「自己肯定感」という言葉をよく耳にするけれど、
- 結局どういう意味?
- 自尊感情や自己効力感とは何が違うの?
- 自分の自己肯定感って高いのか低いのか分からない…
こんなモヤモヤを感じたことはありませんか?
実は、自己肯定感はただの「自信」とは違い、セルフイメージ全体をまとめる“心の土台”のようなもの。
そして、その土台を支えるのが「自尊感情」「自己効力感」「自己受容感」など、いくつかの大事な感情たちです。
この記事では、初心者でもわかるように、心理学の視点から
- 自己肯定感の正体
- 自尊感情や自己効力感との違い
- 感情を分類するメリット
- 自己肯定感を高める具体的な方法
をわかりやすく解説します。
自己肯定感とは?セルフイメージとの関係をわかりやすく解説

自己肯定感の定義と意味をシンプルに解説
まず、自己肯定感とは何かを簡単に説明しますね。
自己肯定感とは、
「ありのままの自分を『これでいい』と思える感覚」
のことです。
たとえば、失敗したときに
「自分はダメだ」と思うのではなく、
「失敗もあるけど、それでも自分は価値のある人間だ」
と思える心の土台です。
よく「自信」と混同されますが、自己肯定感は
- 成功や成果があってもなくても
- 誰かに褒められなくても
「自分は大丈夫」と思える感覚です。
自己肯定感と「自信」「自己評価」の違い
自己肯定感と似た言葉に「自信」「自己評価」がありますが、意味は少し違います。
- 自信
→ 「自分には○○ができる」という 能力への信頼
例:「私はプレゼンが得意だから自信がある」 - 自己評価
→ 自分に点数をつけるような 評価的な見方
例:「私は人より社交的だ」「私は計算が苦手だ」など - 自己肯定感
→ 良いところも悪いところも含めて
「これが自分」と受け止められる 感情的な安心感
つまり、自己肯定感は自分全体に対する“土台”のような感覚で、他はその上に乗る部分だとイメージすると分かりやすいです。
セルフイメージとは?心理学的な位置づけ
次に出てくるのがセルフイメージという言葉です。
セルフイメージとは、
「自分はどんな人間か」という 自分に対するイメージ・自己認識
のことです。
たとえば、以下のような感じです:
- 「私は明るい性格だ」
- 「私は人付き合いが苦手だ」
- 「私は努力家だと思う」
このセルフイメージは、過去の経験や周りの人の言葉によって作られることが多いです。
心理学では、セルフイメージは自分の思考や行動を左右する大きな要素だと考えられています。

自己肯定感がセルフイメージの「まとめ役」といわれる理由
では、なぜ自己肯定感がセルフイメージのまとめ役といわれるのでしょうか?
理由はこうです:
- セルフイメージは「自分はこういう人間」という具体的なイメージ
- 自己肯定感はそのセルフイメージを 肯定するか、否定するか を決める土台
たとえば、
- 「私は人付き合いが苦手」というセルフイメージがあっても
→ 自己肯定感が高ければ
「でも、それが自分の個性だし、それでいい」と思える
→ 自己肯定感が低いと
「だから私はダメなんだ」と自己否定に陥りやすい
まとめると
- セルフイメージ → 自分が思う「自分像」
- 自己肯定感 → その自分像を「これでいい」と思えるかどうか
つまり、自己肯定感はセルフイメージ全体をまとめる司令塔のような役割をしているのです。
自尊感情・自己効力感とは?自己肯定感との違いを比較

自尊感情とは?自己肯定感との微妙な違い
まずは自尊感情から解説しますね。
自尊感情とは、
「自分には人としての価値があり、大切にされるべき存在だ」
と思える感覚のことです。
似ているようで、自己肯定感とは微妙に違います。
- 自己肯定感 → 良いところも悪いところもひっくるめて「自分でいい」と思える感覚
- 自尊感情 → 「自分には価値がある」という 尊厳やプライド に近い感覚
例えば、
- 自尊感情が高い人は「自分は大切な存在」と思えるので、人から雑に扱われると「それはおかしい」と感じて言い返せます。
- 自尊感情が低い人は「自分はどうせ大事にされない」と思い、我慢したり自分を責めてしまいがちです。

自己効力感とは?「やればできる」との関係
次は自己効力感です。心理学では「Self-Efficacy(セルフ・エフィカシー)」とも呼ばれます。
自己効力感とは、
「自分には課題を達成する力がある」と信じられる感覚
簡単に言うと、「やればできる」感覚です。
例えば:
- 「プレゼンは緊張するけど、練習すればうまくいく」
- 「初めての仕事でもやってみたらできるかもしれない」
このように思えるのが自己効力感です。
ここも自己肯定感とは違います。
- 自己肯定感 → 「できなくても自分には価値がある」と思える心の土台
- 自己効力感 → 「できる」という 行動への具体的な自信
自己受容感・自己信頼感など関連する感情も整理
実は、自己肯定感に関わる感情は他にもたくさんあります。簡単に整理しておきましょう。
- 自己受容感
→ 良い面もダメな面も含めて「それが自分」と受け入れる感覚
例:「緊張しやすいけど、それも自分だな」と思える - 自己信頼感
→ 自分の考えや選択を信じられる感覚
例:「どんな結果でも、自分が決めたことだから大丈夫」と思える - 自己価値感
→ 自分が存在することそのものに価値があると感じる感覚
例:「何も特別なことをしていなくても、自分には価値がある」と思える - 所属感
→ 「自分は社会の一員だ」「ここにいていい」と思える感覚
例:「仲間がいるから自分は大丈夫」と感じられる
これらはすべて、自己肯定感を支える部品のような存在です。
各感情の共通点と違いをわかりやすく一覧で比較
ここまでを整理すると、以下のようになります。
感情名 | 意味 | 自己肯定感との関係 |
---|---|---|
自尊感情 | 自分には価値があると感じる | 自己肯定感の一部を成す |
自己効力感 | 自分はやればできると思う | 行動面の自信を支える |
自己受容感 | ダメな部分も含めて自分を認める | 自己肯定感の土台 |
自己信頼感 | 自分の判断や感覚を信じられる | 自己肯定感を安定させる要素 |
自己価値感 | 存在自体に価値を感じる | 自己肯定感の核 |
所属感 | 仲間や社会とつながっている感覚 | 自己肯定感を高める支え |
まとめると
- 自己肯定感は「セルフイメージ全体のまとめ役」
- ほかの感情は自己肯定感を支える 部品やパーツのような役割 を果たしている
それぞれの違いを知ることで、どこに自分の課題があるのかも見えやすくなります。
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自己肯定感を構成する感情を分類するメリットとは?

分類することで問題の原因を特定しやすくなる理由
自己肯定感が低いとき、よく「自分に自信がない」とか「自己肯定感が足りない」という言い方をしますよね。
でも、実は一言で自己肯定感が低いといっても、原因は人によってバラバラです。
たとえば…
- 「何をやっても自分はダメだと思う」 → 自己効力感が低いかもしれない
- 「欠点を許せなくて苦しい」 → 自己受容感が低い可能性
- 「周りの目ばかり気になる」 → 自尊感情が不安定かも
このように細かく分類することで、
「どこに問題があるのか」
をピンポイントで特定しやすくなるのが大きなメリットです。
原因がわかると、対処法もより具体的に考えられるようになります。
カウンセリングや自己分析で役立つ場面
心理カウンセリングやコーチングの現場でも、この分類はとても役立ちます。
例えば、クライアントさんが
「自信がないんです」
と相談してきたとき。
- 自己効力感が低いなら → 小さな成功体験を増やすアプローチ
- 自己受容感が低いなら → ネガティブな部分も許す練習
- 自尊感情が低いなら → 他者と比較しない習慣を作る
このように、同じ「自信がない」という悩みでも、アプローチが全く変わってきます。
分類を知っていると、問題を整理しやすくなるため、カウンセリングだけでなく 自分での自己分析にもすごく使えるんです。
どの感情が自分に不足しているかを見つけるヒント
では、自分にはどの感情が不足しているのか、どうやって見分けたらいいのでしょう?
いくつか簡単なヒントをお伝えしますね。
✅ 自己効力感が低い人
- 「やっても無駄だ」とすぐ諦めがち
- 行動する前から「失敗する」と思っている
✅ 自己受容感が低い人
- 失敗した自分が許せない
- ダメな部分があると極端に落ち込む
✅ 自尊感情が低い人
- 人からの評価に一喜一憂する
- 「どうせ自分なんか」と感じやすい
✅ 自己信頼感が低い人
- 自分の判断に自信が持てない
- 人にすぐ相談しないと不安になる
こうしたサインに気づけると、どこを強化すればいいかが見えてきます。
分類せず「自己イメージの上下」で捉える考え方もある
一方で、細かい分類が面倒だという人もいます。
そんなときは、あなたが以前おっしゃったように
「自己イメージが上がっているか、下がっているか」でシンプルに考える
のも十分アリです。
- セルフイメージが上がっていれば、自分を肯定しやすい
- セルフイメージが下がると、自己否定が強くなる
この大きな視点で見るだけでも、日常生活では十分役立ちます。
ただ、もし「なかなか改善しない」というときは、どの感情が弱いのかを 分類して探る方が解決の糸口を見つけやすいんですね。
まとめると
- 分類すると 問題の原因をピンポイントで把握しやすい
- カウンセリングや自己分析に役立つ
- ただ、ざっくり「自己イメージの上下」で考える方法も現実的に使える
どちらが良いかは、人それぞれの性格や状況によります。大事なのは、自分が楽に前に進める方法を選ぶことですね。
自己肯定感が高い人・低い人の特徴とセルフイメージへの影響

自己肯定感が高い人の特徴とメリット
まず、自己肯定感が高い人はどんな特徴があるのでしょうか?
以下のようなポイントが挙げられます。
✅ 自己肯定感が高い人の特徴
- 自分の短所も「これが自分」と受け入れられる
- 他人の評価に過度に振り回されない
- 困難な状況でも「なんとかなる」と思える
- 人に優しくできる余裕がある
- チャレンジを恐れず行動できる
たとえば、仕事でミスをしても
「ミスは誰にでもある。次に活かせばいい」
と考えられる人は、自己肯定感が高い人です。
こうした人は結果的に、セルフイメージもポジティブになりやすいです。
「自分はこれでいい」と思えることで、行動や人間関係にも良い影響を与えるんですね。
自己肯定感が低いと起こりやすい悩み
逆に、自己肯定感が低い人はどんな傾向があるのでしょうか?
以下のような悩みを抱えやすいです。
✅ 自己肯定感が低い人に多い悩み
- 小さな失敗で「自分はダメだ」と思い込みやすい
- 他人と比べて落ち込みやすい
- 周囲の評価に一喜一憂してしまう
- チャレンジすることが怖い
- 自分を責め続けて疲れやすい
たとえば、ちょっとした指摘を受けただけで
「自分は必要とされていないのかも…」
と深く落ち込むことがあります。
自己肯定感が低いと、セルフイメージもネガティブになり、日々の生活が苦しくなりやすいのです。
セルフイメージが下がる原因とは?
では、なぜセルフイメージが下がるのでしょうか?
原因はさまざまですが、主に以下のようなことが影響します。
- 過去の失敗体験
→ 強い失敗経験が「自分はダメだ」という思い込みを作る - 他者からの否定的な言葉
→ 「お前はできない」と言われ続けると、自己イメージが下がる - 過剰な完璧主義
→ 少しのミスも許せず、自分に厳しすぎる - 比較癖
→ 他人と比べて自分を下げてしまう
たとえば、子どもの頃に親や先生から
「なんでそんなこともできないの?」
と言われ続けた人は、大人になっても「自分は劣っている」と感じやすいです。
このように、過去の経験や周囲の環境が大きく影響するのがセルフイメージなんですね。
高すぎる自己肯定感のデメリットもある?
実は、自己肯定感が高すぎることにもデメリットがあります。
例えば、心理学者バウマイスターは
「自己肯定感が高すぎる人は、批判を受けたときに攻撃的になりやすい」
と指摘しています。
✅ 自己肯定感が高すぎると…
- 自分は絶対正しいと思い込みやすい
- 他人の意見を受け入れにくい
- 批判に過剰反応してしまう
- 傲慢に見られやすい
つまり、自己肯定感は高ければ高いほど良いわけではないのです。
大切なのは、
- 自分を肯定できること
- でも謙虚さや他者への配慮を忘れないこと
バランスの取れた自己肯定感が一番理想的なんですね。
まとめると
- 自己肯定感が高い人 → セルフイメージがポジティブになり、行動的で安定感がある
- 自己肯定感が低い人 → セルフイメージが下がりやすく、悩みが多い
- 高すぎる自己肯定感にも注意が必要で、バランスが大事
自己肯定感を高める具体的な方法と実践のコツ

小さな成功体験を積み重ねる方法
自己肯定感を高めるために、一番おすすめなのが
「小さな成功体験を積み重ねること」
です。
心理学では、こうした経験が「自己効力感」を高めると言われています。
たとえば:
- 朝いつもより5分早く起きる
- 簡単なタスクを1つ終わらせる
- 人に笑顔であいさつする
これくらい小さなことでOKです。大切なのは
「できた!」という感覚を積み上げること
小さな達成感が少しずつ自己肯定感を育ててくれます。
ネガティブ思考を修正する認知行動療法の活用法
もうひとつの強力な方法が、認知行動療法(CBT)です。
これは、ネガティブな考え方を少しずつ修正する方法で、初心者でも簡単に取り入れられます。
例えばこんな手順です:
- ネガティブな考えを書き出す
例:「どうせ自分には無理だ」 - 「本当にそうだろうか?」と自問する
例:「過去にできたことはないかな?」 - 別の可能性を書いてみる
例:「前も一度は成功したし、今回もやってみよう」
このように思考の癖に気づき、別の見方を探すことが、自己肯定感のアップにつながります。
もし「頭では分かっていても、一人で続けるのは難しい」という方は、【Awarefy】
を活用するのもおすすめです。
日々の気分や思考を簡単に記録できて、自分の思考パターンに気づきやすくなるので、自己肯定感を育てる心強いサポートになりますよ。
自己受容感を育むための簡単ワーク
自己肯定感を高めるには、自己受容感も大切です。
「完璧じゃなくても大丈夫」と思える心を育てるために、以下のワークがおすすめです。
✅ 自己受容を育む簡単ワーク
- 夜寝る前に今日の自分に声をかける
→ 「今日も頑張ったね」 - ダメだったことを書き出し、その横にOKサインを書く
→ 「失敗したけど、それも自分」 - 「できなかったこと」より「できたこと」に意識を向ける
このワークを続けると、少しずつ自分を責めるクセが減り、心が楽になります。
セルフイメージを書き換える言葉や習慣
セルフイメージを上げるためには、普段の言葉や習慣も重要です。
人は自分が口にする言葉や、頭で考える言葉に強い影響を受けます。
✅ セルフイメージを書き換えるためにできること
- 自分を責める言葉を減らす
×「どうせ自分なんて…」
→ ○「まだ成長途中だから大丈夫」 - 毎日自分を褒める習慣をつくる
→ 「今日は○○ができた!」 - ポジティブな言葉を部屋に貼る
→ 「私は大丈夫」「やればできる」
小さなことでも、こうした習慣が積み重なると、セルフイメージは少しずつ書き換わっていきます。
信頼できる人と話すことの効果
そして忘れてはいけないのが、信頼できる人と話すことの大切さです。
一人で考え込むと、ネガティブ思考が強まりがちです。
でも、人に話すだけで心が整理されることが多いんです。
例えば:
- 「そんなに悪く考えなくても大丈夫だよ」と言われる
- 自分が気づいていない良い面を教えてもらえる
- 話すことで気持ちがスッキリする
話す相手は、友人、家族、カウンセラー、誰でも構いません。
自分を否定しない人を選ぶのがポイントです。
自己肯定感は、自分ひとりだけでは育てづらいときもあります。
だからこそ、誰かの力を借りることは決して弱さではなく、むしろとても賢い選択です。
まとめると
- 小さな成功体験を積み重ねる
- ネガティブ思考を修正する
- 自己受容を意識する
- 言葉や習慣を変える
- 信頼できる人に話す
これらを少しずつ取り入れることで、自己肯定感もセルフイメージも着実に育てることができます!
まとめ|自己肯定感を理解しセルフイメージを育てる第一歩

今日から意識したいポイント
ここまで読んでくださりありがとうございます!
自己肯定感についてたくさんの情報をお伝えしましたが、まずは以下のポイントを意識してみてください。
✅ 今日から意識したいこと
- 自分を責める言葉を少し減らす
- 小さな「できた!」を大切にする
- 「ダメな部分も自分の一部」と受け止めてみる
- 比べる相手は「過去の自分」にする
いきなり自己肯定感を劇的に上げることは難しいですが、こうした小さな意識の積み重ねが、セルフイメージを少しずつポジティブに変えていきます。
自分に合う方法を見つける大切さ
自己肯定感を高める方法は人それぞれです。
- 認知行動療法が合う人もいれば
- 自己受容をじっくり育てる方が楽な人もいます
だからこそ、自分に合う方法を見つけることが一番大切です。
たとえば、あなたが感じる「一番の苦手」はどれですか?
- 行動する自信がない → 自己効力感を育てる方法が必要
- 自分の欠点が許せない → 自己受容感を育てるワークが合う
- 人と比べてばかり苦しい → 自尊感情を整えることが大事
自分の苦手ポイントが分かると、対策もピンポイントで考えやすくなります。
困ったときは専門家に相談するのも選択肢
もし「どうしても苦しい」「自分ではどうにもできない」と感じたら、専門家に相談するのも大切な選択肢です。
カウンセラーや心理士は、
- あなたの話を整理する手助けをしてくれる
- 問題の原因を一緒に探してくれる
- 気づかなかったあなたの強みを教えてくれる
相談することは決して弱さではなく、「自分を大切にする行動」です。
話すだけでも心が軽くなることが多いので、無理せず頼ってみてくださいね。
最後にまとめると…
- 自己肯定感は「セルフイメージのまとめ役」
- 自尊感情、自己効力感、自己受容感などの感情が、その土台を支えている
- 分類して理解すると、自分の課題が見えやすくなる
- 高めるには小さな成功体験や自己受容がカギ
- 無理せず、自分に合う方法を探すことが大事