「続けたいのにのに続かない…」「最初の一歩がどうしても重い…」そんな悩みはありませんか?
- やる気が出ないまま先延ばししてしまう
- 計画を立てても続かない
- 完璧にやろうとして動けなくなる
- 途中で挫折して“どうにでもなれ”状態になる
この記事では、行動が自然と続くようになる心理学的メソッド 「スモールステップ」 を分かりやすく解説します。
スモールステップは、小さい行動を積み重ねることで自信(自己効力感)を育て、完璧主義や不安を弱める科学的な方法です。
記事では、スモールステップの仕組み・効果・使い方に加え、「プロセス志向理論(結果より今の行動に意識を向ける考え方)」も取り上げ、今日からできる実践法までまとめています。
ぜひ最後まで読んでくださいね。
スモールステップとは?心理学的な意味と特徴をわかりやすく解説

スモールステップ(Small Steps)とは、
大きな目標をいきなり達成しようとするのではなく、
“負荷の小さい行動を細かく分けて、少しずつ進めていく心理学的な方法”です。
一言でいえば、
「行動のハードルを下げて、続けやすくする技術」です。
スモールステップは「行動の負荷を最小化する心理技術」
人は負荷(めんどくさい・難しそう・時間がかかりそう)を感じるほど、
脳が“やりたくない”反応を起こします。
たとえば…
- 「毎日30分の運動」
- 「ブログを1記事書く」
- 「部屋を全部片付ける」
これらは負荷が大きく、行動を止める典型例です。
そこでスモールステップでは、行動を “ほぼ失敗しない最小単位” に分解します。
例:
- 運動 → 靴を履くだけ
- ブログ → タイトルを1つ書くだけ
- 片付け → 机の上の紙1枚だけ捨てる
これなら、どれも 3〜10秒でできるレベル です。
心理学では、このように行動のハードルを下げることで
脳の抵抗がほぼゼロになり、行動が起動しやすくなる と考えられています。
小さな行動から始めると続く理由
スモールステップが続く秘密は、
「脳の報酬回路が小さな成功に反応する」ことにあります。
どんなに小さくても行動できると、脳は
- 「できた」
- 「自分でも進める」
- 「やればできるかも」
という 自己効力感(自信の源) を少しずつ育てていきます。
この“微細な成功”が積み重なると、
- 行動が習慣化しやすい
- モチベーションが安定する
- やる気が自然に湧きやすくなる
という良い流れが生まれます。
スモールステップが習慣化で重要とされる背景
心理学・行動科学の大量の研究から、
続かない主因のひとつとして“最初の一歩が大きすぎる”ことが科学的に示されています。
スモールステップはこの問題を根本から解決します。
- 負荷が小さいから続けられる
- 失敗が少ないから習慣が崩れにくい
- 小さな成功が自己効力感を育てる
- 行動が“自動化”しやすくなる
スモールステップが続く理由:心理学・行動科学のモデルで理解する

スモールステップが「続きやすい方法」と言われるのは、
科学的な裏づけが複数の心理学モデルで説明できるからです。
ここでは、代表的な7つの理論を、初心者にも分かりやすい例とともに整理します。
①行動形成(シェイピング):小さな成功が行動を強化する
行動分析学のB.F.スキナー が提唱した理論。
ポイントはただひとつ:
「できた行動を強化すると、次の行動も続きやすくなる」
たとえば…
- 1行書けた → 「できた!」
- 靴を履けた → 「動けた!」
- 本を開けた → 「今日も進んだ!」
このように「できた瞬間」に脳が快感を覚えることで、
次の行動が自然に起こりやすくなります。

②フォッグ行動モデル(FBM):能力要求を下げると行動は起きやすい
スタンフォード大学 BJフォッグ博士の有名モデル。
行動は
行動=動機 × 能力 × きっかけ
の3つの掛け算で決まる、と説明されます。
重要なのは「能力」の部分。
動機を上げるのは難しいけれど、
必要な能力(大変さ)を下げることは簡単
だから「スモールステップ」は合理的なのです。
例:
- ランニング → 靴を履く
- 英語勉強 → アプリを1分だけ開く
- 片付け → 机の上の紙1枚だけ捨てる
“小さすぎて失敗しない行動” がいちばん起動しやすい、という科学的根拠です。
マイクロハビット
マイクロハビットとは、
失敗しようがないほど小さな行動を習慣の起点にする方法 のことです。
- 1行書く
- 1ページ読む
- 1回だけストレッチする
- 靴を履くだけ
- ノートを開くだけ
など、抵抗をほとんど感じずに始められる“最小単位の行動”を作るのが特徴です。
小さすぎる行動は脳が「めんどくさい」と感じず、
そのまま続きやすくなるため、習慣化の成功率が上がります。
③行動の起動コスト(はじめる負荷)が最も大きい
人間の行動には「起動コスト(はじめるためのエネルギー)」が存在し、
このコストは 最初の一歩がもっとも大きい とされています。
スモールステップは、この“最初の坂”を限界までゆるやかにすることで、
行動を自然に始めやすくする技術です。
つまり、
- 始める前が一番つらい
- やり始めると楽になる
ということ。
スモールステップは、この“坂道の角度”をゆるくしてくれるため、
心理的に行動しやすくなります。
④プロセス志向理論(Process Focus):結果より「今の行動」に集中すると続く
行動心理学では、
結果より「やっている最中の行動」に意識を向けたほうが、継続しやすい
という研究が多数あります。
スモールステップは自然とこの状態を作り出します。
理由:
- 小さな行動は「今できること」に意識が向く
- 結果(成功・失敗)を気にしにくい
- 行動そのものが目的化してストレスが減る
例:
「ブログ1記事書く」は結果志向。
「タイトル1個書く」「1行だけ書く」はプロセス志向。
プロセスに意識が向くと、完璧主義や不安が弱まり、行動が軽くなる。
- 結果志向 → 失敗への不安・評価への恐れが増える
- プロセス志向 → “今やっている行動”に集中できるため続けやすい
マスタリー志向(Mastery Orientation)研究
学習心理学の伝統研究では:
- 結果(成績)にこだわる=パフォーマンス志向 → 挫折しやすい
- 学習そのもの(プロセス)に興味=マスタリー志向 → 継続率・成績向上
という関連が確認されている。

⑤実行意図(Implementation Intentions):行動が自動化される
心理学者ゴルヴィッツァーの有名な理論で、
「いつ・どこで・何をするか」を事前に決めると行動が自動化される
というもの。
例:
- 「朝8時になったら、ノートを開く」
- 「コーヒーを淹れたら、英語アプリを開く」
スモールステップと組み合わせると、
ほぼ無意識で行動が始まる“行動の自動化ループ” が完成します。
⑥作業興奮(作業を始めると続きがやりたくなる)
心理学では、
「少しだけ手をつけると、脳が続きをやりたくなる」
という現象が知られています。
例:
- 1行書くと、その続きが気になる
- 1分片付けると、もう少し整えたくなる
これは脳が「未完了の状態」を嫌うからです。(ゼイガルニク効果)
スモールステップは、この“起動スイッチ”を簡単に押せるため、
自然と行動が続きやすくなります。
まとめ|スモールステップが続く理由は「脳と心理に合っているから」
スモールステップはただの「小さく始めよう」ではなく、
- 行動分析学
- 行動経済学
- 認知心理学
- 習慣科学
など、複数のモデルで裏づけられた 科学的な継続メソッド です。
スモールステップが効く「行動の障害」6つを心理学で解説

スモールステップは、単に「小さく始めるコツ」ではなく、
人が行動できなくなる6つの心理的ハードルをまとめて弱める ことができます。
ここでは、代表的な6つの「行動の障害」を
心理学の根拠とともにわかりやすく解説します。
① 先延ばし(Procrastination)を防ぐ理由
先延ばしの大きな原因は、
行動の負荷が大きいと、脳が“すぐに避けようとする”反応 です。
スモールステップは、その負荷をほぼゼロにします。
例:
- 「30分勉強」 → 1分だけ教科書を開く
- 「ランニング」 → 靴を履くだけ
これなら脳は「面倒」と判断しません。
さらに、一度始めると 作業興奮 が起こり、
「せっかくだしもう少し…」と自然に続きがやりたくなります。

② 計画倒れ(Planning Fallacy)が減る理由
計画倒れとは、
「自分の能力や時間を過大評価することで、実行できない計画を立ててしまう現象」。
スモールステップは、
- やることが小さい
- 時間が読める
- 成功率が高い
という特徴があるため、現実的な行動計画 に変わります。
例:
「ブログを1記事書く」は曖昧で負荷が重い。
「タイトル1つ作る」「見出し3つだけ作る」なら、ほぼ計画通りに進む。
結果として、「できた」という感覚が増え、計画倒れしなくなります。
③ どうにでもなれ効果(What-the-hell Effect)を防ぐ仕組み
どうにでもなれ効果とは、
小さな失敗をきっかけに、自暴自棄になって行動を放棄する心理。
例:
「ダイエット中にお菓子を食べた → もう今日はいいや」
「勉強をサボった → 今週は終わりでいいや」
スモールステップが効くのは、この心理の前提を壊せるからです。
- ステップが極小 → 失敗の概念がほぼない
- 行動量ではなく「手をつけたか」で評価できる
- 途切れてもすぐ再開できる
つまり、スモールステップには
“再開のハードルを最小化する力” があり、
自暴自棄のループを断ち切れます。
④ 完璧主義(Perfectionism)の「いきなり100点思考」を崩す
完璧主義者の特徴は、
- 失敗したくない
- 最初から完璧にやりたい
- 中途半端が怖い
という心理。
スモールステップは、この考え方を根本から変えます。
- 小さな行動では「失敗」という概念が存在しない
- 完璧ではなく「進んだこと」を評価しやすくなる
例:
「完璧なブログを書く」→ 書けない
「まずは1行だけ書く」→ 書ける
これにより、完璧主義の“過剰な基準”が自然と緩み、行動力が回復します。

⑤ セルフハンディキャップを弱める理由(能力不安と失敗恐怖の軽減)
セルフハンディキャップとは、
「本気を出して失敗したとき傷つかないよう、わざと行動を妨害する心理」。
例:
- 締切前にあえてギリギリまで手をつけない
- 体調のせいにできるように準備しない
- 「時間がなかったから」と言い訳を作る
スモールステップが有効なのは、
本気を出さなくてもできる行動だから。
- 行動の負荷が低い
- 成功率が高すぎて「言い訳」が成立しない
- 小さな成功で自信が積み上がる
結果として、
「やればできるかも」と思えるようになり、
セルフハンディキャップ行動(言い訳づくり)が弱まります。

⑥ 学習性無力感(Learned Helplessness)に小さな成功が効く理由
学習性無力感とは、
「どうせやっても無駄だ」と学習してしまい、行動が止まる現象。
これは、不成功の経験が続くことで起こります。
だからこそ、スモールステップは最適な対策。
- 小さく成功する → 自信が生まれる
- さらに行動できる → 自己効力感が回復する
例:
「ブログを毎日書けない」→ 無力感
「まずは1行だけ書く」→ 成功
「もう1行書ける」→ 成功
これを繰り返すと、無力感は薄れていきます。
小さな成功体験は無力感を弱める最も強力な要素 とされています。

まとめ:スモールステップは“行動できない原因”に同時に効く
スモールステップは次の6つをすべて解消します:
- 先延ばし
- 計画倒れ
- どうにでもなれ効果
- 完璧主義
- セルフハンディキャップ
- 学習性無力感
だからこそ、スモールステップは
「行動を変えるための実用的な心理技術」 と広く支持されています。
スモールステップが続く人・続かない人の心理的な違いとは?

スモールステップは「誰でも続けられる方法」ですが、
続く人と続かない人には、心理的な違いが存在します。
ここでは、行動科学の視点から
その違いをわかりやすく整理します。
行動に「摩擦」があると続かない
行動科学では、行動を止める要因を “摩擦(Frictions)” と呼びます。
摩擦とは、次のような「小さな面倒」のことです:
- 準備が多い
- 道具が必要
- 時間が読めない
- 手順が複雑
- 気分のムラが大きい
これらがあると、人は自然と行動を避けます。
逆にスモールステップは 摩擦を限りなくゼロにする方法。
たとえば:
- 机の片付け → テーブルに近い紙1枚だけ
- 勉強 → 本を開くだけ
- 運動 → 靴を履くだけ
「摩擦が小さい = 行動が軽い」
という原則が、スモールステップを続けやすくします。
行動のハードルを下げるとモチベーションは不要になる
続かない人は、
「やる気が出てから始めよう」
「集中できる時にやりたい」
と考えがち。
しかし心理学的には、 「行動 → モチベーション」の順番が効果的だと言われています。
スモールステップが強いのは、
行動を極限まで小さくすると、モチベーションがなくても始められる
という性質があるからです。
行動が始まれば、作業興奮により
やる気は後から自然に湧いてきます。
続かない人が陥りやすい3つの落とし穴
① ステップがまだ大きい
「毎日10分やる」は、初心者にはまだ重いことが多い。
最初は “10秒で終わる行動” にするのが理想。
② 結果を求めすぎる(結果志向)
「痩せない」「成果が出ない」など、
結果に意識が向くとモチベーションが下がります。
スモールステップはあくまで、
“行動を続けるための仕組み”。
成果はその後に自然とついてきます。
③ 記録は「効果が出やすい人」と「逆効果になる人」がいる
行動科学では、記録の可視化が継続を助けるとされますが、
記録が負担になるタイプの人は、かえって行動のハードルが上がることがあります。
そのため、最初は「最小限の記録(丸を1つつけるだけ)」から始めるのが安全です。
続く人は「成功」ではなく「プロセス」を見ている(プロセス志向の実例)
続く人の共通点は、
「成果」より「今日の行動」に意識を向けていること。
これが プロセス志向(Process Focus) です。
例:
- 「痩せる」より「今日はご飯前に1回スクワット」
- 「記事を書く」より「今日は1行だけ書く」
- 「英語を話せるように」より「今日は1分だけアプリを開く」
このように 行動だけに集中すると、
- 自己批判が減る
- 完璧主義が弱まる
- 続けられなかった罪悪感が消える
- 行動が「軽い」状態になる
という変化が起きます。
つまり、スモールステップを続ける秘訣は、
「今日やる一歩だけ」に集中すること なのです。
まとめ:続く人と続かない人の違いは「行動の見方」
- 続かない人 → 結果中心・行動が大きい・摩擦が多い
- 続く人 → プロセス中心・行動が小さい・摩擦が少ない
科学的に正しいスモールステップの作り方|行動科学に基づく具体的手順

スモールステップは「なんとなく小さく始める方法」ではありません。
心理学・行動科学の研究から導かれた “続く行動をつくるための技術” です。
ここでは、誰でも今日から使える 科学的なスモールステップのつくり方 を紹介します。
① 行動を「1/10以下」に分解する方法(負荷最小化)
最初のポイントは、行動を “自分が思うより10倍小さくする”こと。
ほとんどの人は
「これなら小さいだろう」というレベルでも、
脳にとってはまだ大きいことが多いのです。
分解のコツ
以下の3つの質問を自分に投げると、ちょうどよいサイズにできます。
- 今日、疲れていてもできる最小行動は?
- 10秒で終わる形にするとしたら?
- 子どもでもできるレベルにするなら?
具体例
- 30分ランニング → 靴を履く
- ブログ1記事 → タイトルを1つ考える
- 勉強1時間 → 教科書を1ページ開く
- 片付け → 紙を1枚捨てる
「もうこれ以上小さくできない」というレベルが正解です。
② 最初の“1分・1行・1回”を決めるコツ
スモールステップの本質は、
「行動を起動させるスイッチを作る」こと。
そのために効果的なのが、以下の3つの基準です。
1分(行動時間を極小化)
例:1分だけ本を開く、1分だけアプリを開く
1行(作業量を極小化)
例:ブログを1行だけ書く、日記を1行だけ書く
1回(回数を極小化)
例:スクワット1回だけ、コップ1杯の水を飲む
この3つは「言い訳できないサイズ」なので、
脳が拒否しにくく、行動が自動的に始まりやすいというメリットがあります。
③ プロセスに集中するための「評価の変え方」
スモールステップを続けられない人の多くは、
評価軸が“結果(できた/できない)”になっていることが原因です。
行動科学では、
継続したいときは「結果」ではなく「プロセス」を評価するのが効果的とされています。
具体的な評価方法
成果を見ない → 「今日やるべき行動を実行したか?」だけを見る
例:
- ×:「ブログが何文字進んだか」
- ○:「1行書けたかどうか」
- ×:「体重が減ったかどうか」
- ○:「1回スクワットをしたか」
「行動すれば100点」の評価に変えると、
完璧主義や罪悪感が消え、圧倒的に続きやすくなります。
④ 行動が途切れたときの巻き返し方(どうにでもなれ効果の対策)
行動が止まったとき、最も危険なのが
「どうにでもなれ効果(自暴自棄)」。
例:
- 「1日サボった → 今週もう無理」
- 「ダイエット中にお菓子を食べた → 今日で終わり」
これを防ぐには、次のルールを守るだけでOKです。
ルール:
再開した瞬間が成功。量や質は一切問わない。
再開のハードルを限りなく低くすることで、
どうにでもなれ思考から行動を再開することができます。
例:
- ブログ → 「1文字だけ書く」
- 運動 → 「靴を履くだけ」
- 勉強 → 「机に座るだけ」
“どれだけやるか”ではなく“戻る習慣”が本当の財産。
⑤ ステップを強化する方法
行動分析学では、行動が続く理由を “強化(Reward)”で説明します。
スモールステップも、強化の使い方で継続力が変わります。
強化のポイント
- 成功したら、すぐ自分を肯定する
→「よし、できた」「今日も進んだ!」 - ご褒美は小さくてOK
→ 小成功に小報酬が最も続きやすい - 記録をつける(見える化)※ただし、負担を感じないやり方で
→ カレンダーのチェック、アプリの連続記録など
ステップを強化する順番
- 行動を開始できたらOK
- 続いた日数を増やす
- 慣れてきたら、行動量を少しだけ増やす
“できるステップ”を強化していくことで、
無理なく行動が習慣化します。
まとめ:正しいスモールステップは「続く仕組み」をつくる
スモールステップが科学的に強力なのは、
- 行動の負荷を最小化
- モチベーションがほとんど不要
- 自暴自棄を回避
- 完璧主義を弱める
- 自己効力感を育てる
という効果が“同時に”起こるからです。
今日から使えるスモールステップの具体例【仕事・勉強・日常】

スモールステップの本質は 「行動の負荷を最小化すること」。
ここでは、今日からすぐに実践できる 仕事・勉強・生活・メンタルケア のスモールステップをまとめます。
①勉強・在宅ワーク・ ブログのスモールステップ
勉強(資格・語学・受験)
- テキストを開く
- 1ページだけ読む
- 単語を1つ覚える
- 英語アプリを30秒だけ開く
「1ページ読む=成功」ではなく、
開いたら成功 にすると継続率が劇的に上がります。
在宅ワーク(副業・リサーチ・事務作業)
- PCを開く
- Google検索を1回だけする
- 管理画面にログインするだけ
- 取引リストを1つだけ確認
スモールステップの基本は “作業の起動スイッチ”を押すだけ です。
ブログ
- タイトルを1つ書くだけ
- 見出しを1つ作る
- メモに1行だけ書く
- WordPressを開くだけ
「1行だけ書く」を続けると、作業興奮が働き、自然に書く量が増えます。
② ダイエット・運動・片付けのスモールステップ
運動・ダイエット
- 靴を履く
- 水をコップ1杯飲む
- スクワット1回
- ストレッチを10秒
- ランニングウェアを着るだけ
「1回だけ」でも、脳は“運動した”と認識して習慣が強化されます。
片付け・掃除
- 紙を1枚捨てる
- テーブルを10cmだけ拭く
- 洗濯物を1つだけ畳む
- ゴミ袋を出すだけ
片付けは“始めれば勝ち”の代表例。
たった1つの行動で、作業興奮が起こりやすい領域です。
健康習慣
- サプリを机に置くだけ
- 歯磨き粉を出す
- 湯船にお湯を張るだけ
- 就寝10分前にスマホを別の部屋に置く
「準備だけ」でも十分スモールステップになります。
③ メンタルケアで使えるスモールステップ(自己受容・不安対策)
メンタルケアは「できない日」があって当然。
だからこそスモールステップが最も力を発揮します。
自己受容・セルフコンパッション
- 「今日できたことを1つだけ書く」
- 「よく頑張ったね」と1回だけ言う
- ノートを開くだけ
- 深呼吸を1回する
小さな自己受容が続くと、自己批判の癖が弱まります。
不安対策
- 不安を書き出す(3文字だけでもOK)
- 1分だけ散歩
- お茶を淹れて座る
- 眉間を10秒ほぐす
不安が強い日は、難しい行動は逆効果。
“小さすぎる行動”が心の回復を助けます。
④ 続けやすい“最小行動の作り方”の具体例
スモールステップを作るときは、以下のテンプレートを使うと便利です。
スモールステップ作成テンプレ
目的: ________
最小行動: 「_________を1回だけする」
時間: 10秒以内
評価: 実行したら100点(量は不問)
例
目的:運動習慣をつける
→ 最小行動:「靴を履く」
目的:部屋をきれいにしたい
→ 最小行動:「紙を1枚捨てる」
目的:ストレスを減らす
→ 最小行動:「深呼吸1回」
目的:ブログを書く
→ 最小行動:「タイトル案を1個だけ作る」
まとめ:スモールステップの本質は「自己効力感」と「プロセスに集中する力」

スモールステップは、
「小さく始める」ためのコツではなく、科学的に行動を続けるための“心理設計” です。
これまでの理論・モデル・例を総合すると、
スモールステップの本質は 2つの心理効果 に集約されます。
① 小さな成功が自信を生む心理学的理由(自己効力感)
心理学の中心概念である 自己効力感(Self-efficacy) は、
「自分はできる」という感覚のこと。
行動が続かない原因の多くは、
- やってもできないかもしれない
- うまくいく気がしない
- 失敗したくない
といった 「できる感覚」の欠如 にあります。
スモールステップは、この欠如を根本から変えます。
- 小さすぎる行動 → 成功率ほぼ100%
- 成功率が高い → 自己効力感が育つ
- 自己効力感が育つ → 行動が怖くなくなる
- 行動が増える → 人生が変わる速度が上がる
つまりスモールステップは、
小さな成功で“行動の土台”を再構築する心理技術 なのです。

② プロセス志向で行動が軽くなるメカニズム
人が行動をやめてしまう最大の理由は、
「結果にばかり意識が向き、不安や完璧主義が暴走する」こと。
プロセス志向理論(Process Focus)は、
結果ではなく“今の行動”に意識を向けると継続しやすい
という心理学モデルです。
スモールステップは自然とプロセス志向をつくり、
- 「1行だけ書く」
- 「靴を履くだけ」
- 「紙を1枚捨てる」
といった 行動そのものに集中する状態 を作ります。
その結果、
- 結果のプレッシャーが消える
- 失敗や停滞が怖くなくなる
- 完璧主義が弱まる
- 行動の重さが消える
という、行動の“根本的な軽さ”が生まれます。
行動が変われば、感情と人生が変わる
スモールステップは小さいようでいて、
長期的には 人生の最重要スキル になります。
なぜなら、
- 行動が変わる
- 行動が積み重なる
- 結果が変わる
- 自己効力感が育つ
- 感情が安定する
- 人生の方向性が変わる
という流れが自然に起こるからです。
大切なのは “小さく進んだ自分を認めること” だけです。
最後に:今日からできる最初のスモールステップ
👉 「今日のスモールステップを1つだけ決める」
例:
- 勉強なら「本を開く」
- 運動なら「靴を履く」
- 片付けなら「紙を1枚捨てる」
- ブログなら「タイトルを1つだけ書く」
この“最初の一歩”を決めることが、スタートになります。
