「カスタマージャーニーマップのテンプレートって、結局“表を埋めるもの”だと思っていませんか?」
- テンプレを探したけど、表ばかりで使いにくい
- 何を書けばいいのか分からず、途中で止まる
- 顧客視点で考えたいのに、思考が整理できない
こんなモヤモヤを感じている人は意外と多いのではないでしょうか?
カスタマージャーニーマップとは、顧客が知って・迷って・決めるまでの流れを整理する考え方のこと。本来は、きれいな表を作るためのものではありません。
この記事では、
- 「テンプレ=表」にこだわらなくていい理由
- ChatGPTを使って“思考整理の地図”として活用する方法
- ブログやマーケティングで迷わなくなる使い方
を、初心者向けにやさしく解説します。
頑張る前に考えを整理したい方は、きっとヒントが見つかるはずです。
ぜひ最後まで読んでくださいね。
カスタマージャーニーをまだよく知らない方へ
この記事では「カスタマージャーニーマップの考え方と使い方」にフォーカスしています。
もし、そもそもカスタマージャーニーとは何かを基礎から知りたい場合は、
以下の記事で初心者向けにやさしく解説しています。

ChatGPTで表は作れるが、最初から表を作らない理由

カスタマージャーニーマップについて調べていると、
「ChatGPTで表を作れるのか?」と気になる人も多いと思います。
結論から言うと、ChatGPTで表は作れます。
ただし、それが思考の発散に向いているかどうかは別問題です。
ここでは、その理由を順番に整理します。
ChatGPTで表は作れる
まず前提として、ChatGPTは、
- 認知/検討/比較/購入
- 行動/思考/感情/タッチポイント
といった項目を並べた、
典型的なカスタマージャーニーマップの表を作成できます。
そのため、
ChatGPTでは表が作れない
というわけではありません。
「作れるかどうか」だけを見れば、答えはYESです。
でも「考える段階」では使いにくい
問題は、考える段階で使いやすいかどうかです。
表を使うと、どうしても次の状態になりがちです。
- 空欄を埋めなきゃと思う
- それっぽい言葉を書いてしまう
- 正解を書こうとして手が止まる
これは、表が
「完成形を前提にした形式」だからです。
しかし、カスタマージャーニーマップを考える初期段階では、
- 何が分からないのかも分からない
- 行動や感情が曖昧
- 行きつ戻りつ考える
という状態が普通です。
ChatGPTは思考の進行役として使うのが最適
ChatGPTの本当の強みは、
表を出力することではなく、
思考を進める対話ができることです。
たとえば、
- なぜそこで迷ったのか?
- そのとき一番不安だったことは?
- 何が決め手になったのか?
といった問いを投げてもらうことで、
- 考えが深まる
- 顧客視点に戻れる
- 言語化が進む
という効果が生まれます。
表は最後に必要なら作ればいい
表そのものが悪いわけではありません。
表が向いているのは、
- 思考がある程度まとまったあと
- チームや他人に共有するとき
- 資料として整理するとき
です。
つまり、
考える → 整理する → 見せる
この流れの中で、
表は一番最後の工程に位置づけるのがおすすめです。
まとめ
- ChatGPTで表は作れる
- でも「考える段階」では使いにくい
- ChatGPTは思考整理の進行役として使うのが最適
- 表は最後に必要なら作ればいい
思考整理に使えるChatGPT用カスタマージャーニーマップテンプレート

ここでは、
「思考整理に使えるChatGPT用カスタマージャーニーマップ」のテンプレートを紹介します。
ポイントは、
完成させることを目的にしないことです。
テンプレの考え方(進行役型)
このテンプレートの役割は、
- 考えを外に出す
- 顧客視点を保つ
- 思考の抜け・飛びを防ぐ
ための進行役です。
答えが曖昧でもOKです。
基本プロンプト構成(コピペ用)
まずは、基本的なプロンプトをご紹介します。
以下は、そのまま使える思考整理用プロンプトの一例です。
あなたは「カスタマージャーニー思考整理」の進行役です。
目的は、1人の顧客が意思決定するまでの流れを整理することです。
完成させる必要はありません。
次の順で、質問を1つずつしてください。
1. この商品・サービスを知る前の状況は?
2. どんな不満・悩み・違和感がありましたか?
3. 情報を探し始めたきっかけは何ですか?
4. 比較・検討時に不安だったことは?
5. 最終的に決め手になった要素は?
6. 行動後に感じたこと・期待とのズレは?
私の回答を待って、次の質問に進んでください。
これだけでも、
- 行動の流れ
- 感情の変化
- 判断ポイント
が自然に整理されていきます。
この基本プロンプトの考え方(Before → After)
この基本プロンプトの目的は、
顧客が不満を抱えた状態から、商品・サービスを通じてどう変化したのか
その流れをシンプルに整理することです。
つまり、
- 不満・悩みを抱えていた状態(Before)
- その不満を解決しようと動き出し
- 購入・利用を経てどう感じたか(After)
という、問題解決のプロセス全体を追っています。
① 先に「商品・サービス」を設定したほうがいいのでは?
まず最初に、
整理したい商品・サービスを1つ決めることが重要です。
ただし、この基本プロンプトでは、
商品・サービスは事前に頭の中で設定している前提とし、
あえてステップを減らしています。
商品が決まっていないと、
- どんな不満を想定すればいいのか
- どんな変化を見ればいいのか
が曖昧になり、思考が散ってしまいます。
② 「この商品・サービスを知る前の状況は?」の「状況」とは?
ここでいう状況とは、
感情や評価ではなく、その人が置かれていた環境や条件のことです。
例えば、
- どんな生活をしていたか
- どんな制約があったか(忙しい、時間がない、選択肢が少ない など)
- 日常的にどんな行動をしていたか
といった、第三者から見ても分かる事実を指します。
重要なのは、
「どんな不満を生みやすい環境だったのか」を
背景として押さえることです。
③ 不満・悩み・違和感から考えたほうがいいのでは?
これは考え方としてはその通りです。
しかし、実際には、
- 「どんな不満があったか」を先に思い浮かべ
- その不満が生まれた理由として状況を整理する
という順番で考える方が、スムーズなことが多いです。
書くときは「状況 → 不満」の順で並べるのがポイントです。
具体例(転職エージェントの場合)
たとえば、転職を考える人が感じている不満として、
先に浮かびやすいのは次のようなものです。
- 今の仕事に将来性を感じられない
- 頑張っても評価されていない気がする
- このままでいいのか不安
これらは、感情としては共通しています。
しかし、この不満が生まれた「状況」が違うと、
その後の判断や刺さる訴求は変わってきます。
パターンA:状況が違う
- 仕事量が多く、忙しすぎて転職活動の時間が取れない
→「忙しい人でも効率的に進められる」という訴求が刺さる
パターンB:状況が違う
- 地方勤務で、そもそも求人情報が少ない
→「非公開求人・選択肢の多さ」という安心感が効く
パターンC:状況が違う
- 同年代の同僚や友人が次々と転職・年収アップしている
→「出遅れたくない」「比較・焦り」に寄り添う訴求が刺さる
不満そのものは似ていても、
どんな環境・制約の中で生まれたかによって、
行動の理由はまったく変わります。
ここで重要なのは、
「状況=とりあえず事実を書くこと」ではない、という点です。
状況とは、
その不満が避けられなかった構造・環境
のことです。
言い換えると、
「この不満は、
どんな生活・立場・制約の中で生まれたのか?」
これに答えるのが、STEP1です。
そのため、
- 考えるときは
STEP2:感情の核(悩み・違和感)から始めてOK - 書くときは
STEP1:その感情が避けられなかった理由(状況)を先に置く
この順番にすると、
後の「きっかけ」「不安」「決め手」も自然につながります。
実際に使って調整した「個人的カスタマイズ版」プロンプト
次に、
私が実際にこの基本プロンプトを使ってみて、
自分にとって使いやすい形に少しだけ調整したカスタマイズ版をご紹介します。
ここで紹介する内容は、
基本プロンプトが合わない人向けの代替ではありません。
あくまで、
何度か使ってみた中で
「ここを少し足したほうが考えやすい」と感じた点を
反映したものです。
カスタマイズしたポイントは、大きく3つです。
① 事前に「商品・サービス設定」の質問を追加
基本プロンプトでは、
商品・サービスは頭の中で設定する前提にしていました。
ただ、個人的には、最初に一度だけ明示したほうが整理しやすいと感じたので、
事前に「商品・サービス設定」の質問を追加しました。
② 質問を少しだけ具体化し、考えやすく調整
基本の質問はあえて抽象度を高めにしていますが、
人によっては「何を書けばいいか」で止まることがあります。
そこで、
質問の意図が分かる程度にだけ、
表現を具体化しました。
③ 最後に「表でのまとめ」を追加
基本プロンプトでは、
文章で整理できれば十分と考えています。
ただ、カスタマイズ版では最後にまとめとして、
表を作成するように調整しました。
「個人的カスタマイズ版」プロンプト
あなたは「カスタマージャーニー思考整理(感情レイヤー抽出)」の進行役です。
【目的】
1人の顧客が、ある商品・サービスについて
「知る前 → 悩む → 調べる → 迷う → 決める → 使って感じる」
までの意思決定の流れを、
**感情・認知の変化を中心に**思考整理として明確にすること。
※ 完成させる必要はありません
※ きれいな表を埋めることが目的ではありません
※ 事実整理よりも「そのとき何をどう感じていたか」を重視します
【重要なルール】
・質問は必ず1つずつ出す
・私の回答を待ってから次に進む
・アドバイス、解説、評価、補足説明はしない
・私の回答を要約・言い換え・整理しない
・途中で遮られても指示に従う
・あなたが勝手にストーリーを補完しない
【進め方】
【事前設定】
まず、今回整理する「商品・サービス」を1つ決めてください。
(例:転職エージェント、動画配信サブスク、ロボット掃除機など)
次に、その商品・サービスを検討する
「1人の具体的な顧客」を思い浮かべてください。
STEP1:
この商品・サービスを知る前、
この人はどんな状況でしたか?
(年齢・立場・生活・置かれている状況など、思いつく範囲で)
私の回答を待ってください。
STEP2:
**状況より一段深いところです。**
その状況の中で、この人は――
・日常で繰り返し感じていた不満
・自分自身に対する違和感や引っかかり
・周囲の人との比較で生まれた感情
など、どんな不満・悩み・違和感を感じていましたか?
私の回答を待ってください。
STEP3:
情報を探し始めた「きっかけ」は何でしたか?
(出来事・タイミング・何が引き金になったか)
※ 事実だけでなく、そのときの気持ちの動きも含めて考えてください。
私の回答を待ってください。
STEP4:
比較・検討しているとき、
どんな不安・迷いがありましたか?
・失敗したらどうなるか
・拒絶される不安
・自信のなさ
・お金・時間・リスクへの恐れ
など、頭の中で何がブレーキになっていましたか?
私の回答を待ってください。
STEP5:
不安が残りつつも、
最終的に「やってみよう」と思えた決め手は何でしたか?
・どの不安が一番和らいだか
・どんな言葉・情報・体験が効いたか
を思い出してください。
私の回答を待ってください。
STEP6:
実際に行動した後、
感じたこと・期待とのズレはありましたか?
・良かった点
・思っていたのと違った点
・気持ちや見え方がどう変わったか
を教えてください。
私の回答を待ってください。
【最後】
すべて終わったら、
今回の内容を「思考整理のまとめ」として
以下の形式で表にしてください。
・フェーズ
・状況・行動
・感情・思考
・気づき/ポイント
※ 新しい解釈やアドバイスは加えない
※ 私の回答から読み取れる範囲のみでまとめる
もっとステップを増やした方がいいのでは?
カスタマージャーニーは「STEPを増やすこと」も「ケースを増やすこと」も、本質ではありません。
それらは 必要になる場面はある けれど、重要度はかなり低いです。
理由を構造で説明します。
なぜ「STEPを増やす発想」が出てくるのか
多くの人がこう考えます。
- 現実はもっと複雑だ
- 人によって行動は違う
- 例外もある
→ だからSTEPを細かく分けよう
→ ケースもたくさん考えよう
これは自然な思考ですが、
カスタマージャーニーでは逆効果になりやすい。
カスタマージャーニーの本当の目的
カスタマージャーニーの目的は
「人の意思決定を支配している“主要な摩擦”を見つけること」
です。
- 人は無限に考えているわけではない
- 重要な“引っかかり”は、実はごく少数
だから、
- STEPを増やす
- ケースを並べる
ほど、重要な摩擦が見えなくなります。
STEPは「行動の数」ではなく「認知の転換点」
ここが一番重要です。
良いカスタマージャーニーでは、
STEPは
- 行動の回数
- 情報接触の数
ではなく、
「考え方が変わったポイント」
を切っています。
今回使っている6STEPは、
- まだ自覚していない
- 違和感が言語化される
- 行動が始まる
- ブレーキが最大化する
- 1つの認知が外れる
- 世界の見え方が変わる
という認知の節目です。
これ以上細かく分けても、
- 認知は増えない
- 摩擦は増えない
= 情報ノイズが増えるだけ。
「いろんなケースを考える」はいつ必要か
ケース分けが意味を持つのは、この場合だけです。
摩擦が本当に違うとき(STEPは同じ/ブレーキの種類が違う)
つまり、ペルソナ設定を変えるときです。
このケースでは、
同じ商品・同じ前提条件でも、
人によって「止まる理由(摩擦)」がまったく違う状態です。
重要なのは、
👉 STEPを増やすことではない
👉 ケースを横に増やすことでもない
👉 「別の人」として、同じSTEPをもう一度回すこと
です。
- 恐怖が原因の人
- 自尊心が原因の人
- 金銭リスクが原因の人
→ ブレーキの種類が違う場合
図式化すると
同じ商品・同じ構造で、こうなります。
ペルソナA(恐怖が摩擦)
- STEP1:失敗が許されない立場
- STEP2:ミスへの過敏な不安
- STEP3:他人の失敗談がきっかけ
- STEP4:失敗恐怖が最大摩擦
- STEP5:保証・安全性が決め手
- STEP6:安心感が残る
ペルソナB(自尊心が摩擦)
- STEP1:周囲からの評価を意識する立場
- STEP2:劣って見られる違和感
- STEP3:他人の成功談がきっかけ
- STEP4:プライドが摩擦
- STEP5:洗練された世界観が決め手
- STEP6:自己評価が上がる
ペルソナC(金銭リスクが摩擦)
- STEP1:家計・予算に制約がある
- STEP2:無駄にしたくない焦り
- STEP3:支出を見直すタイミング
- STEP4:費用対効果への不安
- STEP5:無料・返金・実績が決め手
- STEP6:納得感が残る
👉 STEPの数は同じ
👉 強調される摩擦のSTEPだけが違う
- まず「1人の人」で最後まで回す
- 次に「別の摩擦タイプの人」で、同じ流れをもう一度回す
- 比べてみて
- どこが共通か
- どこが決定的に違うか
を見る
これが
「ケース分けが意味を持つ瞬間」です。
よくある誤解(ここ重要)
❌ STEPを増やせば精度が上がる
❌ ケースを増やせば網羅できる
⭕ 「1人の頭の中を、深く追う」ほうが精度が上がる
カスタマージャーニーは
- 分類の道具ではなく
- 理解の道具
です。
正しい拡張の順番(実務向け)
もし拡張するなら、おすすめの順番はこうです。
- STEPは固定(今の6STEPで十分)
- 1人の顧客を深く回す
- 摩擦の種類が違うと感じたら
→ 別の顧客で同じSTEPを回す - 最後に「共通点」だけを見る
これで、
- 少ない労力
- 高い再現性
- 使えるアウトプット
が出ます。
一度回して「引っかかった摩擦」を深掘りするのはいいのか?
結論から言うと、いいです。むしろ精度は上がります。
カスタマージャーニーは、
一度きれいに一周させることが目的ではありません。
「この人は、どこで一番止まっているのか?」を見つけるための道具です。
一通り回してみて、
ここ、やたら重いな
ここで思考が止まっていそうだな
と感じた摩擦があれば、
そこに戻って深掘りするのは、理解として自然な流れです。
カスタマージャーニーは、
網羅や分類のためのものではなく、
1人の頭の中を深く理解するための道具。
だから、
一度回して、
一番引っかかった摩擦に戻る
この使い方は、精度を高めるやり方です。
実践的なやり方
① まず一度、最後まで回す
② 「一番重いSTEP」を1つ決める
(迷ったら、ペルソナが行動を止めている場所)
③ ChatGPTにこう指示する
例:
今整理したカスタマージャーニーの
STEP4(不安・迷い)について、
同じ人物のまま、
この不安の正体を深掘りする質問を3つ出してください。STEPは増やさず、別のケースも出さないでください。
これだけでOKです。
まとめ(結論)
- STEPを増やすことは重要ではない
- ケースを並べることも重要ではない
- 重要なのは
「どの認知が、どこで変わったか」
カスタマージャーニーだけでいい?実際の声(知恵袋・アンケート)は使わなくていいのか?
結論から言うと、
「先にカスタマージャーニーを整理し、その後に実際の声で“照合”する」なら、とても有効です。
ただし、使い方を間違えると一気にノイズになります。
ポイントは順番です。
- ❌ 先に知恵袋や口コミを大量に読む
- ⭕ 先にカスタマージャーニーを作り、あとから実際の声で確かめる
この順番を守るかどうかで、効果が大きく変わります。
なぜ「後から見る」なら意味があるのか
カスタマージャーニーは、
あなた自身が考えた仮説の整理です。
一方、知恵袋やアンケートは、
- 感情がむき出し
- 整理されていない
- 生々しい言葉
がそのまま出ています。
だからこそ、
「自分の整理はズレていないか?」を確認する材料として使うのがちょうどいいのです。
特に見るべきなのは、
- そのまま使えそうな意見
ではなく - 自分の想定とのズレや違和感
です。
たとえば、
- ジャーニーでは「不安=価格」だと思っていた
- でも知恵袋では「周りにどう思われるか」が多い
こうしたズレは、
売り方・切り口を見直す重要なヒントになります。
ただし、やってはいけない使い方
注意点もあります。
- いきなり大量に読む
→ 思考の軸がブレる - 多数派を探そうとする
→ ペルソナが曖昧になる - 感情の強い投稿だけを信じる
→ 極端なケースに引っ張られる
実際の声は、参考資料ではなく検証用と割り切るのがコツです。
まとめ
- ChatGPTは進行役として使う
- 少し整理できればOK
この考え方があると、
カスタマージャーニーマップは一気に身近になります。
カスタマージャーニー思考は「発散 → 収束」で進める

カスタマージャーニーマップを考えるプロセスは、
「発散 → 収束」の流れで進めるのがおすすめです。
発散フェーズでは、
行動・感情・迷いを曖昧なまま出していく必要があります。
一方、表やフォーマットは、
思考を整理・確定させる「収束フェーズ」で力を発揮します。
① 発散フェーズ(考える段階)
この段階では、
- 曖昧でOK
- 矛盾してOK
- 行ったり来たりしてOK
やることは、
- 思いつくことを出す
- 迷いや感情を書く
- 「分からない」をそのまま置く
ChatGPTはこのフェーズに向いています。
→ 質問・深掘り・言語化の補助役
② 収束フェーズ(整理する段階)
ある程度考えが出たあとで、
- 抜け漏れを確認したい
- 人に説明したい
- 全体を俯瞰したい
このときに初めて、
- 表
- フォーマット
- 図解
が力を発揮します。
問題は、浅いレベルのまま、無理やり表を埋めて満足してしまうこと
カスタマージャーニーマップで本当に問題になるのは、
表を使うことそのものではありません。
問題なのは、
まだ顧客の行動や迷いを十分に考え切れていない段階で、
とりあえずマスを埋めることが目的になってしまうケースです。
表があると、
- 空欄を埋めたくなる
- それっぽい言葉を書きたくなる
- 形が整ったことで安心してしまう
こうした心理が自然に働くことがあります。
その結果、
- 本当は曖昧なままの部分
- まだ掘り下げられていない迷い
- 「なぜそう動いたのか」という理由
が、十分に考えられないまま固定されてしまいます。
特に注意したいのは、
「表が一通り埋まった=理解できた」と感じてしまうことです。
表は整理の道具であって、
思考の代わりにはなりません。
いったん表にしてみること自体は悪くありませんが、
それを仮の整理として扱い、
「ここ、浅いな」「ここはまだ分からないな」と
次の発散につなげる意識が重要です。
そもそもカスタマージャーニーマップの目的とは?

カスタマージャーニーマップを作る前に、
一番大事なことがあります。
それは、
「何のために作るのか?」をはっきりさせることです。
ここが曖昧なままだと、
どんなテンプレートを使っても、
結局「作っただけ」で終わってしまいます。
本来の目的は「顧客の行動と迷いの整理」
カスタマージャーニーマップの本来の目的は、
顧客の行動・思考・感情を整理することです。
特に重要なのは、
次のような「迷いのポイント」。
- なぜここで止まったのか
- なぜ不安になったのか
- なぜ別の選択肢を探し始めたのか
これらは、
数字やデータだけでは見えにくい部分です。
きれいなマップを作る必要はない理由
初心者ほど、
「ちゃんとしたマップを作らなきゃ」と思いがちです。
でも実は、
- 線が曲がっていてもいい
- 抜けがあってもいい
- 途中で止まってもいい
という状態のほうが、
思考としては正しいことが多いです。
なぜなら、
顧客の判断や感情は、
もともと整理されていないから。
1人の顧客の判断の流れを見るという考え方
よくある失敗が、
「いろんな顧客を一度に考えようとする」ことです。
でも、カスタマージャーニーマップは、
- 市場全体を見るためのもの
ではなく、 - 1人の顧客がどう判断したかを見るためのもの。
たとえば、
この人は、
最初に何に気づき、
どこで迷い、
何が決め手になったのか?
このレベルまで落とし込むことで、
初めて意味のある整理になります。
まとめ
カスタマージャーニーマップの目的は、
- きれいな資料を作ることではなく
- 顧客の行動と迷いを整理すること
です。
表を使わないカスタマージャーニーマップという選択肢

ここまでで、
カスタマージャーニーマップの目的が
「顧客の行動や迷いを整理すること」だと分かってきたと思います。
そう考えると、
必ずしも表を使う必要はない、ということになります。
文章・箇条書きでもマップになる
カスタマージャーニーマップという名前から、
「図や表にしなきゃいけない」と思われがちですが、
本質はそこではありません。
たとえば、次のような箇条書きでも十分です。
- 最初に知ったきっかけ
- そのとき感じた不安や疑問
- 調べ始めた理由
- 比較して迷ったポイント
- 最後に決めた理由
これはすでに、
顧客の体験を時系列で並べたマップです。
マップ=完成図ではなく「思考の地図」
ここで大事な考え方があります。
マップ=完成させるもの
ではありません。
マップとは、
「今、自分がどこを考えているか」を示す
思考の地図です。
- まだ分からない場所があってもいい
- 空白があってもいい
- 行き止まりがあってもいい
それでも、
「どこが分からないか」が分かれば、
次に考えるべき場所が見えてきます。
初心者ほど表にしないほうがうまくいく理由
初心者のうちは特に、
- 正解を書こうとする
- きれいにまとめようとする
- 失敗したくないと思う
という気持ちが強くなりがちです。
その状態で表を使うと、
思考が固まりやすくなります。
文章や箇条書きなら、
- 曖昧なまま書ける
- 途中で修正できる
- 思いついた順で書ける
というメリットがあります。
まとめ
- カスタマージャーニーマップは表でなくていい
- 文章や箇条書きでも十分に機能する
- 大切なのは「思考が進むかどうか」
ChatGPTでカスタマージャーニーマップを作ると何が変わるのか

「表を使わなくていいなら、どうやって考えればいいの?」
ここで活躍するのが、ChatGPTです。
ChatGPTを使うことで、
カスタマージャーニーマップは
“作る作業”から“考えるプロセス”に変わります。
ChatGPTは、自動的に「正解」を出すツールではない
よくある誤解が、
「ChatGPTに頼めば、自動的に答えを作ってくれる」という考え方です。
実際には、
それっぽい答えは出てきますが、
今のところ、そのまま使えるほど精度が高いとは限りません。
また、カスタマージャーニーマップの本来の目的は、
ChatGPTに答えを出してもらうことではなく、
顧客の行動や迷いを、時間の流れに沿って自分で整理し、
試行錯誤しながらマーケティングに活かしていくことにあります。
ChatGPTの強みは、
- 考えを言葉にするのを手伝ってくれる
- 曖昧な状態でも受け止めてくれる
- 次に考えるべき視点を提示してくれる
という点にあります。
「質問してくれる存在」が思考整理に向いている理由
一人で考えていると、
どうしても思考が同じ場所をぐるぐる回ります。
- 何が分からないのか分からない
- 同じ前提で考え続けてしまう
- 視点が広がらない
ChatGPTを使うと、
- 「なぜそう思ったのですか?」
- 「そのとき、何が一番不安でしたか?」
といった問いが返ってきます。
この「問い」があることで、
- 考えが一段深くなる
- 言語化が進む
- 顧客視点に戻りやすくなる
という変化が起きます。
一人で考えるより深掘りできるポイント
ChatGPTを使った思考整理では、
次のような点が特に深掘りしやすくなります。
- 行動のきっかけ(なぜ動いたか)
- 途中で生まれた不安や迷い
- 最後に決断した理由
これらは、
表を眺めているだけでは出てきにくい要素です。
まとめ
ChatGPTを使うことで、
- 問いを通じて思考が進む
- 顧客の迷いを深く理解できる
という変化が起きます。
ブログ・マーケティングでの具体的な使い方

ここまでで、
「表を使わず、ChatGPTで思考整理するカスタマージャーニーマップ」
の考え方は見えてきたと思います。
では次に、
実際のブログ運営やマーケティングで、どう役立つのかを整理します。
ブログ記事の方向性を決める使い方
ブログでよくある悩みが、
- 何を書けばいいか分からない
- 記事の軸がブレる
- 読者の悩みに刺さらない
という状態です。
カスタマージャーニーマップを
思考整理として使うと、
- 読者が「どの段階」にいるのか
- その段階で「何に迷っているのか」
- 今の自分が「何を伝えるべきか」
が自然と見えてきます。
施策を増やす前に整理すべきポイント
マーケティングでは、
- 広告を出す
- 記事を増やす
- SNSを頑張る
など、やることが増えがちです。
でも、
どの段階の読者に向けた施策なのか
が整理できていないと、効果が出にくくなります。
カスタマージャーニーで整理すると、
- まだ悩みに気づいていない層
- 比較検討している層
- 最後の一押しを求めている層
が分かれます。
「頑張る場所」を間違えなくなる効果
一番のメリットはここです。
カスタマージャーニーマップを使うと、
- 今、力を入れるべき場所
- 逆に、今は頑張らなくていい場所
が見えてきます。
例えば、
- 認知段階なのに、いきなり成約記事を書く
- 比較段階なのに、抽象的な話ばかりする
といったズレに気づけます。
まとめ
- ブログの軸決めに使える
- 施策の順番が整理できる
- 無駄な努力を減らせる
カスタマージャーニーマップは、
作業を増やすためのものではなく、迷いを減らすためのものです。
よくある失敗と注意点

カスタマージャーニーマップは、
やり方を間違えると「考えが進まない道具」になってしまいます。
ここでは、初心者が特につまずきやすいポイントを整理します。
最初から完璧に作ろうとする
よくあるのが、
- 最初から完璧を目指す
- きれいに整理しようとする
- 曖昧さを許せない
という状態です。
でも、カスタマージャーニーマップは
思考の途中経過を出すためのものです。
- 完璧でなくてもいい
- 曖昧さがあってもいい
- 大切なのは顧客の行動と迷いを、時間の流れで、できる限り整理すること
複数の顧客を一度に考えようとする
もう一つ多い失敗が、
複数の顧客像を混ぜてしまうことです。
- 初心者と経験者
- 情報収集段階と購入直前
- 悩みが違う人たち
これを一枚でまとめようとすると、
思考が一気にぼやけます。
まとめ
- 完璧を目指さない
- 1人の顧客に絞る
まとめ|カスタマージャーニーマップは表ではなく思考整理の道具

この記事の要点を一言で整理
カスタマージャーニーマップの本質は、
👉 顧客の行動と迷いを、時間の流れで整理すること
です。
表・図・フォーマットはあくまで手段であって、
目的ではありません。
初心者がまず意識すべきこと
最初に意識してほしいのは、次の3つだけです。
- 最初から完璧を目指さなくていい(試行錯誤でブラッシュアップをする)
- 1人の顧客に絞る
- 思考が進めば成功
この前提があるだけで、
カスタマージャーニーマップは
「難しい分析」ではなく、
考えを助ける道具になります。
最後に
カスタマージャーニーマップは、
頑張るための道具ではありません。
- 無駄な努力を減らす
- 判断をラクにする
- 方向性を間違えないための地図
です。

