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スキーマ療法のモード理論とは?10種類の心の状態をわかりやすく解説

「気づいたら同じ失敗を繰り返している」「つい人間関係で感情的になってしまう」──そんな経験はありませんか?もしかすると、それはあなたの中で切り替わる「モード」が影響しているのかもしれません。モードとは、スキーマ療法(認知行動療法を発展させた心理療法)で使われる、心の状態を表す概念です。

この記事では、モード理論の基本4分類代表的な10種類のモードをわかりやすく解説し、さらに「日常でどう現れるか」「セルフケアにどう活かせるか」まで紹介します。自分を責めてしまう声や繰り返す行動パターンを理解するヒントが得られるはずです。

心の仕組みを知ることは、変化の第一歩。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。


目次

スキーマ療法におけるモード理論とは?

スキーマ療法の理解に欠かせないのが、モード理論です。モードとは、私たちの心がその瞬間にどんな状態にあるのかを示す「心のモード(切り替え)」のこと。気分や態度、行動のまとまりを指す心理学的な概念です。

1人の中に複数のモードが存在し、状況によって切り替わる。これにより「同じ人なのに場面ごとに反応が違う」理由を説明できます。

モードとは?心の状態を表す心理学的な概念

普段の生活でも、「子どもみたいに拗ねる」「大人らしく落ち着いて対応する」といった表現を使うことがあります。これがまさにモードのイメージです。

  • モード=その時その場での心の姿
  • 感情(怒り・不安など)、思考(どうせ失敗する…)、行動(避ける・攻撃する)が一体となって現れます。

モード理論が注目される理由と治療での役割

従来の認知行動療法では「考え方の癖」を中心に扱いましたが、スキーマ療法では「感情」「行動」「心の状態」を包括的にとらえます。
モード理論を使うことで、

「今の自分はどのモードにいるのか?」を把握できる

苦しみの原因が過去の体験に結びついていることが分かる

「健全な大人モード」を強化して、バランスをとる方法を学べる
といったメリットがあります。

「スキーマ」「コーピングスタイル」との違い

  • スキーマ:幼少期から形成された「思い込みのルール」(例:「人は必ず自分を裏切る」)
  • コーピングスタイル:そのスキーマに反応して取る行動パターン(回避・降伏・過補償)
  • モード:スキーマ+感情+行動がひとまとまりになった「その瞬間の心の姿」

👉 つまり、スキーマは「設計図」、コーピングは「対処の仕方」、モードは「現在の心の状態」と整理すると分かりやすいです。


モード理論の基本4分類

スキーマ療法のモード理論は、細かく分けると10種類以上のモードが提示されますが、大きく整理すると4つのカテゴリーに分けられます。まずはこの4分類を押さえると、全体像が理解しやすくなります。

①子どもモード:感情がそのまま表れる状態

幼少期の気持ちがそのまま出てくるモードです。

例:「不安で泣きたくなる(傷ついた子ども)」「怒りを爆発させる(怒れる子ども)」

自分でもコントロールしにくく、無力感や衝動性が出やすいのが特徴です。

②親モード:内面化された厳しい声

幼少期に親や養育者から言われた言葉や態度が心に残り、「自分を責める声」として出てくるモードです。

例:「もっと頑張らなきゃダメだ」「失敗するなんて情けない」

自分を苦しめる「批判的な親」や「要求の厳しい親」として表現されます。

③対処モード(不適応コーピングスタイル):回避・降伏・過補償の行動パターン

苦しい感情に直面したときに、自分を守るためにとる行動モードです。

代表的なのは以下の3つ:

  • 回避:人間関係を避ける、感情を麻痺させる
  • 降伏:言いなりになる、相手に依存する
  • 過補償:逆に攻撃的・支配的になる、完璧主義を貫く

短期的には楽になりますが、結果的にスキーマを強化してしまう悪循環につながります。

④健全な大人モード:バランスをとり心を落ち着ける部分

スキーマ療法のゴールとも言えるモードです。

自分の感情を受け止めつつ、現実的に判断し、健全に行動できます。

例:不安を感じたときに「大丈夫、今は大人の自分が対応できる」と自分を安心させる。

「子どもモードの気持ちをケアし、親モードの厳しい声に振り回されず、対処モードの悪循環を断ち切る」役割を果たします。


代表的なモード一覧(10種類)

モード理論は大きく4分類に整理できますが、実際の臨床やセルフケアでは10種類前後の代表的なモードを押さえると理解しやすくなります。ここでは、よく取り上げられる10種類のモードを分類ごとに紹介します。

①子どもモード(傷ついた子ども/怒れる子ども/衝動的な子ども/幸せな子ども)

  • 傷ついた子ども(Vulnerable Child):孤独、不安、無力感を感じやすい。例:人に拒絶されるのが怖くて過敏に反応する。
  • 怒れる子ども(Angry Child):怒りや不満を爆発させる。例:思い通りにいかないと感情をぶつける。
  • 衝動的な子ども(Impulsive/Undisciplined Child):欲求を抑えられない。例:ストレスで衝動買いをしてしまう。
  • 幸せな子ども(Happy Child):安心感や喜びを素直に表現できる。例:リラックスして楽しめている状態。

②親モード(批判的な親/要求の厳しい親)

  • 批判的な親(Punitive Parent):自分を責めたり罰したりする声。例:「そんなこともできないのか」
  • 要求の厳しい親(Demanding Parent):完璧や努力を求め続ける声。例:「もっと頑張らないと価値がない」

③対処モード(回避/降伏/過補償)

  • 回避(Detached Protector):人や感情から距離を取って心を守る。例:人付き合いを避ける、感情を麻痺させる。
  • 降伏(Compliant Surrenderer):スキーマに従い、相手の要求をそのまま受け入れる。例:嫌なのに断れず、相手に従ってしまう。
  • 過補償(Overcompensator):スキーマを否定するように反応するが、行き過ぎてしまう。例:弱さを隠すために攻撃的になる。

④健全なモード(健全な大人)

  • 健全な大人(Healthy Adult):子どもモードを安心させ、親モードの否定的な声を調整し、健全に行動できる。例:不安な気持ちを受け止めつつ、現実的に判断する。

👉 この10種類を理解すると、自分や周囲の行動パターンを「今どのモードにいるのか」と把握しやすくなります。

モードが日常にどう現れるか?具体例で理解する

モード理論は抽象的に感じやすいですが、実際の生活に当てはめるととても分かりやすくなります。ここでは代表的なモードが日常の場面でどのように表れるかを具体例で解説します。

「批判的な親モード」の声:自分を責める考え

例:「また失敗した、私はダメだ」「もっと頑張らないと愛されない」

このモードが強いと、完璧を求めすぎたり、自分を過小評価して行動できなくなります。

内面の“厳しい親”の声に気づくことが第一歩です。

「傷ついた子どもモード」の反応:不安や孤独感

例:「どうせ嫌われる」「一人にされるのが怖い」

幼少期の体験で形成された不安がそのまま出てきます。

大人になっても人間関係で過敏に反応してしまうことがあります。

「過補償モード」の行動:攻撃や完璧主義

例:「絶対に負けない」と強がる、「相手を支配して優位に立つ」

弱さを隠そうとするあまり、攻撃的になったり完璧を追求してしまいます。

一見強く見えますが、心の奥には「傷ついた子どもモード」が隠れています。

健全な大人モードでの対処例

例:「不安なのは自然なこと。だけど今の自分は大人だから大丈夫」と自分を安心させる

批判的な親モードの声に対して「それは昔の考え方」と切り替える

感情に流されすぎず、現実的でバランスのとれた判断ができます。


👉 このように、モードはただの理論ではなく、日常の思考・感情・行動に直結する仕組みです。
自分のモードに気づくことで「なぜ同じパターンを繰り返してしまうのか」が理解しやすくなります。


モード理論をセルフケアに活かす方法

モード理論は臨床で専門家が使う心理モデルですが、考え方を知っておくだけでも日常のセルフケアに役立ちます。ここでは初心者でも取り入れやすい実践ポイントを紹介します。

自分のモードに気づくためのチェックポイント

「今の自分はどのモードにいるのか?」と立ち止まって考える

例:落ち込みが強いとき → 「傷ついた子どもモード」かも
   やたらと完璧を求めているとき → 「要求の厳しい親モード」かも

名前をつけて整理すると、感情や行動を客観的に見やすくなります。

批判的な親モードに振り回されない工夫

自分を責める声が聞こえたら「これは批判的な親モードの声だ」と気づく

「健全な大人モード」として「そんなに完璧じゃなくても大丈夫」と言葉をかけ直す

紙に書き出して、客観的に眺めるのも有効です。

健全な大人モードを育てるセルフトレーニング

子どもモードの気持ちに「大丈夫だよ」と寄り添う

批判的な声に対して「今は大人の自分が対応できる」と言い換える

小さな行動を積み重ねる(例:NOと言う練習、安心できる人と過ごす時間を増やす)

健全な大人モードを鍛えることが、モード理論を日常で活かすカギになります。


👉 モード理論をセルフケアに取り入れると、感情や行動を「自分は今どのモードにいるのか」と理解しやすくなります。これは行動パターンの悪循環を断ち切る第一歩につながります。


まとめ|モード理論を知ることの意味

スキーマ療法のモード理論は、心の仕組みを理解するための強力なツールです。モードを知ることで、自分の感情や行動を「今どのモードにいるのか」と客観的にとらえられるようになります。

10種類のモードを理解するメリット

  • 感情や行動の背景にある「モード」を知ると、自分や他人の反応が分かりやすくなる
  • 悪循環を断ち切り、健全な大人モードを育てるきっかけになる
  • 人間関係や自己理解のツールとして役立つ

自分を客観視して行動を変える第一歩に

  • 「怒っているのは怒れる子どもモードかもしれない」
  • 「完璧を求めすぎているのは要求の厳しい親モードかも」
    こうした気づきは、自分を責めるのではなく「距離をとって見る」きっかけになります。そこから新しい行動を選びやすくなります。

必要に応じて専門家の支援を活用する

セルフケアとしてモード理論を取り入れることは有効ですが、長年続く苦しみや強い不安に関しては、専門家のサポートを受けることが推奨されます。セラピストと一緒に取り組むことで、より安全で効果的にモードを調整できるでしょう。


👉 モード理論は「心の状態を理解する地図」のようなものです。まずは自分がどのモードに入りやすいのかを知り、少しずつ健全な大人モードを強めていくことが、人生をより生きやすくする第一歩になります。


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