「もっと幸せに生きたいけど、どうすればいいの?」そんな疑問を抱いたことはありませんか。
✔ ポジティブな気持ちが続かない
✔ 人間関係で疲れてしまう
✔ 目標を立てても達成感が得られない
こうしたモヤモヤは誰にでもあります。
実は心理学には、PERMAモデルという「幸福を5つの要素に分けて考えるフレームワーク」があります。ポジティブ感情(P)、没頭(E)、人間関係(R)、意味(M)、達成(A)の頭文字をとったもので、日常や仕事、教育現場にも応用できる実用的な理論です。
この記事ではPERMAモデルの基本から、5つの要素の解説、マズロー理論との違い、活用法や最新研究までわかりやすく紹介します。読んだ後には「自分の幸福度を高めるヒント」が必ず見つかるはずです。ぜひ最後まで読んでくださいね。
PERMAモデルとは?心理学で注目される幸福のフレームワーク
PERMAモデルの基本定義をわかりやすく解説
PERMAモデルとは、心理学者マーティン・セリグマンが提唱した、人が「幸福」や「充実感」を感じるための5つの要素を示した理論です。
「幸福=一時的な楽しい気分」ではなく、長期的で持続する幸福感(ウェルビーイング)を測るための枠組みとして注目されています。
例えるなら、PERMAは「幸福の5本柱」。
- 感情
- 没頭
- 人間関係
- 意味
- 達成
この5つがバランスよく支え合っていると、全体としてしっかりした“幸福の家”が建つイメージです。
マーティン・セリグマンが提唱した背景
セリグマンは、もともと「うつ病やストレス」など人の心の病を治す心理学を研究していました。
しかし彼はある時、「ゼロからマイナスをなくすだけではなく、人をもっとプラスにできる心理学が必要だ」と気づきます。
そこから生まれたのがポジティブ心理学。その中心理論として、PERMAモデル(2011年発表)が提唱されました。
ポジティブ心理学とPERMAモデルの関係
ポジティブ心理学は、「どうすれば人はより良く生きられるのか」を研究する新しい学問です。
PERMAモデルはその中でも、幸福を構造的に説明するフレームワークとして位置づけられています。
- 「幸せになりたいけど、何をしたらいいか分からない」
- 「仕事や人間関係で疲れているけど、前向きに生きたい」
こうした悩みに対して、PERMAは「幸福を5つの観点で考えれば整理できる」という道しるべを与えてくれるのです。

PERMAモデルの5つの要素をわかりやすく解説

P:ポジティブ感情(喜び・感謝・希望)
まず大切なのがポジティブ感情です。
これは「楽しい」「うれしい」「感謝している」「希望を感じる」など、心が前向きになる感情を指します。
たとえば、
- 美味しいものを食べて「幸せ!」と思う
- 誰かに「ありがとう」と言われて温かい気持ちになる
- 明日が楽しみだと感じる
こうした小さな感情の積み重ねが、日々の幸福感を底上げします。
E:没頭(フロー体験とエンゲージメント)
没頭(エンゲージメント)とは、「夢中になって時間を忘れる体験」のこと。心理学ではフロー体験とも呼ばれます。
例えるなら、
- 本に読みふけって気づいたら数時間たっていた
- ゲームやスポーツに集中して時間があっという間に過ぎた
- 仕事や創作に夢中で疲れを忘れた
こうした体験は、人に大きな満足感を与えます。「好きなことに没頭する時間」を意識的に確保するのも、PERMAの実践ポイントです。

R:人間関係(つながりと支え合い)
人とのつながりは、幸福の土台とも言えます。
友人・家族・同僚など、支え合える人がいることで、困難を乗り越えやすくなります。
心理学の研究でも、「望まない孤独は喫煙や肥満と同じくらい健康に悪影響を与える」と報告されています。
つまり、良好な人間関係は単なる心の支えではなく、健康寿命にも直結する要素なのです。

M:意味(人生の目的や意義を感じること)
意味(Meaning)とは、「自分の存在や行動が大きな目的につながっている」と感じられることです。
例えば、
- 仕事で「社会に貢献している」と感じる
- ボランティアで「人の役に立てた」と思う
- 子育てを通じて「子どもを育てる意味」を実感する
こうした「自分を超えた大きなものに関わっている感覚」が、人生の充実感を高めます。
A:達成(目標をやり遂げる満足感)
最後に達成(Achievement)。
「小さな目標を立てて、それを達成すること」が、自信やモチベーションにつながります。
- ダイエットで2キロ痩せた
- 英語で自己紹介ができるようになった
- 仕事のプロジェクトをやり切った
大きな夢でなくても、小さな達成体験の積み重ねが幸福を強くするのです。

✅ まとめると、PERMAの5要素は以下のとおりです:
- P:ポジティブ感情
- E:没頭(フロー体験)
- R:人間関係
- M:意味
- A:達成
この5つを意識するだけで、幸福感を「見える化」しやすくなります。
PERMAモデルとマズローの欲求5段階説の違い
マズローは「段階的」、PERMAは「並行的」
マズローの欲求5段階説は、「生理的欲求 → 安全欲求 → 社会的欲求 → 承認欲求 → 自己実現欲求」というように、下の段階を満たしてから次へ進む“階段型”の理論です。
一方、PERMAモデルは「5つの要素を同時に強化できる“並行型”」という違いがあります。
たとえば「仕事で達成感(A)」を得ながら「趣味で没頭(E)」を体験し、同時に「人間関係(R)」も育てる、といった形です。
つまり、マズローは“順番重視”、PERMAは“バランス重視”と覚えるとわかりやすいでしょう。

幸福感の捉え方の違い
- マズロー:人間の基本的な欲求を満たすプロセスに焦点を当てている。
- PERMA:欲求というより「幸福を感じるための心理的要素」に焦点を当てている。
マズローは「生きるために必要なもの → 自己実現へ」という進化を描き、PERMAは「人生を豊かにする具体的な要素」を提示している点でアプローチが異なります。
両者を組み合わせて理解するメリット
実は、両者を組み合わせて考えると理解が深まります。
- マズローが示す「欲求の階層」は、幸福の“土台”を理解するために有効。
- PERMAは、その土台の上で「幸福をどう高めるか」を具体的に示すツールになる。
例えるなら、マズローが「家の基礎工事」、PERMAが「家をどう快適にするか」というイメージです。
✅ まとめると、
- マズロー:人間の欲求を階層的に説明する理論
- PERMA:幸福を構成する要素を並列で示したフレームワーク
この2つをセットで理解することで、より実用的に「人が幸せになるプロセス」を学ぶことができます。
PERMAモデルを測定する方法|PERMA-Profilerとは
PERMAスコアをチェックできる心理尺度
「PERMAモデルって、どうやって自分に当てはめるの?」と思う方もいるでしょう。
そこで役立つのがPERMA-Profilerという心理尺度です。
これは質問形式で、
- 最近どのくらいポジティブな気持ちを感じたか?(P)
- 物事に没頭できているか?(E)
- 周りの人と良い関係を築けているか?(R)
- 人生に意味を感じているか?(M)
- 達成感を味わえているか?(A)
といった項目に答えることで、自分の幸福度を数値化できます。
診断テストのように簡単に使えるため、研究だけでなく実生活でも応用可能です。
学校や組織での活用事例
PERMA-Profilerは、個人だけでなく学校教育や企業組織でも使われています。
- 学校では、生徒の「学習意欲」や「ストレス耐性」を測る指標として導入され、教育改善に活用。
- 企業では、社員の「エンゲージメント」や「職場満足度」を見える化し、離職率の低下や働きやすい環境づくりに役立っています。
つまりPERMAは「個人の幸福度を高める」だけでなく、「集団の幸福度を向上させるツール」にもなっているのです。
拡張版「PERMA+4」とは?
近年は、従来の5つに加えて「身体的健康」「マインドセット」「環境」「経済的安全性」などを取り入れたPERMA+4という拡張版も登場しています。
これは「現代社会に合わせたより包括的な幸福モデル」として注目されており、特に職場や医療現場での研究が進んでいます。
PERMAモデルの実践例|日常生活・仕事・教育での活用

日常生活に取り入れる簡単な方法(感謝日記・趣味時間など)
PERMAモデルは理論だけでなく、日常のちょっとした習慣で実践できます。
- ポジティブ感情(P) → 寝る前に「今日あった良いことを3つ」書く「感謝日記」
- 没頭(E) → 料理・読書・スポーツなど、夢中になれる趣味の時間を確保する
- 人間関係(R) → 家族や友人に「ありがとう」と伝える小さなコミュニケーション
- 意味(M) → ボランティアや人の役に立つ行動を意識する
- 達成(A) → 「毎日1ページ本を読む」など、小さな目標を設定して達成する
こうした工夫で、自然に幸福度が高まります。
ビジネスに応用する方法(チームのエンゲージメント向上)
職場でもPERMAモデルは有効です。
特に「E(没頭)」「R(人間関係)」「A(達成)」が大きな影響を持ちます。
- 没頭(E) → 社員が集中できる環境づくり(無駄な会議を減らす・裁量を与える)
- 人間関係(R) → 信頼を築くチーム文化(1on1ミーティングや雑談の場を設ける)
- 達成(A) → 目標を小分けにし、達成したらみんなで共有・称賛する
これにより、エンゲージメント(仕事への没頭とやりがい)が高まり、モチベーションや業績アップにつながります。
教育現場での導入事例(子どもの幸福度向上)
海外では教育現場でもPERMAが導入されています。
- 生徒が「学ぶ楽しさ」や「友達との関係」を感じやすくなるようカリキュラムを工夫
- 感謝の気持ちを表現する授業で、ストレスが減り学習意欲が高まる効果が確認
- 日本でも一部の学校でSEL(社会情動的スキル教育)の一環として応用され始めています
つまりPERMAは、大人だけでなく子どもの成長や幸福度にも直結する実践的モデルなのです。
✅ まとめると、PERMAは「日常生活」「職場」「教育」のどんな場面でも応用できる、実用性の高い心理学フレームワークです。
まとめ|PERMAモデルを理解して幸福度を高めよう
今日からできる小さな実践ステップ
難しく考える必要はありません。以下のような小さな行動から始められます。
- 感謝を3つ書き出す(P)
- 趣味に没頭する時間を1日30分確保(E)
- 一緒に体験を共有する(R)
- 自分の行動を「誰の役に立っているか」と振り返る(M)
- 小さな目標を立てて達成を記録する(A)
これらを少しずつ続けるだけで、幸福度はじわじわと高まります。
より充実した人生に向けた次の行動
PERMAモデルを知ったら、次は「自分はどの要素が不足しているか」を意識してみましょう。
そして、
- 日常生活に取り入れる
- 職場で応用する
- 家族や子どもと共有する
といった形で、生活全体に広げることで、より豊かで満たされた人生をつくることができます。
