「なんで自分ばかりうまくいかないんだろう」「失敗が怖くて前に進めない」——逆境にぶつかったとき、私たちはついネガティブな物語を心の中で繰り返してしまいがちです。
このブログでは、そんな逆境を乗り越えるための「自分物語」の作り方をお伝えしていきます。
ただポジティブになるだけじゃなく、現実に即した方法で、自分を支える物語を書き換えるコツを知ることで、きっと心が軽くなるでしょう。
逆境を乗り越える「自分物語」とは何か?

● 自分物語(ナラティブ)の意味とは?
「自分物語(ナラティブ)」という言葉、ちょっと難しそうに感じるかもしれませんが、簡単に言うと 「自分の人生をどんなストーリーとして捉えているか」 ということなんです。
例えば同じ出来事でも、人によって物語の語り方は全然違います。
- 「あの失敗のせいで自分はダメな人間だ」と思う人もいれば、
- 「あの失敗があったからこそ、今の自分がいる」と考える人もいます。
このように、事実は同じでも、自分がどう物語を作るかで心の強さや行動が大きく変わるんですよ。
● なぜ「物語」がセルフイメージを決めるのか
実は、この「自分物語」はそのまま セルフイメージ(自分はこういう人間だという思い込みや自己像) につながっています。
例えば、
- 「自分はいつも失敗する」という物語を持っている人は、挑戦を怖がりやすくなる
- 「自分は苦しくても立ち上がれる人だ」という物語を持っている人は、逆境でも行動しやすくなる
つまり、どんな物語を信じているかで、 心の強さも行動力も決まる というわけなんです。
これが、逆境に強くなるために「自分物語」が重要と言われる理由です。
● 逆境を乗り越える人が持つ共通のストーリー
逆境を乗り越えられる人には、ある共通の「物語」があります。
例えば、
- 「失敗は成長のチャンスだ」
- 「過去の経験は無駄にならない」
- 「自分はなんとかできる力がある」
こうした前向きな物語を心の奥に持っているからこそ、辛い状況でも「どうにかなる」「自分には乗り越える力がある」と思えるんです。
有名な言葉でいうと、ナポレオン・ヒルの
「逆境は、しばしば同等かそれ以上の利益の種子を伴っている。」
という言葉も、まさにこの物語の力を表していますよね。
● ネガティブ物語が心を弱くする理由
逆に、逆境を乗り越えにくい人は、心の中にこんな物語を抱えがちです。
- 「自分は運が悪い人間だ」
- 「いつも大事なときに失敗する」
- 「頑張っても報われない」
こうした ネガティブな物語は、心を弱らせ、行動する勇気を奪ってしまうんです。
実際、脳は繰り返し考えることを「事実」だと勘違いしやすいので、「自分はダメだ」と思い続けると、どんどんそれがセルフイメージとして固定されてしまいます。
だからこそ大事なのは、 「自分の物語を書き換える」という意識 なんです。
「あの経験があったからこそ成長できた」と捉え直すことで、心が折れにくくなり、逆境を乗り越える力が育ちます。
まとめると…
- 自分物語(ナラティブ)とは、自分の人生をどんなストーリーとして捉えているか
- 物語はそのままセルフイメージになり、逆境を乗り越える力を左右する
- ポジティブな物語を持つ人は、逆境でも立ち上がれる
- ネガティブ物語は心を弱らせるが、書き換えることは可能
これが「逆境を乗り越える自分物語」の基本的な考え方なんです。
セルフイメージが逆境の強さを決める理由

● セルフイメージがメンタルに与える影響
まず、「セルフイメージ」というのは、簡単に言うと 「自分はこういう人間だ」と信じている自己像や思い込み のことです。
たとえば:
- 「自分は打たれ弱い人間だ」と思い込んでいる人は、逆境にぶつかった時にすぐ心が折れやすくなります。
- 反対に「自分は失敗しても立ち直れる人間だ」と思っている人は、同じ逆境にあっても立ち上がりやすい。
このように、セルフイメージがメンタルに強い影響を与えるのは、脳が「自分はこうだ」と思った通りに物事を解釈しようとするからなんです。
脳は現実より「思い込み」の方を優先するクセがあるんですよ。
● 「私は乗り越えられる人」という信念の重要性
逆境に強い人が持っている共通点の一つは、
「私はどんな状況でも、最終的には乗り越えられる人間だ」
という セルフイメージ(信念) です。
これは単なるポジティブ思考ではなく、何度か辛い経験を乗り越えた実感から育つことも多いです。
例えば、
- 「あの時も大変だったけど、なんとか切り抜けた」
- 「最悪を想定したら、思ったほど悪くはならなかった」
こうした体験が積み重なると、
「今回もきっと大丈夫」と思える心の土台ができます。
この信念は、逆境に直面したときに
- 焦らず冷静に考える力
- 諦めずに行動するエネルギー
を生み出してくれる、とても大切な武器です。
● 逆境をチャンスに変える人のセルフイメージ例
逆境を単なる不幸で終わらせず、むしろチャンスに変えてしまう人もいます。
例えば、スポーツ選手がケガをしたときに、
「この時間で自分の弱点を克服するんだ」
と考えたり、
経営者が失敗をしたときに、
「この失敗があったからこそ次はうまくいく」
と捉えることがあります。
こうした 逆境を肯定的に解釈するセルフイメージ が、その人をさらに成長させるんですね。
● 弱いセルフイメージから抜け出せない人の特徴
一方で、逆境に弱い人は、どうしても次のようなセルフイメージを抱えがちです。
- 「どうせ自分はうまくいかない」
- 「自分は運が悪い」
- 「周りの人みたいに強くなれない」
こうした思い込みが強いと、
- 物事をすぐに「無理だ」と決めつける
- 新しいことに挑戦しなくなる
- 小さな失敗を大きな挫折と感じる
という 負のループ に陥ってしまいます。
しかし、ここで知っておいてほしいのは、
セルフイメージは「生まれつき」ではなく、書き換えられるものだということ。
これまでの人生で刷り込まれた思い込みを、少しずつ修正していくことで、
「自分は乗り越えられる人間だ」という新しい物語を作れるんですよ。
まとめると…
- セルフイメージは「自分はこういう人間だ」という思い込み
- 思い込み次第で逆境への反応が大きく変わる
- 「乗り越えられる自分」という信念は心の強さの土台になる
- 弱いセルフイメージも、書き換えることができる
「自分物語」とは、自分が人生をどんなストーリーとして捉えているかという心の中の物語です。
この物語こそが、「自分はこういう人間だ」というセルフイメージを形づくる土台になります。
例えば、
- 「苦労ばかりの人生」という物語を持てば、弱いセルフイメージが育ちやすく
- 「逆境を乗り越えてきた人生」という物語を持てば、強いセルフイメージが育ちます。
つまり、どんな物語を自分に語るかが、心の強さや行動を決めるポイントなんです。

逆境を乗り越える自分物語を作る5つのステップ

「逆境を乗り越える自分物語」は、ただポジティブに考えればいい…という単純なものではありません。
実際には、具体的な書き出しや振り返りの作業を通じて、少しずつ「自分は乗り越えられる人間だ」という物語を自分のものにしていくことが大切です。
ここでは、そのための5つのステップをご紹介しますね!
● ステップ① 過去の逆境を書き出す
まずは、過去に経験した逆境や辛かった出来事をノートに書き出すことから始めましょう。
たとえば:
- 学校や職場でうまくいかなかったこと
- 病気やケガで苦しんだこと
- 人間関係で傷ついたこと
このときのポイントは、
- 出来事をできるだけ具体的に書くこと
- 感じた気持ちも書くこと(悲しかった、悔しかった、怖かったなど)
頭の中だけで考えるよりも、紙に書き出すことで客観的に自分の過去を見られるようになります。
● ステップ② 「どんな力で乗り越えたか」を分析する
次に、書き出した逆境に対して、
「あのとき、どんな力や行動で乗り越えられたんだろう?」
と問いかけてみてください。
たとえば:
- 「友達に相談した」
- 「泣きながらも、とにかく学校に行き続けた」
- 「小さな目標を作って達成した」
小さなことでも構いません。
重要なのは、過去の自分が「無力」だったわけじゃなく、何らかの力を使っていた事実を再発見することです。
この分析こそが、「自分は乗り越えられる人間だ」という物語の土台になります。
● ステップ③ 過去をポジティブに書き換えるコツ
次に大事なのが、過去の出来事に新しい意味づけをすることです。
例えば、同じ出来事でも、
❌ 「あのときの失敗があるから、私はダメな人間だ」
↓
⭕ 「あのとき失敗したから、今は同じ失敗をしない知恵がある」
こうした ポジティブな書き換え が、自分物語の大きな転換点になります。
おすすめは、次の問いを自分に投げかけてみること:
✅ 「あの経験から、何を学んだだろう?」
✅ 「今の自分の強みになっていることは何だろう?」
✅ 「同じことが起きたら、どう対処できるだろう?」
この作業を繰り返すうちに、過去の逆境が自分の「強みの物語」に変わっていきます。
● ステップ④ 憧れの人物を自分の物語に取り入れる方法
ここで活用したいのが、ロールモデルです。
「憧れの人だったら、どう考えただろう?」と想像することで、自分物語を書き換えるヒントが得られます。
例えば:
- 好きな作家やアスリート
- 尊敬する上司や先輩
- 歴史上の人物
その人が逆境にどう立ち向かったかを調べたり、インタビュー動画を見たりするのもおすすめです。
そして、自分の物語にこんな風に取り入れてみましょう。
「〇〇さんも辛い時期があった。自分もきっと乗り越えられるはずだ。」
こうすることで、「自分も同じようになれる」というリアルな感覚が強まり、セルフイメージの書き換えがよりスムーズになります。
● ステップ⑤ 書き換えた物語をセルフイメージに落とし込む
せっかく書き換えた物語も、頭の中だけで終わらせてしまうともったいないんです。
大事なのは、日常の中でその物語を繰り返し意識すること。
特に、ビジョンや成功イメージ を使うと、物語をセルフイメージとして深く刷り込めます。以下の方法を試してみてください!
✅ イメージング(視覚化)
書き換えた物語を、頭の中で映像として思い描く練習をしてみましょう。
例えば:
- 困難にぶつかっても落ち着いて行動している自分
- 成功して笑顔になっている自分
- 人から感謝されている自分
コツは、できるだけ 細かい情景を想像すること。
「どこにいて」「何を見て」「どんな感情を感じているか」まで具体的にイメージするほど、脳はそれを現実だと勘違いしやすくなります。
✅ 書き出す(ジャーナリング)
頭の中だけでは忘れがちなので、ノートに毎日書き出す習慣をつけるのも効果的です。
例えば毎日、
- 「今日の自分物語」
例:「今日も不安を感じたけど、話しかける勇気を出せた自分は強い。」 - 「未来の自分物語」
例:「5年後、私は自分の物語を語りながら人を励ます人になっている。」
文字にすることで、自分の物語がだんだん 「自分らしさ」として定着していきます。
まとめると…
逆境を乗り越える自分物語を作るためには:
- 過去の逆境を書き出す
- 乗り越えた力を分析する
- 過去をポジティブに書き換える
- 憧れの人物を物語に取り入れる
- 書き換えた物語を毎日の習慣で定着させる
この5つのステップを、ぜひ少しずつ実践してみてくださいね!
感情と距離を置き、物語を書き換える技術

「逆境を乗り越える物語を書き換えたい」と思っても、実際にはネガティブな感情に飲み込まれてしまうこと、ありますよね。
でも、感情と少し距離を置けるようになるだけで、心の負担は軽くなります。
ここでは、そのための具体的な技術をお伝えします。
● 感情を客観視するトレーニング法
逆境に直面するとき、人はつい 「自分=感情」 だと感じてしまいます。
例えば、
- 「もうダメだ」という感情が、自分そのもののように思える
- 不安を感じると「未来は真っ暗だ」と思い込む
でも実際は、
感情はただの「一時的な反応」なんですよ。
これを客観視するには、こんな方法がおすすめです:
✅ 頭に「私は今〜と感じているだけ」と付ける
例:「私は今、不安を感じているだけ」
✅ 紙に書き出す
頭の中のモヤモヤを文字にすると、それだけで少し距離が生まれます。
✅ 鏡を見ながら言ってみる
「今、落ち込んでるな」と声に出すと、感情が客観視しやすくなります。
こうした練習を重ねることで、感情に飲み込まれずに物語を書き換えられるようになるんです。
● ネガティブ感情を弱める言葉の使い方
言葉の使い方も、感情と距離を置く強力なツールです。
例えば、
❌ 「絶対無理だ」
↓
⭕ 「今は難しく感じるけど、やり方はあるかもしれない」
❌ 「全部終わりだ」
↓
⭕ 「今はうまくいかないだけで、いつか変わるかもしれない」
こうして言葉を少しだけ柔らかくするだけで、脳は「絶望」から「可能性」に目を向けられるようになるんです。
他にも使えるフレーズはこんな感じ:
- 「まだ○○とは決まっていない」
- 「もしかしたら上手くいくかもしれない」
- 「自分にできる小さいことは何かあるかな?」
言葉は脳にとって 「物語の脚本」 のようなもの。ぜひ優しい脚本を書いてあげてくださいね。
もし、こうした感情の客観視や言葉の使い方を日々の習慣にしたいなら、【Awarefy】
というアプリも役立ちます。
Awarefyは、感情の記録や整理、思考の棚卸しをサポートしてくれるAIメンタルパートナー。
例えば、頭に浮かんだ不安を言語化したり、ネガティブな思考を書き換えるヒントをくれたりと、まさに「心の物語を書き換える」練習ができます。
日常の中で感情に振り回されず、自分を優しく保ちたい人におすすめです。
● 「今ここ」に意識を戻すマインドフルネスの活用
逆境に直面すると、人は過去や未来ばかり考えがちです。
- 「あの時あんなことしなければ…」(過去)
- 「この先どうなってしまうんだろう…」(未来)
でも本当に大事なのは、「今、ここ」に意識を戻すこと。
これに役立つのが マインドフルネス です。
マインドフルネスとは:
「今この瞬間」に意識を集中し、評価せずにただ感じること。
簡単にできる方法としては:
✅ 呼吸に集中する
→ 「吸ってる」「吐いてる」と心の中で唱えるだけ
✅ 体に意識を向ける
→ 足の裏の感覚、座っている椅子の感触を感じる
✅ 周りの音に耳を澄ます
→ エアコンの音、外の車の音などをただ聞いてみる
たった30秒でもOK。こうした習慣を身につけることで、感情に振り回されず、自分物語を書き換える心の余裕が作れます。

● 視点を切り替える思考習慣
最後に大事なのは、視点を変えるクセをつけることです。
同じ逆境でも、見方を変えるだけで心の負担は全然違います。
例えば:
- 「この経験から何を学べるだろう?」
- 「5年後に思い返したら、きっと笑い話かもしれない」
- 「他の人だったら、どう考えるかな?」
これを「リフレーミング」と呼ぶこともありますが、難しく考える必要はありません。
要は、
「最悪だ」だけで終わらせず、別の可能性を探すこと。
この思考習慣が身につくと、ネガティブな感情に飲み込まれず、冷静に自分の物語を書き換えられるようになります。

まとめると…
- 感情は一時的な反応で、自分そのものではない
- 言葉を柔らかく変えるだけでも感情が落ち着く
- マインドフルネスで「今ここ」に戻る練習が効果的
- 視点を変える習慣が、物語を書き換える力を育てる
感情との距離をうまく保つことが、逆境を乗り越える「自分物語」づくりの大きなポイントになります。
逆境を乗り越えた人のストーリー

ここまで、逆境を乗り越える「自分物語」の作り方についてお話してきましたが、やはり一番力をくれるのは、実際に逆境を乗り越えた人のストーリーです。
「あの人にもそんな時期があったんだ」
と思えるだけで、自分も「大丈夫かもしれない」と思えることってありますよね。ここでは、具体的な例をご紹介します!
● 有名人が逆境を乗り越えた物語
世の中の有名人にも、逆境に苦しんだ人はたくさんいます。
例えば:
✅ J.K.ローリング(ハリー・ポッターの作者)
- 離婚後、生活保護を受けながらカフェで執筆を続けた
- 出版社に何度も断られたけど諦めなかった
- 「この物語を書かないと後悔する」と自分を奮い立たせた
✅ スティーブ・ジョブズ(Apple創業者)
- 自分が立ち上げたAppleを一度追い出される
- 苦しい時期にNeXTやPixarで挑戦を続け、Appleに復帰
- 「点と点はいつか繋がる」と信じ続けた
✅ マイケル・ジョーダン(NBAの伝説的選手)
- 高校時代にバスケット部から落とされる
- 「諦めなかったこと」が自分を作ったと語っている
どの人も「逆境=人生の終わり」ではなく、
「逆境は乗り越えられる!」
と捉え、自分物語を書き換えていくのが大切です。
● 自分に取り入れたい考え方や習慣
逆境を乗り越えた人たちの考え方や習慣は、私たちの「自分物語」づくりにもとても役立ちます。
取り入れたいポイントはこんな感じ:
✅ 長期的な視点を持つ
「今が辛くても、数年後には違う景色が見える」と考える習慣
✅ 行動を止めない
小さくても行動し続けることが、自信を積み上げる
✅ 他人と比較しすぎない
自分の物語は自分だけのもの。他人と比べて焦らない
✅ 失敗を物語に組み込む
「失敗=終わり」ではなく、「面白いストーリーの一部」だと思う
こうした考え方があると、逆境に直面しても
「これも物語の一部。自分は乗り越えられる」
と信じやすくなるんです。
● 自分の物語に活かすためのヒント
有名人の話を「すごいなあ」で終わらせず、自分の物語に活かすためには、少し工夫が必要です。
おすすめは次の3つ:
✅ 共通点を探す
- 「ローリングも孤独だったんだ」
- 「ジョブズも一度失敗したんだ」
共通点を見つけることで、「自分にもできるかも」と思えるようになります。
✅ マネできる行動を1つ決める
- 毎日10分書き出す
- 小さな挑戦をする
- ポジティブな言葉を繰り返す
大きなことより、小さな行動の方が現実的です。
✅ 物語を自分の言葉で語ってみる
例えば:
「私も〇〇みたいに、逆境を乗り越えられる人になれるかもしれない。」
声に出すだけでも、脳に新しい物語が刷り込まれます。
まとめると…
- 有名人もみな逆境を経験し、物語を書き換えてきた
- 逆境を乗り越えた人たちの共通点は、長期視点と行動力
- 自分に取り入れるには「共通点を探す」「小さな行動を決める」「物語を語る」がカギ
こうして他人の物語を参考にすることで、自分物語の書き換えがやりやすくなりますよ!
自分物語を書き換えるときの注意点と落とし穴

ここまでお伝えしてきたように、「逆境を乗り越える自分物語」を書き換えることは、とても力強い方法です。
でも実は、書き換えには落とし穴もあるんですよね。やり方を間違えると、かえって心が苦しくなったり、自分を追い込んでしまうこともあります。
ここでは、注意したいポイントをしっかり整理しておきましょう!
● 過去を美化しすぎるリスク
まず気をつけたいのは、過去を美化しすぎることです。
たとえば:
- 「あのときは全然辛くなかった!」
- 「全部、自分の努力だけで乗り越えた!」
こうした書き換えは、一見ポジティブに見えますが、実は危険です。
なぜなら、
- 本当は辛かった自分の気持ちを無視してしまう
- 「辛さを感じること=弱さ」という誤解を深めてしまう
過去を書き換えるときは、
「辛かったけど、あの経験が今の自分を作ってくれた」
という風に、辛さもきちんと物語に含めることが大切です。
● 無理にポジティブにしすぎないことの大切さ
「ポジティブ思考が大事」とよく言われますが、無理やりポジティブにするのは逆効果になることがあります。
例えば、
❌ 「落ち込むなんて自分は弱いんだ」
↓
⭕ 「落ち込むのは当たり前。でも少しずつ立ち直ればいい」
また、無理に
- 「辛いのに笑わなきゃ」
- 「悲しんだら負けだ」
と思い込むと、余計に苦しくなってしまいます。
本当に強い人は、「弱さもある自分」を許せる人。
書き換えは、無理なく少しずつ進めていけば大丈夫です。
● 「なんとかなる」思考のデメリットも知る
逆境に強い人は、「なんとかなるさ」という柔らかい考え方を持っています。
でも、これも度が過ぎるとリスクになることがあります。
例えば:
- 深刻な問題なのに放置してしまう
- 現実的な対策を怠ってしまう
- 周囲に心配をかけてしまう
「なんとかなる」という考え方は素晴らしいですが、
「行動する前向きさ」とセットで使うことが大切。
ただ放置するのではなく、
- 小さな一歩を決める
- 専門家に相談する
- 情報を集める
など、現実的な動きとバランスを取ることが必要です。
● 自分だけで抱え込まないための相談先
そして一番大事なのは、
「自分だけで何とかしようとしない」こと。
逆境に苦しんでいると、
- 「これくらい自分で解決すべき」
- 「人に頼ったら弱いと思われる」
と感じてしまいがちです。
でも本当は、
「助けを求められることこそ、逆境に強い人の大きな特徴」
なんです。
もし辛さが大きすぎるときは、ぜひ次のような相談先を活用してみてください:
✅ 信頼できる友人や家族
✅ 職場の上司や同僚
✅ カウンセラーや心療内科などの専門家
✅ 電話やチャットの相談窓口(自治体や民間団体など)
話すだけで心が軽くなることも多いですし、第三者の視点が新しい物語を書き換えるヒントをくれることもありますよ。
まとめると…
- 自分物語の書き換えは、過去を美化しすぎないことが大切
- 無理にポジティブにするより、「弱さもOK」と思うことが心の強さにつながる
- 「なんとかなる」は行動とセットで使う
- 辛いときは、遠慮なく人に頼ってOK
逆境を乗り越える物語づくりは、「完璧にやる」ものではありません。ゆっくり、自分のペースで進めていきましょうね。
今日からできる!逆境に強い自分物語の育て方

ここまで読んでくださったあなたは、きっとこう思っているかもしれません。
「結局、具体的に何をすればいいの?」
安心してください!
逆境に強い自分物語を育てるために、今日から始められるシンプルで実践的な方法をお伝えしますね。
● 毎日の習慣にする書き出しワーク
まずおすすめしたいのが、「書き出すこと」です。
頭の中だけで考えていると、逆境の辛さやネガティブ思考に飲まれがちですが、紙に書き出すと不思議と冷静になれるんですよ。
やり方はとっても簡単です。例えば毎晩、次のようなことを書き出してみてください:
✅ 今日できたこと・頑張ったこと
✅ 今日感じた不安や悩み
✅ 逆境の中で、自分が取った行動
さらに、「逆境を乗り越えた自分」をイメージして、
「今日の自分物語」を1行で書いてみる
のもおすすめです。
例:
- 「今日も不安だったけど、一歩前に進んだ。」
- 「辛かったけど、人に相談できた自分はすごい。」
こうした小さな書き出しが、自分は乗り越えられる人間だ、というセルフイメージを育てる土台になるんですよ。
● セルフイメージを強化するアファメーション例
アファメーションは、一般的には効果があると言われていますが、私自身は試してみたものの、心の中で「本当にそうかな?」と反論が浮かんだり、続けているうちに虚しさを感じてしまい、合いませんでした。
人によって合う・合わないがあるかもしれませんが、参考までにここでご紹介します。
アファメーションとは:
「自分に対してポジティブな言葉を繰り返しかけること」
例えば:
✅ 「私はどんな逆境も必ず乗り越えてきた。これからも乗り越えられる。」
✅ 「私は強くてしなやかな人間だ。」
✅ 「今日も一歩前に進めた自分を誇りに思う。」
アファメーションは脳に「これが自分の物語だ」と刷り込む作業で、朝起きたときや夜寝る前に、声に出したり心の中で唱えるだけでも効果があると言われています。
ポイントは、
- 「未来形」より「現在形」で言うこと
- 感情を込めて言うこと
- 短く、覚えやすい言葉にすること
● 小さな成功体験を積み上げるヒント
逆境を乗り越える物語を育てるには、小さな成功体験を積み上げることがとても大事です。
「成功体験」といっても、大きなことである必要はありません。
例えば:
✅ 朝5分だけ早起きできた
✅ 気が重い作業を10分だけ取り組めた
✅ 苦手な人に挨拶できた
こうした小さな行動を、
「今日も一つ乗り越えた!」
と自分で認めてあげることが、逆境に負けない自分物語の大切なピースになります。
ぜひ、「自分ができたことリスト」を作る習慣を取り入れてみてくださいね。
● 周囲の環境を整えるポイント
そして忘れてはいけないのが、周囲の環境づくりです。
逆境に強いセルフイメージを育てるには、
「ポジティブで応援してくれる人たち」となるべく一緒にいること
がとても大切です。
具体的には:
✅ 前向きな友達や先輩と話す
✅ ネガティブなニュースやSNSを見過ぎない
✅ ポジティブな本や動画を選ぶ
✅ 否定的な言葉を多用する人とは少し距離を置く
周囲の人や情報の影響は、自分が思っている以上に大きいものです。
「人間は環境の生き物」とも言われます。
自分物語を書き換えるためにも、居心地の良い環境づくりを意識してみてくださいね。
まとめると…
逆境に強い自分物語を育てるためには:
- 毎日の書き出しワークを習慣にする
- アファメーションでポジティブな物語を刷り込む(人によっては合わないかも・・)
- 小さな成功体験を積み上げる
- 周囲の環境を整える
どれも難しいことではありません。「今日できる小さな一歩」から始めてみてくださいね!
まとめ|逆境を自分物語の強みに変える

ここまで、「逆境を乗り越える自分物語」の作り方をお伝えしてきました。
最後に改めて、逆境を自分の強みに変えるために大切なポイントを整理しておきましょう!
● 逆境は人生の物語の一部
まず知っておいてほしいのは、
「逆境は、あなたの人生の物語の一部でしかない」
ということです。
逆境の渦中にいるときは、
- 「自分の人生は終わりだ」
- 「自分には無理だ」
と思いがちですが、振り返ってみると、
「あの経験があったから今がある」
と思えることも多いんですよね。
苦しかった過去も、自分の物語の大切なピースだと思えるようになると、心の強さが増していきます。
● 「乗り越えられる自分」に書き換える価値
逆境に強い人たちは、皆「自分は乗り越えられる人間だ」というセルフイメージを持っています。
これは生まれつきの才能ではなく、
- 逆境をポジティブに捉え直す
- 行動を続ける
- 周囲の助けを借りる
という習慣で育てられるものです。
あなたも、
「自分は乗り越えられる人間だ」
という物語に書き換えることで、
- 新しいことに挑戦できる
- 失敗を恐れず前を向ける
- 人生を自分の手で切り拓ける
そんな未来が待っているはずです。
● 心が折れない自分を育てるために
最後に、今日から意識してほしいことをまとめますね。
✅ 「感情は一時的なもの」と知る
→ 不安や落ち込みも、ずっと続くわけではありません。
✅ 小さな行動を積み重ねる
→ 書き出し、イメージング、小さな成功体験を日々積む。
✅ 周りに頼る勇気を持つ
→ 「助けを求めるのは弱さではなく強さ」です。
✅ 過去を肯定的に語り直す
→ 「あの経験があったから成長できた」と言葉にしてみましょう。
逆境は辛いものですが、それは 「人生を深みのある物語にするためのスパイス」 でもあります。
あなたのペースで、自分物語を書き換えてみてくださいね。
逆境は、あなたを苦しめるだけの存在ではありません。
それを「自分物語」の一部として書き換えられるとき、あなたはきっと、心から
「自分はどんなことも乗り越えられる人間だ」
と思えるはずです。