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パーソナリティ心理学の階層モデルとは?気質・性格特性・価値観の違いと関連性を解説

「どうして自分はこんな性格なんだろう?」
「人によって、同じ出来事でも感じ方や反応が違うのはなぜ?

こうした疑問を持ったことはありませんか?

実は私たちの性格は、ただ一言で「性格」と片付けられるものではなく、
気質・性格特性・価値観という三つの層が積み重なってできています。

この記事では、パーソナリティ心理学の階層モデルを解説し、
それぞれの層がどんな意味を持ち、どのように関係し合っているのかを詳しくお伝えします。

「性格は変えられるのか?」という疑問や、
年齢を重ねると性格が丸くなる理由も、きっとクリアになるはずです。

読み終わる頃には、自分や周りの人の性格を、より深く理解できるようになるでしょう。


目次

パーソナリティ心理学とは?意味と基本の考え方

パーソナリティ心理学が扱うテーマとは

パーソナリティ心理学とは、簡単に言うと「人それぞれの性格や行動の違いを研究する学問」です。

たとえば同じ出来事が起きても──

  • 「落ち込む人」
  • 「すぐ立ち直る人」
  • 「怒り出す人」

がいるのはなぜでしょう?
その違いを科学的に解き明かそうとするのが、パーソナリティ心理学です。

この分野が扱うテーマはとても広く、たとえば以下のようなものがあります:

  • 性格の特徴(どんな傾向があるか)
  • 性格の原因(遺伝か環境か)
  • 性格と行動・健康の関係(性格がストレスにどう影響するか)
  • 性格の変化(変えられるのか、年齢でどう変わるか)

つまり「人ってなぜそんなふうに考えるの?行動するの?」という日常の疑問に答えてくれる学問です。


性格研究の代表的な理論(ビッグファイブ・アイゼンクなど)

パーソナリティ心理学にはいくつもの有名な理論があります。中でもよく名前が出るのが以下の二つです:

ビッグファイブ理論

これは人間の性格を5つの因子で説明しようという考え方です。5つとは:

  • 外向性(社交的か、人と関わるのが好きか)
  • 協調性(人に優しいか、協力的か)
  • 誠実性(きちんとしているか、責任感があるか)
  • 情緒安定性(感情の浮き沈みが少ないか)
  • 開放性(新しいことが好きか、好奇心旺盛か)

「人の性格を大まかに知りたい」というときに、とても役立つ理論です。


アイゼンクの性格次元論

もうひとつ有名なのがハンス・アイゼンクの理論です。
彼は性格を以下の三つの軸で説明しました:

  • 外向性/内向性
  • 神経症傾向(不安になりやすいか)
  • 精神病傾向(攻撃性や衝動性の強さ)

例えば、外向的で神経症傾向が高い人は「社交的だけど落ち込みやすい」という傾向が出やすい、という具合に使われます。


なぜパーソナリティ心理学が注目されるのか

パーソナリティ心理学が注目される理由は、とても実用的だからです。

  • 自己理解
    「自分はどういう性格なのか」「なぜストレスに弱いのか」がわかると、気持ちが楽になる人が多いです。
  • 他者理解
    「あの人はなんであんな反応をするんだろう?」という疑問にもヒントをくれます。
  • 人間関係や仕事に活かせる
    たとえばビジネスの場で、人の性格に合わせた接し方を工夫できればトラブルが減ります。
  • 心理的問題の解決
    不安、抑うつ、ストレスなどメンタルヘルスの問題にも、パーソナリティ心理学の知識が役立ちます。

パーソナリティ心理学は決して「難しい学問」だけではなく、自分や他人をもっと理解するための実用的な知識の宝庫なんですね。


パーソナリティの階層モデルとは?三層構造をわかりやすく解説

気質・性格特性・価値観とはそれぞれ何か

パーソナリティの階層モデルとは、性格を「層(レイヤー)」で捉える考え方です。
これは、人の性格を一枚岩のものではなく、いくつかの層が積み重なってできているとする理論です。

主に次の三層で説明されます:


① 気質(Temperament)

  • 生まれつきの「反応の仕方」や「神経の敏感さ」など
  • 赤ちゃんの頃から現れ、遺伝や脳の働きが関わる
  • 例:
    • 刺激に敏感ですぐ泣く赤ちゃん
    • 活発で落ち着きがない子ども

気質は、人間でいえば性格の土台のようなものです。


② 性格特性(Traits)

  • 気質に環境や経験が加わって作られる「行動の傾向」
  • 「この人はいつもこうだな」と感じる特徴
  • 例:
    • 社交的
    • 几帳面
    • 内向的

ビッグファイブ理論などが、この層を説明しています。


③ 価値観・信念(Values / Beliefs)

  • 「人は信じるべきか」「努力は報われるか」などの考え方や人生観
  • 社会経験や教育、家庭環境で形成される
  • 例:
    • 「人間関係は大事にすべき」
    • 「成功こそ人生の価値だ」

これは、行動や判断の「理由づけ」になる層で、最上位のレイヤーといえます。


どんな理論が階層モデルを支えているか(例:トレイト理論(特性論)、精神分析など)

階層モデルの考え方は、いくつかの心理学理論を土台にしています。

代表的なものを紹介します:

トレイト理論(特性論)

  • 人の性格は「特性(Trait)」の組み合わせでできているとする考え
  • ビッグファイブ理論やキャッテルの16PFなどが有名
  • 性格診断や心理テストでよく使われる

精神分析の構造論(フロイト)

  • 人間の心を
    • 本能(イド)
    • 現実的判断(自我)
    • 道徳や良心(超自我)
      の三層構造で説明

この考え方も「人の心は多層構造でできている」という発想につながっています。


アイゼンクの性格次元論

  • 遺伝や脳の働きを重視
  • 外向性、神経症傾向など「気質」と性格特性の関係を論じた

階層モデルで自分を理解するメリット

階層モデルを知ると、次のようなメリットがあります:

  • 自分を客観的に見られる
    「これは気質だから仕方ない」「これは価値観の問題だ」と切り分けて考えられる
  • 変えられる部分・変えにくい部分がわかる
    • 気質は変えにくい
    • 価値観や信念は変えやすい
    • 性格特性は価値観を変えれば少しずつ変わる可能性あり
  • 人間関係が楽になる
    相手もまた気質・性格特性・価値観を持つ存在だと理解できると、衝突を避けやすい

例えば:

自分は人見知り → 気質が敏感で緊張しやすいから

でも「人付き合いは悪いものじゃない」という価値観に変えれば、性格特性の行動も変わってくる

このように、自分の性格を分析しやすくなるのが階層モデルの魅力です。


階層モデルは、性格を深く理解するための「地図」のようなもの。
自分や他人を知る上で、とても役立つ考え方です!


気質とは?生まれつきの性格の土台を知る

気質の特徴と代表的な例

気質(Temperament)とは、簡単に言うと「生まれつきの反応の仕方」のことです。

たとえば赤ちゃんを見ていると:

  • すぐ泣く子
  • 落ち着いて周りを見ている子
  • 声や音にびっくりしやすい子

…など、同じ年齢でも反応がまるで違うことがありますよね。

このように、生まれたときから備わっている性質を気質と呼びます。
ポイントは以下のとおりです:

  • 遺伝や脳の働きに強く影響される
  • 人によって「刺激への敏感さ」「感情の強さ」が異なる
  • 赤ちゃんの頃から観察できる

代表的な気質の例としては、次のようなものがあります:

  • 刺激に敏感で音や光に驚きやすい
  • 活動的でじっとしていられない
  • 慎重で新しいことを怖がる
  • 穏やかで感情の起伏が少ない

✅ トーマス&チェスの「気質の9つの特性」

心理学者トーマス&チェスは、子どもの気質を9つの特性で分類しています。

  1. 活動レベル(Activity Level)
     → 子どもの動きが活発か、おとなしいか
     例:じっとしていられない vs. 落ち着いて座っていられる

  1. 規則性(Rhythmicity / Regularity)
     → 睡眠・食事・排泄など生活リズムが整っているかどうか
     例:決まった時間に眠くなる vs. 不規則でバラバラ

  1. 接近・回避傾向(Approach / Withdrawal)
     → 新しい人・物・状況に積極的に近づくか、避けるか
     例:初めての場でもすぐ遊ぶ vs. 慣れるまで時間がかかる

  1. 適応性(Adaptability)
     → 環境の変化にどれくらい早く慣れるか
     例:引っ越し後すぐ友達を作る vs. 長く慣れない

  1. 反応の閾値(Threshold of Responsiveness)
     → 刺激にどれくらい敏感に反応するか
     例:小さな音でも起きる vs. 大きな音でも平気

  1. 反応の強さ(Intensity of Reaction)
     → 喜怒哀楽など感情表現の強さ
     例:大声で泣く・笑う vs. 表情が穏やかで静か

  1. 気分の質(Quality of Mood)
     → 機嫌が良いことが多いか、不機嫌がちか
     例:いつもニコニコ vs. すぐ不機嫌になる

  1. 注意持続性(Attention Span)
     → 一つのことに集中していられる時間の長さ
     例:絵本を長く読む vs. すぐ飽きる

  1. 気が散りやすさ(Distractibility)
     → 他の刺激で注意がそれやすいかどうか
     例:周りの音で気が散る vs. 気にせず作業を続けられる

「これら9つの特性の組み合わせが、その子の『気質の個性』を形作ると説明されています。」
トーマス&チェスは、この特性をもとに子どもを「易しい子」「気難しい子」「ゆっくり型の子」などのタイプに分類する研究も行っています。


気質は、まさに性格の土台のようなものです。


気質は変えられないのか?変わる可能性は?

ここで多くの人が気になるのが「気質は変えられるのか?」という点です。

✅ 結論から言うと:

  • 気質そのものを劇的に変えるのは難しい
  • しかし年齢や経験で、表に出る強さが和らぐことはある

例えば:

  • 子どもの頃はとても恥ずかしがり屋(刺激に敏感)
  • 大人になったら、経験を積んで「人前でも話せるようになった」

この場合、気質そのものが変わったわけではないけど、行動や見た目の反応が変わっただけなんです。

✅ なぜ気質は変わらないのか?

  • 気質というのは、脳や神経系の「反応しやすさ」「敏感さ」など、生まれつきの体質的な部分です。
  • 神経が敏感な人は、大人になっても基本的に刺激に強くはなりにくいんです。

つまり:

  • 子どもの頃 → 人前で緊張しやすい、ドキドキする
  • 大人になっても → 実は心臓はドキドキしている

✅ では、何が変わったのか?

変わったのは以下のような 「解釈」や「対処のスキル」 です。

例えば:

  • 「緊張するのは悪いことじゃない」と考えられるようになった
  • 人前で話す経験を重ねて「なんとかなる」と思えるようになった
  • 緊張しても笑顔を作ったり、深呼吸できるようになった

だから、大人になると 同じ刺激(人前で話す)でも、心の中の解釈や行動の工夫によって、外から見た行動が変わる のです。


子どもの頃:

刺激に敏感 → 人前で赤面して何も話せない

大人:

刺激に敏感 → 内心はドキドキしてるけど、

  • 「緊張しててもいいや」と思う
  • 堂々と話すふりができる
  • 終わってからすぐ立ち直れる

つまり:

  • 気質は変わっていない(脳は刺激に敏感なまま)
  • でも行動は変わる(対処法や考え方を身につけたから)

✅ 結論

  • 大人になって行動が変わるのは、気質が変わったからではない
  • 経験や考え方の変化で、行動を変えられるようになっただけ
  • だから見た目は変わったように見えるけど、脳や神経の敏感さは残っている

この違いがわかると、自分を責めすぎずに「自分らしく対処する方法を探そう」という気持ちになれるのが、パーソナリティ心理学の素晴らしいところなんです!


つまり、気質は変えにくいけれど、「どう反応するか」は変えられるというのが心理学的な答えです。


「丸くなる」とは気質の変化なのか解釈の変化なのか

よく「歳をとると性格が丸くなる」と言われますよね。

これは、多くの場合、気質そのものが変わったわけではなく、解釈や対応の仕方が変わった結果です。

例えば:

  • 若い頃は「失敗したら終わりだ」と思っていた人が
  • 年齢を重ねて「失敗しても大丈夫」と思えるようになる

この変化は以下の要素が大きいです:

  • 経験が増えて、同じ出来事にも慌てなくなる
  • 人間関係で「他人も完璧じゃない」と思えるようになる
  • 心の余裕が出てくる

つまり:

丸くなる = 気質が変わったのではなく、解釈や物事の受け止め方が変わったということ


まとめると:

  • 気質は生まれつきで変わりにくい
  • でも「どう捉えるか」「どう行動するか」は変えられる
  • 丸くなるのは、解釈の変化の賜物!

性格特性とは?気質とどう違うのか

性格特性の定義と具体例(ビッグファイブなど)

性格特性(Traits)とは、簡単にいうと「その人らしい行動パターンや傾向」のことです。

例えば、こんなふうに言われることはありませんか?

  • 「あの人は社交的だよね」
  • 「几帳面で細かいところまで気がつく」
  • 「落ち込みやすい性格かも」

これらはすべて、性格特性を表す言葉です。
つまり、「いつもこういう反応をする」という比較的安定した傾向を指します。


代表的な理論が、ビッグファイブ理論(Five Factor Model)です。
これは人の性格を5つの軸で説明します:

  • 外向性(Extraversion)
    社交的・活発・人といるのが好き
  • 協調性(Agreeableness)
    思いやりがある・優しい・人と協力できる
  • 誠実性(Conscientiousness)
    きちんとしている・責任感がある・計画的
  • 情緒安定性(Neuroticism の低さ)
    不安が少ない・感情が安定している
  • 開放性(Openness)
    新しいことが好き・好奇心が強い・芸術的

例えば:

「私は外向性が高いけど、情緒安定性が低いかも」
という人は、社交的だけど感情の波が激しい傾向があるかもしれません。

ビッグファイブは性格診断や心理テストでもよく使われる、とても有名な理論です。


気質と性格特性の関係

ここでよく出てくる疑問が、「気質と性格特性ってどう違うの?」という点です。

簡単にまとめると:

  • 気質 → 生まれつきの「反応の仕方」や神経系の特徴
    • 例:刺激に敏感、慎重、活発
  • 性格特性 → 気質に環境や経験が加わって作られる「行動の傾向」
    • 例:社交的、几帳面、楽観的

つまり、性格特性は気質を土台にして育つもの。
例えば:

気質:刺激に敏感

性格特性:人見知りしやすい

価値観:人との距離は取った方が安心

こんなふうに、気質 → 性格特性 → 価値観 という順に積み重なっていくことが多いですが、実際には価値観が先に変わることで性格特性が変わるなど、影響し合うこともあります。


性格特性は変えられるのか?価値観との関連

ここで多くの人が知りたいのが、

「性格って変えられるの?」

という疑問ですよね。

✅ 結論としては:

  • 気質は変わりにくい
  • でも、性格特性は「価値観や信念」を変えることで変化する可能性がある

たとえば:

  • 人見知りしやすい性格特性を持っている人が
  • 「人と話すのも悪くない」と考えられるようになると
  • 少しずつ人と接する行動が増える

価値観や解釈が変わることで、行動が変わり、結果として性格特性の印象が変わるのです。


もちろん、劇的に別人のようになるわけではありませんが、

  • 「社交的になりたい」
  • 「不安に振り回されない自分になりたい」
    という目標に向かって行動を工夫することで、性格特性の出方を変えることは十分に可能です。

まとめると:

  • 性格特性は気質より柔軟
  • 価値観・信念を変えることで、行動の傾向が変わる可能性がある
  • 自己理解を深めることで、より生きやすくなる

価値観・信念とは?性格特性とのつながり

価値観・信念の役割とは何か

価値観信念とは、簡単に言うと「自分が大事だと思うこと」「物事をどう見るか」という考え方です。
これは性格の中でも、特に人生観や行動の理由づけに深く関わる部分です。


例えば、以下のようなものが価値観・信念の例です:

  • 「努力は必ず報われる」
  • 「人を信じるべきだ」
  • 「人付き合いはほどほどが一番」
  • 「正直が何より大事」
  • 「成功することが人生の価値だ」

こうした価値観や信念が、私たちの行動や選択に大きな影響を与えます。

例えば:

「人を信じるべき」という価値観が強い人は、人間関係で裏切られてもすぐには相手を疑わないかもしれません。


ポイント

  • 気質や性格特性の上に築かれるもの
  • 経験や環境によって大きく変わる可能性がある
  • 自分の行動や生き方の「理由」になる

経験で価値観や信念はどう変わるか

価値観や信念は、生まれつきではなく、経験や環境の影響で形作られる部分です。

変わるきっかけは色々あります。例えば:

  • 人間関係のトラブル
  • 成功体験や失敗体験
  • 読んだ本や映画
  • カウンセリングや心理療法
  • 人生の節目(進学、就職、結婚、離婚、病気など)

たとえば:

  • 若い頃は「人に頼るのは弱いことだ」と思っていた人が
  • 大きな病気を経験し、「人に助けを求めるのも大事だ」と価値観が変わる

また、心理療法の現場でも、信念の書き換えはとても重要なテーマです。
特に、認知行動療法(CBT)では

  • 「本当にそうだろうか?」
  • 「別の見方はないか?」
    と、自分の信念を見直す練習を行います。

価値観を変えると性格特性は変わるのか?

ここがとても面白いポイントです。

結論

  • 価値観を変えることで、性格特性の「出方」は変わる可能性がある

例えば:

  • 気質:刺激に敏感で人見知りしやすい
  • 性格特性:内向的で人付き合いを避ける
  • 価値観:「人と関わるのは疲れるだけだ」

もし価値観が

「人との交流も悪いことばかりじゃない」と変われば、

  • 人付き合いを少しずつ試せるようになる
  • 内向的でも「社交的な場面で頑張れる人」という印象に変わる

つまり、気質そのものは変わらなくても、

  • 価値観や解釈が変わる → 行動が変わる → 周囲からの性格の印象が変わる

という流れが起こるのです。


もちろん、長年の習慣や気質の影響が強い場合はすぐに変わるわけではありません。
しかし、自分が信じることを少しずつ見直すことで、性格特性の出方を柔軟にすることは十分可能です。


まとめると:

  • 価値観・信念は後天的で変わりやすい
  • 経験や学びで価値観は変化する
  • 価値観の変化は、性格特性の行動パターンに影響を与える

パーソナリティ心理学とABC理論のつながり

ABC理論とは何か?簡単に解説

パーソナリティ心理学を語るうえで欠かせないのが、ABC理論です。
これは、アメリカの心理学者アルバート・エリスが提唱した理論で、認知行動療法(CBT)の基本にもなっています。


ABC理論では、人がストレスを感じたり落ち込んだりするのは、出来事そのものが原因ではなく、その解釈(信念)が原因だと考えます。

具体的には次のような流れです:

  • A(Activating Event)= 出来事
    • 例:上司に注意された
  • B(Belief)= 信念・考え方
    • 例:「自分はダメな人間だ」「上司に嫌われたに違いない」
  • C(Consequence)= 結果(感情や行動)
    • 例:落ち込む、やる気が出ない、人を避ける

多くの人は

A(出来事)→ C(感情・行動)
だと思いがちですが、

実際は

A → B → C
という順番なんですね。


この理論は、私たちの感情の原因は「考え方」にあると教えてくれる、とても役立つ心理学の知識です。


信念(B)が性格特性や感情に与える影響

ここでポイントになるのが、B(信念)の部分です。

人はそれぞれ、以下のような「思い込み」や「信念」を持っています:

  • 「失敗したら人生終わりだ」
  • 「人に嫌われたら生きていけない」
  • 「努力しない人は価値がない」

こうした信念が強いと、出来事が起きたときに感情や行動が激しく反応しやすくなります。


例えば:

A:友達にLINEを無視された
B:「私は嫌われたに違いない」
C:落ち込む、引きこもる

もしBが変われば:

B:「忙しくて返事できないだけかも」
C:落ち込まずに過ごせる


ここで大事なのは、

  • 気質が敏感な人 → ネガティブな信念を持ちやすい
  • 信念がネガティブだと → 性格特性(不安が強い、避けがち)が強化される

という点です。


つまり、信念(B)は、性格特性や感情の出方を左右するカギともいえるのです。


解釈を変えることで感情は変わるのか?

結論から言うと、解釈を変えれば感情は変わる可能性が高いです。
これがABC理論の大きな強みです。


たとえば:

  • 「失敗は人生の終わりだ」という信念を
  • 「失敗は学びのチャンスだ」と変える

こうした解釈の転換ができると、以下のように結果も変わります:

  • 同じ失敗をしても、落ち込まずに次の行動ができる
  • 人間関係のトラブルも「自分が全部悪いわけじゃない」と思える
  • 不安が減り、自分に優しくなれる

ただし重要なのは、

  • 気質が敏感だと、どうしてもネガティブな考えが浮かびやすい
  • それでも「考え方を変える練習」を繰り返すことで、感情の波を穏やかにすることはできる

という点です。


まとめると:

  • 出来事そのものより「解釈」が感情を決める
  • 信念(B)を書き換えれば、性格特性の出方や感情も変わりうる
  • 気質は変わりにくくても、解釈を変える工夫はできる

パーソナリティ心理学の「階層モデル」でいうと、

気質 → 性格特性 → 価値観・信念

この最上位にある「価値観・信念(B)」を変えることが、性格や感情をより生きやすくする大きなポイントなのです。


まとめ|パーソナリティ心理学を自己理解や生き方に活かす方法

自分の気質を知るメリット

まず大事なのは、自分の気質を知ることです。

なぜかというと、気質は変えにくい「自分の土台」だからです。
自分の気質を理解していないと、こんなことが起きがちです:

  • 「どうして自分ばかり疲れやすいんだろう」
  • 「なぜ些細なことで落ち込むんだろう」
  • 「みんな平気なのに、自分は不安ばかり感じる」

でも、自分の気質を知ると:
✅ 「これは生まれつきの反応だから仕方ない」と思える
✅ 必要以上に自分を責めなくなる
✅ 対処の工夫ができるようになる


例えば:

刺激に敏感な気質を持つ人なら
→ 静かな環境を作る
→ 予定を詰め込みすぎない
といった工夫ができます。


気質は「弱点」ではなく、個性や強みでもあるんです。
敏感な人は、人の気持ちに気づける繊細さも持っています。

まずは、自分がどんな傾向を持っているかを知ることが、自己理解の第一歩です。


性格特性を変えたいときにできること

次に気になるのが、

「性格を変えたいけど、どうしたらいいの?」

という疑問ですよね。

結論から言うと、性格特性は少しずつ変えられます。
その鍵になるのが、価値観や信念を見直すことです。


具体的なステップとしては:

自分の思い込みを言葉にする

  • 例:「人に嫌われたら終わりだ」

本当にそうか問いかける

  • 「嫌われたら人生終わりなのか?」
  • 「過去に嫌われたけど、乗り越えたことはなかった?」

別の考え方を探す

  • 「嫌われることもあるけど、全員には好かれなくていい」
  • 「大事にしてくれる人もいる」

小さな行動を試す

  • 苦手な場面で、いつもと少し違う行動をしてみる
  • 例:無理に話しかけなくても、笑顔でうなずくだけ試してみる

大きく変えようとすると苦しいですが、少しずつ行動を変えることで性格特性の出方が変わることは十分可能です。


自己理解を深めるための心理学的アプローチ

パーソナリティ心理学には、自己理解に役立つさまざまなツールや考え方があります。

おすすめのアプローチをいくつかご紹介します:


性格診断を活用する

  • ビッグファイブ診断
  • MBTI
  • エニアグラム

診断結果を鵜呑みにするのではなく、自分の傾向を客観的に知るためのヒントにすると良いでしょう。


ABC理論で自分の考え方を見直す

  • 「私はなぜこんなに落ち込みやすいのか?」
  • 「何を信じて、こう感じているのか?」

こう問いかけるだけでも、心の整理が進みます。


日記やメモに感情を書き出す

  • 今日どんなことがあったか
  • それをどう感じたか
  • どんな考えが浮かんだか

書き出すことで、気質・性格特性・価値観のつながりが見えてきます。


カウンセリングやコーチングを活用する

  • 専門家と一緒に考えることで、自分一人では気づきにくい価値観に気づけることも。

自分の性格は一生変わらないものではありません。
気質という土台は残っていても、解釈や行動の幅を広げることで、より自分らしく生きやすくなるのがパーソナリティ心理学の素晴らしさです。


まとめると:

  • 気質を知ると自己理解が進む
  • 性格特性は小さな行動の変化で変わる可能性がある
  • 心理学の知識を活かせば、より生きやすい自分になれる

今日から少しずつ、自分らしい生き方を見つけてみてくださいね。


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