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自動思考を止める方法とは?認知のゆがみの原因と3つの対処法を解説

自動思考とは、日常生活で何か出来事が起こった際に、自分でも気づかないうちに瞬時に浮かぶ考えやイメージのことを指します。

これは必ずしもネガティブなものばかりではなく、ポジティブな内容を含むこともありますが、多くの場合、ネガティブな感情やストレスを引き起こしやすいです。

「自分はダメだ」「あの人に嫌われたかも」といった考えは、自動思考の典型的な例です。

この自動思考を放置しておくと、心の健康に悪影響を与え、やがてストレスや不安を引き起こす原因にもなります。

この記事では、この自動思考をどのように止めるか、その方法について解説していきます。

目次

自動思考を止める方法とは

自動思考が生じるメカニズム

自動思考が生じる背景には、脳の働き習慣的な思考パターンが深く関わっています。

私たちの脳は、日々の生活の中で効率的に情報を処理するために、パターン認識を行い、似たような状況に対して素早く反応するように学習します。

この過程で、過去の経験や感情が蓄積され、特定の出来事が起こると、それに関連する自動思考が無意識に引き出されるのです。

例えば、過去に他人からの否定的な評価を受けた経験があると、同じような状況に遭遇した際に「また失敗するかも」といったネガティブな自動思考が生じやすくなります。

これは「スキーマ」と呼ばれる、心の中に形成された認知の枠組みが影響しているためです。

スキーマは私たちの思考や感情、行動を自動的に制御し、現実をある特定の視点から見るようにさせます。

自動思考が強くなると、認知のゆがみと呼ばれる偏った認知パターンが生じやすくなり、状況を正しく判断できなくなることがあります。

例えば、「全か無か思考」や「結論の飛躍」といった認知のゆがみが、自動思考によって引き起こされることが多いです。

これを改善するためには、思考のプロセスを理解し、認知のゆがみがどのように発生するかを知ることが重要です。

自動思考が止まらない理由

自動思考が止まらない理由は、主に3つの要因に分けられます。

1.思考の制御が困難であること

人間は意識的に思考を止めようとすると、かえってその思考が強まる傾向があります。

これは「シロクマ効果」として知られ、「シロクマのことを考えないでください」と言われると、逆にシロクマのことが頭から離れなくなる現象です。

自動思考を無理に抑えようとすることで、意識がその思考に集中してしまい、結果的に止めることが難しくなります。

2.ストレスや不安が影響している


自動思考は、特にストレスや不安を抱えているときに強まります。

仕事や人間関係の問題、将来への不安などがあると、ネガティブな思考が繰り返されやすくなります。

ストレスを感じていると、脳はその原因に対して常に警戒し、解決策を見つけようとするため、思考が止まらなくなるのです。

3.日常の習慣として定着している


自動思考は、長期間続けることで脳に深く刻まれ、日常の習慣として根付いてしまいます。

その結果、無意識のうちにネガティブな思考パターンが繰り返され、認知のゆがみが強化されることになります。

この習慣を変えるには、意識的な努力とトレーニングが必要です。

これらの理由から、自動思考を止めることは一見難しいように思われますが、正しい方法を用いることで少しずつ改善していくことができます。

自動思考を止める3つの対処法

自動思考を効果的に止めるためには、以下の3つの方法を試してみることをおすすめします。

1.コラム法

コラム法とは、出来事とそれに対する自分の考えや感情を整理し、別の視点から見つめ直すための方法です。

具体的には、次の手順で行います。

  • 嫌な出来事を具体的に書き出す。
  • その出来事に対する自分の考えや感情を整理し、紙に書く。
  • その考えに対して別の視点からの反論や、もっと現実的な捉え方を考える。 この方法を繰り返すことで、思考を客観的に捉え、認知のゆがみを修正していくことができます。

2.マインドフルネス

マインドフルネスは、過去や未来にとらわれず、今この瞬間に集中するためのトレーニングです。

呼吸法や瞑想を用いて、自分の感情や思考を俯瞰的に観察し、受け入れることを目的とします。

これにより、思考に対して適切な距離を保つことができ、ネガティブな自動思考に振り回されにくくなります。

3.運動


運動は、ストレスを軽減し、気分をリフレッシュさせる効果があります。

軽いジョギングやウォーキング、ヨガなどを日常に取り入れることで、体も心もリラックスし、ネガティブな思考を抑制することができます。

また、運動中は身体に意識が向くため、自然と考え事をする時間が減り、自動思考が軽減される効果もあります。

これらの方法を組み合わせて取り入れることで、徐々に自動思考をコントロールし、心の安定を取り戻すことができるでしょう。

認知のゆがみとは?自動思考との関係

認知のゆがみとは、私たちが物事を偏った視点や歪んだ方法で捉えることで、現実を正確に理解できなくなることを指します。

これは、自動思考の影響を受けやすく、特にネガティブな自動思考が強くなると、認知のゆがみが生じやすくなります。

例えば、「全か無か思考」「過大評価・過小評価」など、物事を極端に解釈する思考パターンは、私たちの生活や精神的な健康に悪影響を与えます。

自動思考と認知のゆがみは密接に関連しており、自動思考が強まることで認知のゆがみが助長され、逆に認知のゆがみがあると自動思考が繰り返されやすくなるという悪循環が生まれます。

このため、認知のゆがみを理解し、改善していくことは、自動思考を止めるための重要なステップとなります。

認知のゆがみの10種類とその特徴

認知のゆがみは、さまざまなパターンで私たちの思考や感情、行動に影響を与えます。

以下に、代表的な10種類の認知のゆがみとその特徴を挙げていきます。

  1. 全か無か思考(白黒思考)
    物事を白か黒か、善か悪かの極端な視点で捉える考え方です。中間のグレーな領域を認めず、完璧でなければ意味がないと考える傾向があります。例えば、「失敗したらすべて台無しだ」といった思考です。
  2. 過度な一般化
    一度の失敗やネガティブな経験を、すべての状況に当てはめて考えてしまいます。例えば、「この前プレゼンが失敗したから、私は人前で話すのが苦手だ」といった考えです。
  3. マイナス化思考
    ポジティブな事実や状況を軽視し、ネガティブな側面だけに焦点を当てることです。たとえば、「誰かが褒めてくれても、ただお世辞を言っているだけだろう」と思うことが挙げられます。
  4. 結論の飛躍
    十分な証拠もないのに、ネガティブな結論に飛躍することです。「彼は私に挨拶をしなかったから、私のことを嫌っているに違いない」といった思考が該当します。
  5. 感情的決めつけ
    自分の感情をそのまま事実として受け取り、それに基づいて判断を下すことです。例えば、「不安を感じるから、きっと何か悪いことが起こる」といった思考です。
  6. ラベリング
    自分や他人に対して、否定的なレッテルを貼ってしまうことです。「私は怠け者だ」「彼は冷たい人だ」といった固定観念が挙げられます。
  7. 過大評価・過小評価
    自分や他者の能力、出来事の重要性を極端に大きく捉えたり、小さく見積もったりすることです。例えば、「このミスはとんでもないことだ」と考える場合です。
  8. 「すべき」思考
    自分や他人に対して「~すべきだ」といった理想やルールを過度に適用することです。「もっと努力すべきだ」「あの人はもっと親切であるべきだ」といった考えが該当します。
  9. 個人化
    自分とは関係のない出来事を、あたかも自分が原因であるかのように考えることです。「会議がうまくいかなかったのは、私の発言が足りなかったからだ」と思うことが挙げられます。
  10. 心のフィルター
    ポジティブな情報を無視し、ネガティブな情報だけを取り込むことです。たとえば、「たくさんの人が褒めてくれたのに、一人の批判的なコメントだけが頭に残る」といった状況です。

これらの認知のゆがみを理解し、気づくことが、思考パターンを改善する第一歩です。

次のセクションでは、これらのゆがみがどのように形成されるか、その原因について説明します。

認知のゆがみの原因と形成される過程

認知のゆがみは、多くの場合、幼少期の経験や育成環境、繰り返しの思考パターンから形成されます。

これらの経験が、私たちの認知の枠組み(スキーマ)を作り出し、そのスキーマが、どのように物事を捉えるかを決定づけます。

1.幼少期の経験

子どもの頃に受けた親や教師からの言葉、友達との関係、成功や失敗の体験は、スキーマの形成に大きな影響を与えます。

例えば、「何をやってもダメだ」と言われ続けた子どもは、「自分には能力がない」という認知のゆがみを形成しやすくなります。

2.繰り返しの思考パターン

同じような思考パターンを繰り返すことで、脳がそのパターンを学習し、癖になってしまいます。

これが、特定の状況における自動思考として現れることになります。

例えば、職場でのトラブルを何度も経験した場合、「自分は人間関係がうまく築けない」という認知のゆがみが強化されることがあります。

3.感情的な体験

強い感情を伴う体験は、認知のゆがみを形成する大きな要因となります。

例えば、失恋やいじめ、重大な失敗などの経験があると、それに基づいて「私は愛されない人間だ」「何をやっても成功しない」といった否定的なスキーマが作られやすくなります。

このようにして形成されたスキーマは、日常生活における自動思考や行動パターンに深く影響を与えます。

認知のゆがみを修正するためには、まず自分がどのようなスキーマを持っているかに気づき、それに対して新しい視点や考え方を取り入れていくことが重要です。

自動思考を止める具体的な3つの対処法

自動思考を止めるためには、無意識に浮かんでくるネガティブな思考を意識的に管理し、コントロールすることが必要です。

ここでは、誰でも簡単に取り組める具体的な対処法を紹介します。

これらの方法を実践することで、自動思考を客観的に捉え、より健全な思考パターンを身につけることができるようになります。

①コラム法で自動思考を止める手順

コラム法とは、認知行動療法の一環として、自動思考を整理し、現実的な視点で見直すための方法です。

自分の思考を紙に書き出すことで、客観的に捉えやすくなり、認知のゆがみを修正する助けとなります。

初めての方でも実践しやすい手順を以下に紹介します。

コラム法の手順

  1. 出来事の記録
    まず、自分が嫌な気分になった出来事を具体的に書き出します。例えば、「今日、上司に挨拶をしたが無視された」というように、起きた事実をありのままに記録します。
  2. 自動思考の特定
    その出来事に対して、自分がどのように考えたか、自動的に浮かんだ思考を書き出します。例えば、「無視されたのは、自分の存在価値がないからだ」といったネガティブな思考を特定します。
  3. 感情の評価
    自動思考が浮かんだとき、自分がどのような感情を抱いたかを記録し、その強さを0〜100の数字で評価します。例えば、「悲しみ:80」「不安:60」といった具合に、複数の感情を数値化します。
  4. 別の視点からの反論
    自動思考に対して、別の視点からの反論や、現実的な捉え方を考えます。例えば、「上司はただ忙しくて気づかなかっただけかもしれない」といった現実的な考えを追加します。
  5. 再評価
    反論や現実的な視点を取り入れた後、もう一度自分の感情の強さを評価し直します。この再評価を通じて、感情の強さが低下し、より安定した気持ちを取り戻せることが多いです。

コラム法を日常的に実践することで、自動思考をより効果的にコントロールし、認知のゆがみを改善していくことができます。

②マインドフルネスを実践して心を整える

マインドフルネスとは、現在の瞬間に意識を集中させ、今この瞬間をありのままに受け入れるトレーニングです。

これにより、過去の後悔や未来への不安に囚われず、今ここで感じている感情や体験に意識を向けることができます。

マインドフルネスを実践することで、自動思考に振り回されず、心の安定を保つことができます。

マインドフルネスを始める方法

  1. 静かな場所を見つける
    まず、雑音や邪魔が入らない静かな場所を見つけ、リラックスできる姿勢で座ります。背筋を伸ばし、肩の力を抜いてください。
  2. 呼吸に意識を集中させる
    目を閉じ、ゆっくりと呼吸に意識を集中させます。鼻から息を吸い、口からゆっくり吐き出すことを繰り返し、自分の呼吸のリズムに意識を向けます。このとき、他の考えが浮かんできたら、それを無理に追い払わず「今、私はこんなことを考えているな」と認識し、再び呼吸に意識を戻します。
  3. 感情や感覚を観察する
    自分の感情や体の感覚に意識を向け、ありのままに観察します。たとえば、「足が少し冷たいな」「今日は少し不安を感じている」といったように、自分の感覚や感情を受け入れます。判断や分析はせず、ただ「そう感じているんだな」と認識することが大切です。
  4. 終了とリフレクション
    5〜10分程度続けた後、ゆっくりと目を開け、今の気持ちや体の感覚を確認します。その後、どのような変化があったか、自分の心の状態を簡単に振り返りましょう。

マインドフルネスは、一度の実践で劇的な変化を感じることは少ないかもしれませんが、続けることで自分の思考や感情を客観的に捉えやすくなり、自動思考から距離を置くことができるようになります。

特にストレスや不安を感じたときに、ぜひ取り入れてみてください。

③運動でストレス解消し、自動思考を軽減する

運動は、心身の健康を保つために非常に効果的な方法です。

運動をすることで、脳内の神経伝達物質であるエンドルフィンやセロトニンが分泌され、気分が良くなり、ストレスが軽減されます。

また、運動中は体に意識が向くため、考え事をしている時間が少なくなり、自動思考が自然と減少します。

運動の具体的な方法

  1. ウォーキングやジョギング
    簡単に始められる運動として、ウォーキングやジョギングがあります。毎日20〜30分程度、外を散歩するだけでも、気分がリフレッシュし、自動思考を抑える効果があります。特に自然の中でのウォーキングは、心を落ち着ける効果があり、おすすめです。
  2. ヨガやストレッチ
    ヨガやストレッチも、自動思考を軽減する効果があります。ヨガは深い呼吸とポーズを組み合わせて行うため、体の緊張を解きほぐし、心のバランスを整えるのに役立ちます。ストレッチも、体をリラックスさせることで思考がクリアになり、ネガティブな自動思考を抑制します。
  3. チームスポーツやエクササイズクラス
    チームスポーツやエクササイズクラスに参加することも、自動思考を減らすのに効果的です。他者とコミュニケーションを取りながら身体を動かすことで、気持ちが明るくなり、ネガティブな思考が薄れていきます。また、楽しみながら体を動かすことで、気分転換にもなります。

運動は、継続することで効果を発揮します。

無理のない範囲で、少しずつ日常に取り入れるようにしましょう。

運動を習慣化することで、心身ともに健康的な状態を保ち、ネガティブな自動思考を抑えることができます。

まとめ

今回の記事では、自動思考を止める方法や、認知のゆがみの原因と対処法について解説しました。

以下に、記事の要点をまとめます。

記事の要点

  • 自動思考を止める方法とは?
    自動思考は、無意識に浮かぶネガティブな考えやイメージのことで、心の健康に悪影響を与えることがあります。これを止めるためには、思考のパターンを見直し、管理することが重要です。
  • 認知のゆがみと自動思考の関係
    認知のゆがみは、自動思考と密接に関連しており、物事を極端に解釈してしまうことがあります。これにより、現実を正確に捉えられず、自己評価や他者との関係に悪影響を及ぼします。
  • 自動思考を止める具体的な対処法
    コラム法、マインドフルネス、運動などを通じて、自動思考を管理し、心のバランスを保つことができます。これらの方法を実践することで、思考パターンを改善し、健全な認知を取り戻せます。

この記事で紹介した方法を参考に、ぜひ日常生活で自動思考をコントロールする練習をしてみてください。

最初は難しく感じるかもしれませんが、継続することで確実に心の変化を実感できるようになるでしょう。

また、以下のポイントを意識すると、さらに効果が高まります。

  1. コラム法を日記のように続ける
    思考を紙に書き出し、自分の感情を客観的に見つめ直す習慣をつける。
  2. 毎日5分のマインドフルネス
    忙しい日々の中でも、短い時間でいいのでマインドフルネスを実践し、心をリセットする。
  3. 週2回以上の軽い運動
    身体を動かすことで、ストレスを軽減し、心を安定させる。特に自然の中でのウォーキングがおすすめです。

自動思考を止めることは、時間と努力を要するかもしれませんが、少しずつ取り組むことで必ず改善します。

無理をせず、自分のペースでできる範囲から始めてみてください。

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