「分析」ではなく、
“切り離す → 本音に戻る” の流れを守ることで反すうは静まります。
感情を抑え込もうとして苦しくなる理由
初心者に多い誤解が、
「ネガティブな感情を消さないといけない」という考えです。
しかしACTの基本は、
感情は抑えず、ただ“あるものとして認める”
こと。
抑えようとすると、
- 感情が強まる
- 書くこと自体がストレスになる
- ジャーナリングが“我慢大会”になる
という逆効果が生まれます。
正しい向き合い方
- 「不安があるね」
- 「怒りが湧いている」
- 「体が緊張している」
このように “状態の報告” として書く のがポイント。
感情を否定しないだけで、
心は自然に落ち着いていきます。
「正しく書かなきゃ」と完璧主義が発動する落とし穴
完璧主義が強い人ほど、ジャーナリングにも完璧を求めがちです。
- 丁寧に書かないと意味がない
- 正しい順番で書かないとダメ
- 文章として成立していないと落ち着かない
この「完璧にやらなきゃ思考」こそが、苦しみの正体です。
解決としては?
“雑でもいいから書く” を徹底しましょう。
- 箇条書きでOK
- 文字が汚くてもOK
- 文脈がバラバラでもOK
- 3行だけでもOK
ジャーナリングは「整った文章」ではなく、
“思考と距離を取るためのツール”
だという本来の目的に戻ることが大切です。
書いた後の“行動の小さな一歩”が重要な理由
ACTの根本は、
「価値に沿った小さな行動」に戻ること。
ジャーナリングはその準備にすぎません。
書いただけで放置すると、
- 気持ちだけが重くなる
- 問題が曖昧なまま残る
- また反すうが戻ってくる
ということが起こります。
解決策としては?
- 最後に “今日の小さな一歩” を1つ書く
- できればその場で1分だけでも行動する
- 行動できたら「OK」と言って終える
この“1分の行動”が、
不安・完璧主義・反すうの悪循環を断ち切るポイントです。
まとめ
- 分析しすぎると反すうが悪化する
- 感情は抑えるのではなく「あるものとして扱う」
- 完璧に書こうとすると逆効果
- 書いた後の「小さな一歩」が改善の決め手
思考の分離ジャーナリングと相性の良い心理技法

思考の分離ジャーナリングは単独でも大きな効果がありますが、
他の心理スキルと組み合わせると、改善のスピードが一気に加速します。
ここでは、ACTと特に相性の良い3つの技法を紹介し、
どう組み合わせると効果が高まるのかを詳しく解説します。
①ACTの「価値観(Values)」の整理と相性が良い理由
ACTでは「価値(Values)」を
“自分が大切にしたい生き方の方向性” と定義します。
思考の分離で“思考との距離”を作ったあとには、
その空いたスペースに、自分の価値観を戻すことがとても重要です。
なぜ価値観と相性が良いのか?
- 思考に巻き込まれなくなると、「本当はどうしたいか」が見えやすくなる
- 自己否定が弱まると、「選びたい行動」を選択しやすくなる
- 不安があっても「価値に沿った行動」なら続けやすい
思考を切り離すだけでは、空白ができます。
そこに “自分が向かいたい方向性(価値)” を入れることで、
行動力が劇的に戻ります。
価値観の簡単な書き方
- どんな人でありたい?
- どんな生き方をしたい?
- 何を大切にしたい?
ジャーナリング後に、これらの質問に1行答えるだけで
行動の軸が整うため、迷いや不安に戻りにくくなります。
認知行動療法(CBT)との違いと併用メリット
ACTとCBTは似ているようで役割が異なります。
CBT:思考の内容を検討し、「より現実的な考え」に修正する
例:
「私はダメだ → そんなことはない。証拠は?」と検討する。
ACT:思考の内容は変えず、「距離を取って巻き込まれないようにする」
例:
「私はダメだ、という思考が浮かんでいる」と扱う。
どちらが正しいという話ではなく、
方向性の違うアプローチが両方あると強いということ。
併用メリット
- ACTで“巻き込まれ度”を下げると、CBTの検討作業がスムーズになる
- CBTで“歪んだ思考”を見直せると、ACTでの距離作りがさらに安定する
- 不安・反すうの急性期はACT、落ち着いてきたらCBTが相性抜群
ジャーナリングでACT的な距離を作り、その後で
「本当にそうかな?」と軽く検討する流れは、効果が非常に高いです。

マインドフルネス瞑想と合わせると効果が上がる理由
マインドフルネスは、
“今この瞬間を評価せずに観察する”
というスキルを育てます。
これは思考の分離と本質的に相性が良く、
組み合わせると以下のメリットがあります。
相乗効果ポイント
- 思考に気づく速度が上がる
- 「今、思考に巻き込まれた」ことを素早くキャッチできる
- 感情の波が静まりやすくなる
- ジャーナリングの精度が自然に上がる
例えば、朝3分だけ呼吸瞑想を行うと、
その日のジャーナリングで “観察者の視点” が強化されます。
取り入れやすい方法
- 1分だけ呼吸に意識を向ける
- 思考が浮かんだら「思考」とラベリングする
- 気づいたら戻るだけでOK(正しくやろうとしなくていい)
このシンプルな習慣を足すだけで、
思考の分離がより自然になり、ライフスタイルとして根づいていきます。
まとめ
- ACTの価値観整理と組み合わせると“行動力”が戻る
- CBTとセットで使うと、思考の修正・距離化の両面が強くなる
- マインドフルネスは“気づく力”を育て、ジャーナリング効果を加速させる
- 思考の分離は「単独でも効くが、他の技法と組むと最強」
まとめ|思考と距離を取れば行動しやすくなる

思考の分離ジャーナリングは、
不安・完璧主義・反すうの「根っこ」にある “思考との融合(巻き込まれ)” をゆるめ、
本来の自分の行動力を取り戻すためのシンプルかつ強力な方法です。
ネガティブ思考に巻き込まれない“観察者の視点”
ACTの核心は、
“思考はただの思考であり、事実とは限らない”
この視点を獲得することです。
思考の分離ジャーナリングを続けると、
- 思考が浮かんでも、即「真実」だと思わなくなる
- 感情に飲まれず、「今どう使うか?」を選べるようになる
- 自己否定・最悪シナリオ・反すうへの距離が自然に生まれる
これはいわゆる “観察者の視点(観察者自己)” と呼ばれる状態で、
メンタルの安定度が大きく向上します。
「思考を見る側」に立てるようになると、
どんなネガティブな思考も“扱える情報”に変わります。
不安・完璧主義・反すうへの効果的なアプローチ
本記事で解説してきた三大悩みは、
すべて “思考への巻き込まれ度” によって悪化します。
- 不安……未来予測に巻き込まれる
- 完璧主義……内なる批判者に同化する
- 反すう思考……過去の評価に囚われ続ける
ジャーナリングは、この巻き込みを外すための “手軽で即効性のある方法” です。
その理由は、
- 思考が紙に出た瞬間、距離が生まれる
- 距離が生まれた瞬間、感情が落ち着く
- 落ち着くと、本音や価値にアクセスできる
- 価値に沿った行動ができるようになる
という 脳のモード転換(注意の再配分 & ブロードン効果) が起きるからです。
つまり、ジャーナリングは単なる「書き出し」ではなく、
心理モデルに基づいた“行動回復の技法” なのです。
今日からできる5分習慣としてのジャーナリング
最後に、本記事の実践部分のエッセンスをまとめます。
5分ジャーナリングの基本ステップ
- 感情を書く(不安・焦り・疲れなど)
- 思考を書く(「〜という考えが浮かんでいる」形式で距離化)
- 本音を書く(本当はどうしたい?)
- 小さな一歩を書く(今すぐできる1〜5分の行動)
効果を高めるポイント
- 完璧に書かなくてOK(雑でいい)
- 問題を深掘りしすぎない
- 感情は抑えず“状態”として書く
- 書いた後は、必ず“一歩だけ”行動する
- 距離化フレーズを使うと巻き込まれが一気に軽くなる
持続すると起きる変化
続けていくと、
- 思考に振り回されにくくなる
- 行動量が増える
- 不安が長引かなくなる
- 完璧主義の圧が弱まる
- 反すうが自然に止まりやすくなる
- 心の視野が広がる(ブロードン効果)
といった変化が積み重なります。

