「毒親から逃げたい」感じたことはありませんか？
毒親との距離を置く方法としては主に「疎遠」「対話して絶縁」避難」が考えられます。
この記事では毒親と距離を置く方法について解説します。
特に「避難」の場合、追跡されるかもしれない不安、経済的な壁、自立するための準備――どれも簡単には乗り越えられないように感じるかもしれません。
毒親が追跡してくることが考えられる場合、そのリスクを無視するわけにはいきません。
「もしも見つかったらどうしよう？」と不安に思い、逃げる決断ができない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、毒親から安全に逃れるための実践的な方法も解説します。
準備段階から実際の対策、追跡を防ぐ手段まで幅広く網羅しています。
また、逃げた後の新しい生活を築くためのヒントもご紹介します。
毒親から逃げるための基本的な準備とは？
毒親から逃げるためには、慎重な計画と準備が必要です。
まず、自分が抱えている問題を冷静に整理し、信頼できる相談先を見つけることが重要です。
緊急避難が必要な場合には、地域のシェルターや支援団体を頼る手段を検討しましょう。
また、毒親との接触を最小限に抑えるため、居場所や計画が知られないように配慮することが大切です。
事前に逃げた後の生活基盤を整えるための経済的準備や情報管理も、計画の成功を左右するポイントとなります。
以下で、準備の具体的なステップを詳しく解説します。
緊急避難先の選び方と使い方
毒親からの逃走が緊急性を帯びている場合、避難先の確保が最優先です。
全国には、暴力や虐待に苦しむ人々をサポートするDVシェルターなどがあります。
これらは一時的な居場所を提供するだけでなく、法律相談や生活の支援も行っています。
さらに、滞在中に次のステップを計画するための時間を確保できます。
以下は避難先を探す際の具体的な方法です。
- 市役所や自治体の相談窓口で避難先の相談をする
- DV相談＋（プラス）や虐待相談窓口に連絡し、利用可能な施設を尋ねる
- 事前に必要な持ち物（身分証明書や最低限の衣服など）を準備する
DVシェルターなどに避難する
入居手続きは、警察の生活安全課や、配偶者暴力相談支援センターなどで行います。
毒親絶縁の手引 P67
支援団体や相談窓口を活用するポイント
毒親から逃げるための支援を受けるには、専門的な相談窓口を活用することが重要です。
公的機関だけでなく、民間の支援団体も多数存在し、それぞれが異なるサービスを提供しています。
利用する際には、自分の状況に最適な機関を選ぶことがポイントです。
以下は代表的な相談先とその特徴です。
- 自治体の相談窓口：生活保護や住居支援の相談が可能
- DV相談+（プラス）：24時間対応の電話相談サービス
- 民間シェルター団体：女性専用や子ども連れ歓迎の施設もあり
相談時には、現在の状況を具体的に伝えることで、適切なアドバイスを受けることができます。
サポートを受けることで、精神的な不安も和らぎ、次の行動への一歩を踏み出せるでしょう。
参考書籍
毒親絶縁の手引き: DV・虐待・ストーカーから逃れて生きるための制度と法律
毒親に暴力を振るわれた場合
毒親に暴力を振るわれた場合、まずは自分の安全を最優先に行動してください。
以下のステップを参考にしてください。
1. その場から逃げる
- 身体的な危険を感じたら、すぐに安全な場所へ避難しましょう。
- 近隣の家や公共の場（コンビニ、交番など）に駆け込むのも一つの方法です。
2. 警察に通報する
- 緊急の場合は、迷わず「110番」に通報してください。
- 状況をできるだけ詳しく伝え、「今危険な状況にいる」と訴えてください。
3. 証拠を確保する
- 怪我を負った場合は、病院で診断書を取得してください。
- 暴力の現場を記録するために、写真や音声、メッセージのスクリーンショットなどを保存しておきましょう。
4. 支援団体や相談窓口を利用する
- 地域のDV相談窓口や支援団体に連絡し、避難先や今後の行動について相談してください。
- DV相談+（プラス）（0120-279-889）は24時間対応です。
5. 法的措置を検討する
- 必要に応じて弁護士に相談し、法的手段の手続きを検討してください。
6. 安全な住居を確保する
- 可能であれば、シェルターを利用したり、信頼できる友人や親族の家に避難するしてください。
注意点
暴力を受けている場合は、「自分のせいだ」と思い込まないでください。
あなたには安全で平穏な生活を送る権利があります。
必要であれば、支援機関や専門家に早めに相談しましょう。
親と離れる方法：「疎遠」と「絶縁」
毒親との関係をどう扱うかは、状況や個人の判断に大きく左右されます。
距離感を考える際には、まず「疎遠にする」選択肢と「絶縁する」選択肢の違いを理解しましょう。
それぞれの方法について詳しく説明します。
疎遠
疎遠にする方法は、毒親との関わりを徐々に減らし、一定の距離を保つ選択肢です。
これは、関係を完全に断ち切ることに抵抗がある場合や、周囲の家族や親族との関係を維持したい場合に適しています。
具体的なステップ
- 関わる頻度を減らす
連絡や訪問の回数を減らし、必要最小限の接触に留めます。 - 嫌な言動はうまくスルーする
毒親からの攻撃的な発言や干渉を真に受けず、流すスキルを身につけましょう。たとえば、「それはあなたの考え方ですね」と冷静に受け流すことで、自分の心を守れます。
メリット
- 関係を完全に断たないため、他の親族からの反感を買いにくい。
- 自分のペースで関係を調整できる。
デメリット
- 完全な精神的自由は得にくい。
- 毒親が距離を詰めようとする場合、再びストレスを感じる可能性がある。
絶縁
絶縁は、毒親との関係を完全に断つ選択肢です。
具体的なステップ
- 連絡を完全に断つ
電話番号やメールアドレスを変更し、居場所を知られないようにします。 - 法的手段を活用する
必要に応じて、分籍やDV支援措置を利用して戸籍の附票や住民票の閲覧制限を申請します。
メリット
- 親の干渉やストレスから完全に解放される。
- 自分の人生を自分のペースで進められる。
デメリット
- 親族や家族内で孤立する可能性がある。
- 法的手続きが必要になる場合、時間や費用がかかる。
どちらの選択肢も、自分自身の心と体の安全を最優先に考えることが重要です。
毒親との距離感をどのように取るかは、あなたの状況や希望に合わせて慎重に決めてください。
困難な場合は、信頼できる友人や専門家に相談することをおすすめします。
毒親と絶縁する際の主な方法
毒親との絶縁を考えたとき、具体的にどのように行動すればよいか分からない人も多いと思います。
ここでは、絶縁する際の主な方法を解説します。
それぞれの方法にはメリットや注意点がありますので、自分の状況に合ったものを選んでください。
①話し合って絶縁する
「話し合って絶縁を伝える」とは、親に自分の意思を明確に伝え、穏やかに関係を終わらせる方法です。
この方法は、親が比較的冷静で話し合いが可能な場合に適しています。
以下のステップを参考にしてください。
- 話し合いの前に、自分の考えを整理し、なぜ絶縁したいのか理由を明確にしておきます。
- 必要があれば、メモに書き出しておくと話がスムーズです。
- 親がリラックスしている時間帯や、感情的になりにくい環境を選びましょう。
- 公共の場所（カフェなど）で話すと、冷静さを保ちやすくなります。
- 「これ以上の関係を続けることは難しい」と、自分の意思を率直に伝えます。
- 感情的にならず、短い言葉で要点をまとめること良いでしょう。
注意点
- 親が感情的になる場合、無理に話し合いを続ける必要はありません。
- 第三者（友人、カウンセラー）を同席させることで安全性を高めることもできます。
②シェルターなどに緊急避難
「シェルターへの避難」は、親からの暴力や執拗な干渉から逃れるための緊急手段です。
特に安全が脅かされている場合、迷わずこの方法を選びましょう。
以下の手順で進めます。
1. DV相談窓口に連絡する
- 内閣府が運営する「DV相談+（プラス）」（0120-279-889）に電話をかけると、最寄りのシェルターや相談機関を案内してもらえます。
- また、自治体の福祉課でも一時保護施設を紹介してもらえることがあります。
2. 必要な持ち物を準備する
- 身分証明書（運転免許証、保険証など）
- 現金や通帳
- 最低限の衣類や携帯電話
- 大切な書類（保険関係、契約書など）
3. シェルターに避難する
- シェルターは非公開の場所に設置されており、安全が確保されています。
- 滞在中に生活再建のサポートを受けることが可能です。
注意点
- シェルターの場所は秘密にする必要があります。誰にも居場所を伝えないようにしましょう。
③住民票を移さずに引っ越し
「住民票を移さずに引っ越す」方法は、居場所を特定されるリスクを軽減します。
住民票を変更すると、戸籍情報や住民票の附票（居住履歴）が追跡される可能性があるため、移さずに行動するのも有効です。
ポイント
- 移動先で郵便物が届かない場合、郵便局の転送サービスを利用すると便利です。
住民票を移さずに引っ越しのデメリット
- 公的手続きが不便
住民票が現住所にないと、銀行口座の開設や運転免許証の更新などの公的手続きが難しくなる場合があります。 - 郵便物の受け取りに不便が生じる
転送手続きをしても、転送期間が過ぎると郵便物が届かなくなる可能性があります。 - 居住実態の証明が必要な場面で問題
就職活動や賃貸契約で、現住所に住んでいる証明を求められる場合に対応が難しくなることがあります。 - 住民票を移さないことが法律違反になる可能性
引っ越し後14日以内に住民票を移さないと、住民基本台帳法違反に問われる可能性があります。 - 自治体サービスが受けにくい
実際の居住地で住民向けサービス（医療、福祉、教育など）が利用できない場合があります。
④法的措置を利用して引っ越しをする
法的な手続きを利用して安全を確保しながら引っ越しを進める方法です。
以下の具体例があります。
1. 分籍
- 「分籍」とは、親と同じ戸籍から自分を分離させる手続きです。
- 市区町村役場で申請できます。
2. DV支援措置（住民票や戸籍の閲覧制限）
DV支援措置により、第三者（親を含む）があなたの住民票や戸籍の附票を閲覧することが制限できます。
手続きの方法：
- 相談窓口: 配偶者暴力相談支援センターやお住まいの市区町村役場や自治体の相談窓口で対応します。
- 必要書類:※詳細は相談窓口で確認してください
- 本人確認書類（運転免許証など）。
- DVやストーカー被害を示す証拠（保護命令や警察の記録など）。
- 閲覧制限を希望する対象者の情報（氏名、続柄など）。
- 相談内容を具体化: どのような危険があるのか、どの範囲で制限を希望するのかを具体的に伝えます。
親を対象に閲覧制限を適用できるか？
- 可能性: 親であっても、あなたの住民票にアクセスされることで安全が脅かされると判断されれば、対象に含めることができます。
- 申請時のポイント:
- 親からのDVやストーカー行為がある場合、その状況を証明する必要があります（警察の相談記録や被害届、保護命令など）。
- DV加害者として親が直接的に関与していなくても、間接的なリスクがある場合も含めて相談できます。
- 支援措置期間は1年間のため、1年毎に更新の手続きが必要です。
DV等支援措置の期間は、確認の結果を申出者に連絡した日から起算して1年です。
引用：総務省のサイト
期間終了の1か月前から、延長の申出をすることができます。
延長後のDV等支援措置の期間は、延長前のDV等支援措置の期間の終了日の翌日から起算して1年です。
参考サイト
- 住民票の閲覧制限に関する情報は、以下の総務省のウェブサイトで詳しく説明されています。
配偶者からの暴力（DV）、ストーカー行為等、児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者の方は、申出によって、住民票の写し等の交付等を制限できます。
- また、親からの虐待やDV被害に関する閲覧制限の具体的な手続きについては、以下のサイトが参考になります。
- さらに、住民票の閲覧制限手続きの詳細については、以下の法律事務所の解説が参考になります。
「住民票等の閲覧制限」とはどのような手続きなのでしょうか？閲覧制限の相手方となってしまった場合にはどのように対応をすればよいのでしょうか？
⑤ 徐々にフェードアウトする
急な絶縁が難しい場合、徐々に関係を薄くしていく「フェードアウト」の方法もあります。
これにより、親が自然に関係性の変化を受け入れる可能性があります。
過干渉タイプの毒親の場合、徐々にフェードアウトしようと考えてもしつこく連絡が来ることが多いでしょうが、無関心タイプの毒親の場合だと、自然消滅に近い形でほぼ絶縁状態になるかもしれません。
具体的なステップ
- 連絡頻度を徐々に減らす
忙しいことを理由に電話や訪問の回数を減らします。 - 親への依存を減らす
経済的・心理的な依存を完全に断つ準備を進めます。 - 最終的に連絡を絶つ
親との接触を段階的に断ち、距離を保ちます。
メリット
- 親にショックを与えにくい。
- 自分自身の準備期間が確保できる。
デメリット
- 関係が完全に断てるまで時間がかかる。
- 毒親が気付き、干渉を強めるリスクがある。
まとめ
毒親との絶縁には、話し合いやフェードアウトによる穏やかな解決から、緊急避難や法的措置を活用する方法まで、さまざまな選択肢があります。
それぞれの方法にメリットとデメリットがあるため、自分の状況や安全性を考慮しながら、最適な方法を選んでください。
不安な場合は、信頼できる友人や専門機関に相談しながら進めることで、安心して新たな一歩を踏み出せるはずです。
毒親に絶縁を伝える主な方法
毒親に絶縁を伝える方法にはいくつかの選択肢があります。
また、何も言わずに家を出る方法もあります。
- 「絶縁」を直接伝える方法
- 電話や手紙、メッセージで意思を伝える方法
- 信頼できる第三者を介して関係を断つ方法
- 何も言わずに家を出る方法
それぞれにメリットとデメリットがあるため、親の性格や自分の状況をよく考えて、一番適した方法を選ぶことが大切です。
①「絶縁」を直接伝える
毒親に直接「これ以上の関係は続けられない」と伝える方法です。
これは、自分の意思を親に明確に示し、関係を終了させるための直接的な方法です。
具体的なステップ
- 事前に計画を立てる
経済的な基盤や安全な住居を確保したうえで準備します。 - 冷静な環境で話し合う
親が感情的になりにくいタイミングで、穏やかな口調で話を切り出します。 - 自分の意思を伝える
簡潔かつ冷静に「自分の人生を歩みたい」「これ以上の関係は望まない」と伝えます。
メリット
- 親に自分の意志を明確に伝えられる。
- 後々のトラブルを回避しやすい。
デメリット
- 親が感情的に反応し、干渉や説得を試みる可能性が高い。
- 話し合い自体が精神的に大きな負担となる場合がある。
②電話や手紙やメッセージで意思を伝える
直接の対話を避けながら、絶縁の意志を親に伝える方法です。
この方法では、感情的なやり取りや衝突を回避しつつ、自分の意思をしっかりと表明できます。
離れて暮らしている場合は手紙やメールを送る、家を出る際に置き手紙をするなどして絶縁の意思を伝えます。
具体的なステップ
- 冷静な言葉で書く
感情的な表現を避け、自分の意思を冷静かつ明確に伝えると良いでしょう。
例：「自分の人生を歩むため、これ以上の関係を続けることはできません」 - 伝達手段を選ぶ
電話、手紙、メールを介して伝えます。 - 反応を期待しない
毒親からの返信や反応を気にせず、次のステップに集中しましょう。
メリット
- 感情的なやり取りを避けられる。
- 自分の言葉を伝えることができる。
デメリット
- 手紙やメッセージが無視される可能性がある。
- その後の対応が必要になることがある。
③第三者を介して関係を断つ
信頼できる友人、親族、弁護士、またはカウンセラーを通じて絶縁を進める方法です。
自分一人で直接対応する負担を減らすことができます。
具体的なステップ
- 協力者を見つける
自分の状況を理解し、支援してくれる第三者を探します。 - 意思を第三者から伝えてもらう
具体的な意図や希望を第三者に説明し、親に伝えてもらいます。 - 安全を確保する
親が反発して接触を試みる可能性があるため、住居や連絡先を保護します。
メリット
- 感情的な負担が軽減される。
- 親が第三者の言葉を冷静に受け止める可能性がある。
デメリット
- 協力者への負担が発生する。
- 親が協力者に感情をぶつけるリスクがある。
④何も言わずに家を出る
毒親に一切の説明をせず、安全なタイミングで家を出る方法です。
この方法は、親が感情的、暴力的である場合、自分の安全を優先しながら、新しい生活をスタートすることができます。
具体的なステップ
- 逃げる準備をする
事前に新しい住居や生活必需品を確保し、計画を秘密裏に進めます。 - 安全なタイミングで家を出る
夜間や親が不在のときなどに静かに出発します。 - 連絡手段を遮断する
電話番号や住所を変更し、居場所を知られないようにします。 - 個人情報を保護する
必要に応じて、連絡先の変更や住民票の閲覧制限を申請し、親に追跡されないようにします。
メリット
- 感情的な対立やトラブルを避けられる。
- 自分の安全を確保しやすい。
デメリット
- 親族や共通の知人に誤解を招く場合がある。
- 親が捜索を試みた場合、対応が必要になることがある。
毒親と絶縁する際は、自分の状況や親との関係性に合った手段を選んでください。
どの方法を選んだとしても、安全を最優先に行動することが重要です。
何も言わずに家を出る場合
毒親との関係が深刻で、話し合いや通常の方法では解決できず、心身に危害を受ける恐れがある場合、家を出るなどして突然関係を断つことが、自分を守るために必要な手段になることもあります。
特に、毒親が暴力を振るったり、支配的で危険な行動を取る場合は、自分の安全を守るためにまず物理的な距離を取ることが大切です。
以下に具体的な参考例を示します。
何も言わずに家を出る場合の参考例
1. 自分の安全を最優先に考える
毒親が話し合いを受け入れない、または関係を解消しようとすると危険が伴う場合、物理的な距離を取るのは適切な選択です。
命の危険や深刻な心理的苦痛がある場合、有効な手段と言えます。
2. 新しい生活の準備を整える
何も言わずに家を出た後の生活がスムーズに進むよう、以下のような準備を事前に行いましょう。
- 必要な書類（身分証明書、銀行口座情報など）を手元に確保する。
- 可能であれば、信頼できる友人や支援団体に相談して、サポートを得る。
- 新しい住居や生活環境を事前に確保し、プライバシーを守る対策を取る。
3. 専門家や支援団体に相談する
特に家族問題に精通した弁護士やカウンセラー、DV被害者支援団体などに相談することで、より安全かつ合法的なサポートが得られる場合があります。
4. 毒親からの追跡を防ぐ
- 必要に応じて、住所や連絡先を非公開にする。
- 必要であれば、警察や法的機関に接触禁止命令を依頼する。
5. 罪悪感を手放す
何も言わずに家を出るという手段に対して、「親を見捨てる」という罪悪感を抱くかもしれません。
しかし、あなたの幸福と安全を守るための決断であることを認識し、自分を責めないでください。
何も言わずに家を出ることが必要な状況の具体例
- 親が暴力を振るう、または脅迫的な行動を取る。
- 話し合いが感情的・物理的な危険を伴う。
- 精神的な虐待が続き、耐えられない状態にある。
- 財産やプライバシーを侵害され、改善の見込みがない。
置き手紙をする場合のメリットとデメリット
何も言わずに家を出る際に置き手紙を残すかどうかは、状況や毒親の性質によって判断する必要があります。
以下に、それぞれのケースで考えられるメリットとデメリット、そして選択時の注意点を解説します。
メリット
- 「捜索願」を提出するリスクを減らす可能性
毒親が家を出た理由や状況を理解できると、「行方不明」と判断するリスクが減るでしょう。警察も、「意志を持って家を出た」という証拠がある場合、通常は捜索願を受理しません。 - 意図が伝わる
手紙を残すことで、「突然の行動」に対する誤解を防ぐことができ、自分の意図や気持ちを整理して伝える手段となります。 - 対立を避けられる
直接の話し合いを避けながら、自分の立場を説明することができます。 - 決断が変わらないことを示す
手紙で自分の気持ちを表明することで、絶縁の決断が揺るがないことを明確にできます。 - 法的リスクを考慮する
親が手紙を無視して「行方不明」と主張し、警察に届け出を出す可能性はゼロではありません。この場合、手紙のコピーを警察に提出することで「故意に家を出た」と説明しやすくなります。
デメリット
- 感情的な反応を引き起こす可能性
毒親の性質によっては、手紙を読んだことで怒りや被害者意識が強まり、追跡される可能性があります。 - さらなる干渉のきっかけになる
内容によっては、毒親が話し合いを求めてきたり、反論を準備する材料を与える恐れがあります。 - 安全性が損なわれる
特に危険な状況では、手紙を残すことで行動の意図や場所を予測されるリスクもあります。
置き手紙をする場合の注意点
- 個人情報を記載しない
新しい住居や連絡先、具体的な今後の計画などは絶対に書かないようにしましょう。 - 感情的な表現を控える
相手を非難したり責める言葉は避け、事実と自分の気持ちを簡潔に書いた方が良いでしょう。 - 意思を明確にする
「連絡をしないでほしい」「関係を終える」という具体的な意志を伝えることで、余計な誤解を防げます。 - 弁護士や第三者のアドバイスを受ける
法的に問題がない内容かどうかを確認するため、専門家に相談するのも安心です。
置き手紙の参考例（簡潔な場合）
「私の人生を守るため、これ以上あなたとの関係を続けることはできません。私は、自分の人生を歩むために、家を出る決断をしました。今後は自立して生活をしていきますので、心配しないでください。この選択をどうか尊重してください。連絡を取らないようお願い致します。」
※あくまで参考例です。状況に応じて対応して下さい。
置き手紙のポイント
- 伝えるべきこと
- 自分が安全であること。
- 家を出る理由が「自分のため」であること。
毒親との絶縁ステップ（参考例）
参考までに毒親との絶縁を進めるための具体的なステップを箇条書きで挙げます。
- 経済的自立のため、収入源（仕事やアルバイト）を確保する。
- 安全な住居を事前に契約する（シェアハウスや友人の家も可）。
- 重要な書類（身分証明書、保険証、通帳など）をまとめて持ち出す。
- 必要な資金を貯めておく（生活費の3か月分を目安に）。
- 弁護士に相談して法的手段の可能性を検討する。
- 心理カウンセラーに相談し、感情面のサポートを受ける。
- 地域のDV相談窓口や支援団体に連絡し、避難先の手配やアドバイスをもらう。
- 安全なタイミング（夜間や親が不在のとき）を選んで家を出る。
- 持ち物は最低限にし、計画通り速やかに行動する。
- 引っ越し後、信頼できる第三者（友人、弁護士）を通じて絶縁を伝える場合もある。
- 毒親の電話番号をブロックする。
- メールやメッセージアプリの通知をオフにする。
- 共通の知人にも、自分の居場所や連絡先を共有しないようお願いする。
- 必要に応じて住民票の閲覧制限を市区町村役場で申請する。
- 電話番号やメールアドレスを変更し、SNSアカウントを非公開または削除する。
- 新しい住所や連絡先を親に知られないようにする。
- 親が追跡してきた場合、ストーカー規制法やDV法に基づき警察に相談する。
- 必要に応じて、財産相続の放棄手続きを進め、今後の関係性を法的に整理する。
- 必要に応じて、絶縁状を弁護士を通じて送付する。
毒親に対する法的手段
毒親による接触が問題になっている場合、法律や制度を活用してその影響を減らし、安全を確保することが大切です。
以下に、毒親の接触に対する法的手段を詳しく説明します。
①接近禁止仮処分命令
概要: 裁判所が毒親に対して接触や接近を禁止する暫定的な命令を出します。
特徴
- 法的根拠: 民事訴訟法。
- 対象行為: 自宅や職場への訪問、待ち伏せ、電話やメールなどの連絡。
- 手続き:
- 裁判所に申し立てを行う。
- 証拠として暴力、嫌がらせ、接触の記録を提出。
- 裁判所が審査し、仮処分命令を出します。
- 違反時の対応: 民事制裁として損害賠償請求が可能。
適用例
- 親が執拗に訪問してくる場合。
- 親からの連絡が嫌がらせとなっている場合。
②住民票閲覧制限
概要: 親が居住地を特定しないよう、住民票や戸籍の閲覧を制限します。
特徴
- 法的根拠:DV等支援措置。
- 対象行為: 親が市役所などで住民票を閲覧することで居住地を特定しようとする行為。
- 手続き:
- 市区町村の窓口で相談し、住民票の閲覧制限を申請。
- 被害を証明する書類（保護命令、警察相談記録など）を提出。
- 有効期間: 申請時に応じて継続的に適用。
適用例
- 親が現住所を知ることで接触を試みている場合。
- 引っ越し後も追いかけてくる可能性がある場合。
③刑事告訴
概要: 親の行動が犯罪に該当する場合、警察に告訴して刑事手続きを進める方法。
特徴
- 対象行為: 暴力、脅迫、ストーカー行為、財産の搾取など。
- 手続き:
- 警察に被害届または告訴状を提出。
- 捜査が行われ、必要に応じて逮捕・起訴されます。
- 違反時の対応: 親が有罪となれば刑事罰が科されます。
適用例
- 暴力行為が頻繁にある場合。
- 財産や金銭の強要が行われている場合。
④民事訴訟
概要: 毒親の行為によって精神的または物理的な損害を受けた場合、損害賠償を求める訴訟を起こします。
特徴
- 対象行為: 名誉毀損、プライバシー侵害、暴力、嫌がらせ。
- 手続き:
- 弁護士を通じて裁判所に訴状を提出。
- 証拠を基に親に賠償を請求します。
- 結果: 賠償金が認められる場合があります。
適用例
- 親による嫌がらせが原因で仕事や生活に支障が出た場合。
支援機関の活用
法的手段を進める際には、以下の支援機関が役立ちます。
- 警察: 毒親による違法行為に対し、被害届の受理、緊急対応などで被害者の安全を確保します。
- 弁護士会: 弁護士による無料相談や具体的な手続きの支援を受けられます。
- 児童相談所（未成年の場合）: 毒親による虐待や暴力について、緊急保護が行われます。
まとめ
毒親による接触を防ぐためには、状況に応じて適切な法的手段を組み合わせることが重要です。
信頼できる法律家や専門機関に相談し、安全を確保するための手続きを進めてください。
参考サイト
- 弁護士JP: 親子間での民事保全法に基づく接近禁止仮処分の申立てについて解説しています。
- 弁護士法人S＆Nパートナーズ法律会計事務所: 毒親の行為に対して取り得る法的措置や、警察や弁護士ができることについて詳しく説明しています。
毒親に悩んでいる方へ、警察・弁護士など法的措置の取り方を解説
毒親に追跡されないためのSNSやオンライン情報の安全管理術
親から避難する場合、SNSやオンラインでの情報は、毒親があなたの現在地や近況を把握する大きな手がかりとなります。
安全を確保するために、以下の対策を検討してください。
- SNSアカウントの非公開化
投稿内容が毒親に見られないよう、設定を非公開に変更します。 - フォロワーの見直し
毒親に繋がる可能性のある共通の知人をフォロワーから削除しましょう。 - 新しい連絡手段を使用
電話番号やメールアドレスを変更し、信頼できる人にだけ共有します。 - 位置情報サービスの無効化
SNSの投稿や写真に位置情報が含まれていないか確認してください。
毒親に追跡される可能性がある行動の見直し
毒親に追跡されるリスクを減らすには、日常生活の中での行動を見直すことも大切です。
たとえば、実家近くの友人との連絡や訪問は避けた方がいいでしょう。
また、郵便物の転送先を設定する際には、新しい住居が毒親に知られないよう注意してください。
さらに、毒親が使用する可能性のある探偵サービスのリスクを最小化するため、公共の場での行動も慎重に行いましょう。
計画的かつ注意深い生活を心がけることで、追跡される可能性を抑えることができます。
経済的な自立を目指す方法
毒親からの完全な解放には、経済的・精神的に自立することが銃砲です。
ここでは、経済的な安定を築くための具体的なプランや、心理的自立を達成するためのステップを解説します。
経済的に自立するためのプランニング
経済的自立の第一歩は、現状の収入と支出を正確に把握し、計画的にお金を管理することです。
最低限必要な生活費を洗い出し、仕事や収入源の確保を優先しましょう。
以下は、経済的自立を目指す際に役立つポイントです。
- アルバイト・パートの活用：まず短期的な収入源を確保します。
- 資格取得やスキルアップ：将来的な就職に繋がるスキルを学ぶことも効果的です。
- 生活費の見直し：不要な支出を減らし、貯金を増やす工夫をしましょう。
以下の表は、月々の生活費の目安です。
| 項目 | 金額（円） | 備考 |
|---|---|---|
| 家賃 | 50,000 | シェアハウスなどで節約 |
| 食費 | 25,000 | 自炊を心がける |
| 通信費 | 5,000 | 格安SIMの活用 |
| 雑費 | 10,000 | 必要最低限の出費に抑える |
このように、現実的な収入と支出を考慮したプランを立てることで、経済的自立が可能になります。
毒親から逃げる際の参考書籍
① 家族と距離を取りたいあなたへ: ―毒親、DVからの逃げ方
執筆時では「kindle unlimited」で読めます。
毒親、DVからの逃げ方が具体的に書かれています。
この本では、私が家族と絶縁するために行った、
絶縁の準備や、絶縁のための具体的な手続きや、
絶縁前後に心に生じた罪悪感との向き合い方について、まとめると同時に、
絶縁すると気になること（相続や介護など）についても
Q＆A方式でお答えしています。これを1冊読めば、絶縁までに必要な知識を掴むことができると思います。
Amazonより引用
② 毒親絶縁の手引き: DV・虐待・ストーカーから逃れて生きるための制度と法律
毒親から絶縁するための行動や法律的なことが詳細に書かれています。
また、相談先一覧も詳しく書かれています。
DV等支援措置、分籍、戸籍届書のマスキング申入れ、税支援、不動産登記簿保護、医療費通知情報の閲覧制限、マイナンバーカード設定変更、個人番号指定請求――当事者に必要なあらゆる情報を一冊で網羅。
Amazonより引用
まとめ：毒親との関係を整理し未来を切り開く
毒親との関係を完全に断ち切るか、それとも部分的に繋がりを保つか――どちらを選ぶにせよ、あなたが主体的に決断することが重要です。
関係を整理する際には、親との対話や感情的な整理が必要になる場合があります。
対話が困難な場合、逃げることも選択肢に入るかもしれません。
自分が何を優先したいのかを明確にし、行動しましょう。
以下に、この記事で解説した重要なポイントをまとめます。
1. 自分の安全を最優先に行動する
- 緊急避難が必要な場合は、DVシェルターや信頼できる支援団体を頼りにする。
- 必要に応じて住民票の閲覧制限や法的手続きを活用し、追跡リスクを最小限に抑える。
2. 毒親との距離の取り方を選ぶ
- 疎遠：関係を徐々に薄くし、自分のペースで心の自由を得る。
- 絶縁：完全に関係を断つことで、新しい生活をスタートする。
3. 絶縁の手段を計画的に進める
- 直接伝える：親に意思を明確に伝える方法。
- 第三者を介する：弁護士や信頼できる人を通じて進める。
- 何も言わずに家を出る：特に危険が伴う場合の最終手段。
4. 精神的・経済的な自立を目指す
- 経済的自立のための計画を立て、安定した生活基盤を築く。
5. 法的措置を活用する
- 必要に応じて法的処置で、親からの干渉を防ぐ。
- 必要に応じて弁護士や警察の力を借りて対応する。