逆算思考を使って、きっちりと計画を立てようとしても複雑で良く分からなかったことはありませんか?
逆算思考を使って計画を綿密に立てても、計画通りにいかないことがほとんどです。
なので、個人的には逆算思考でおおまかに計画を立て、行動しながら軌道修正をするようにしています。
この記事では、Trelloを使った逆算思考による簡単な計画の立て方、さらに逆算思考の基本的なステップやメリット・デメリットを解説します。
是非、逆算思考を有効利用して効果的な計画を立てましょう。
逆算思考とは何か?
逆算思考は、計画を作る際に参考になる思考法です。
この方法では、目標を達成するために最終目的地から逆算して計画を立てます。
まず、達成したいゴールを明確にし、そのゴールに至るまでに必要なステップや行動を逆算して考えるのです。
これにより、具体的な行動計画が立てやすくなり、途中での迷いや無駄を減らすことができます。
逆算思考のデメリットとは?
逆算思考は計画を作る際に参考になりますが、以下のようなデメリットもあります。
①逆算をしてきっちり計画を立てても、計画通りに進むことはほとんどない。
②達成手段が明確に分からないから、具体的な計画を立てられないことがある。
具体的な計画を立てても、計画通りに進まなかったり、達成する方法が分からなかったりすることがよくあります。
そのため、逆算思考が苦手な人は、まずはTrelloを使って、簡単な逆算ストーリーを作ることをおすすめします。
計画がうまく進まないことが多いので、最初はざっくりとした計画を立て、実際に行動しながら達成手段を見つけたり、必要に応じて計画を修正していくのがおすすめです。
Trelloを使った簡単な逆算思考のやり方
ここでは、Trelloを利用して、簡単な逆算ストーリーを作る方法をご紹介します。
Trelloは、タスク管理やプロジェクト管理に使える無料のオンラインツールです。ボード、リスト、カード形式で視覚的にタスクを整理します。シンプルな操作で使いやすいのが特徴です。
まずは、上の画像のように長期の逆算ストーリーを作ります。
長期逆算ストーリーは、数年単位の計画で、上に近い未来の目標があり、下に行くほど遠い未来の目標が設定されます。
短期逆算ストーリーは、数ヶ月から数週間単位の計画で、こちらも上に近い未来、下に行くほど遠い未来の目標が並ぶ形になります。
これに、「今日やること」や「次にやること」、「予定」などを加えれば完成です。
「今日やること」や「次にやること」は、多すぎないようにしましょう。
私は「アイビー・リーメソッド」を参考にして、それぞれ5〜6個程度にしています。
予定には、待ち合わせや予約、粗大ごみの収集日などをタスクとして追加します。
このリストも、上に行くほど早くやるべきタスクが配置されます。
さらに、プロジェクトごとのタスク管理を付け加えると、より便利になったりします。
ちなみに、私は仕事のプロジェクトやプライベートの旅行プランなどのタスクリストを作っています。
これも上からやる順番に並べるだけです。
簡単なやり方ですけど、長期的な目標、「やりたいこと」や「やること」が一覧できるので、計画を理解しやくなります。
アイビー・リーメソッドは、毎日最も重要な6つのタスクをリストアップし、優先順位をつけて順に実行する時間管理術です。タスクが完了するまで次のタスクに進まず、集中力と生産性を高める方法です。
逆算思考の基本的なステップ
ここからもっと逆算思考のやり方について知りたい人に向けて、逆算思考の基本的なステップをご紹介します。
逆算思考のステップ
まず、最終目標を設定します。
目標を達成するために必要な中間目標を設定します。これにより、進捗を確認しやすくなります。
目標達成に必要なスキルや知識、達成に向けた一般的なプロセスや手法を調べます。例えば、専門書籍、ウェブサイト、過去の成功事例などです。収集した情報を整理・分析し、目標達成に向けた具体的な行動計画を考えます。特に、状況や条件が違うことが多いので、完全に真似することは難しいかもしれませんが、すでに成功をしている人を参考にするのがおすすめです。
最終目標から逆算して、必要な行動を段階的に決めます。
逆算して決めたタスクを、日々のスケジュールに組み込みます。
計画通りに進んでいるかを定期的に確認し、必要に応じて計画を修正します。
逆算思考の5つの効果
逆算思考の効果としては、以下の5つが挙げられます。
- モチベーションの向上
- 長期的視野
- 効率的な進行
- 必要なリソースの確認
- リスクの予測
1.モチベーションの向上
逆算思考は、自分が達成すべきゴールがはっきりと見えるため、日々の行動に意味を感じやすくなります。
また、逆算思考により、ゴールまでのステップが明確になるため、途中での迷いや不安が減ります。
各ステップをクリアするたびに、小さな達成感を得ることができ、その達成感が次のステップへのモチベーションをさらに高めます。
2.長期的視野
最終目標を設定し、それを達成するための道筋を考えることで、長期的な視野で計画を考えられるようになります。
これにより、短期的な利益よりも、長期的な成功や幸福を重視する選択がしやすくなります。
3.効率的な進行
逆算思考は、最終的なゴールから逆算して必要なステップを洗い出すため、目標達成に直結する重要なタスクだけに集中できます。
これにより、無駄な作業や遠回りを避けることができ、時間やリソースを最も効果的に使えるようになります。
4.リソースの最適配分
逆算することで、各ステップに必要なリソース(時間、エネルギー、資金など)を理解しやすくなります。
これにより、無駄を省き、効率的にリソースを使うことができます。
5. リスク管理が容易
目標達成までのステップを明確にすることで、潜在的なリスクや障害を予測しやすくなります。
これにより、事前に対策を考えることができます。
逆算思考の注意点
逆算思考は様々なメリットがありますが、以下のような注意点もあります。
- 情報収集に時間をかけすぎる
- 計画通りにいかないことがある
- 目標に固執する
- 手段の目的化
- 過度のリスク回避
1.情報収集に時間をかけすぎる
逆算思考では、目標達成に向けた計画を立てるために、必要な情報を集めることが非常に重要です。
しかし、情報収集に過度に時間をかけてしまうと、計画の実行が遅れ、結果的に目標達成が遠のいてしまうリスクがあります。
逆算思考では、情報収集と実行のバランスを取ることが大切です。
ある程度の情報が揃った段階で、行動に移る決断力が求められます。
適度な情報収集で計画を立て、行動を早めに開始することが大切です。
2.計画通りにいかないことがある
逆算思考で立てた計画は、必ずしも計画通りに進むとは限りません。
予期せぬ事態や外部環境の変化、予想外のリスクが発生することもあります。
そのため、計画を立てる際には、見直しや調整ができる余地を残しておくと良いです。
計画がうまく進まない場合は、素早く軌道修正することが重要です。
予期せぬ問題に柔軟に対応しながら、最終目標に向けて計画を調整します。
さらに、計画通りに進まないときでも諦めずに続ける忍耐力も大切です。
3.目標に固執する
逆算思考では、目標を明確に設定することが大切ですが、最初に立てた目標にこだわりすぎると、状況が変わったときに柔軟に目標や計画を変更できなくなることがあります。
また、自分の価値観ややりたいことが変わることもあります。
そうした場合は、目標を見直し、現実的で達成可能な形に修正することが必要です。
4.手段の目的化
手段の目的化とは、本来の目標を達成するための手段が、いつの間にか自体が目的になってしまう現象です。
結果的に、本来の目標から外れた行動にエネルギーを費やしてしまうことがあります。
逆算思考を繰り返すことで、特定の方法や手段に固執する傾向が強まり、新しい視点や異なる手段を受け入れにくくなることがあります。
手段の目的化を防ぐには、定期的に自分の行動や計画が本来の目標に向かっているかを見直すことが大切です。
目的と手段を明確に区別し、目的達成のための手段として行動を維持しましょう。
5.過度のリスク回避
逆算思考では、目標達成のためにリスクを抑えた計画が立てられることが多いですが、その結果、挑戦の機会を逃してしまうことがあります。
リスクを恐れすぎると、新たな成長のチャンスを見過ごすことがあるのです。
過度のリスク回避を防ぐには、リスクとリターンをバランスよく評価することが大切です。
挑戦するタイミングを見極め、必要なリスクを受け入れることで、新しい成長機会を掴むことができます。
積み上げ思考の違い
逆算思考では、最終的な目標を先に設定し、そのゴールから逆算して必要なステップを計画します。
これにより、目標達成に向けた具体的な道筋が見え、無駄を省いて効率的に進行できます。
一方、積み上げ思考は、現在の状況からスタートし、一歩ずつ積み重ねて進む方法です。
目標が明確でない場合や、状況が流動的な場合に適しており、柔軟に対応できるのが特徴です。
逆算思考のメリット
- 目標の明確化:ゴールが明確になるため、具体的な行動計画が立てやすい。
- 効率的な進行:無駄な作業を省き、効率的に進められる。
- 進捗の把握:進捗状況を確認しやすい。
逆算思考のデメリット
- 柔軟性の欠如:計画が細かすぎると変更に対応しにくい。
- 計画の過負荷:詳細な計画作成に時間がかかる。
- ストレス:計画通りに進まない場合のストレスが増える。
積み上げ思考のメリット
- 柔軟性:状況に応じて計画を変更しやすい。
- ストレスの軽減:一歩ずつ進むため、プレッシャーが少ない。
- 適応性:予期せぬ問題に対処しやすい。
積み上げ思考のデメリット
- 方向性の不明確さ:目標が曖昧だと方向性を見失いやすい。
- 効率の低下:計画が曖昧だと無駄な作業が増える。
- 進捗の見えにくさ:具体的な進捗を確認しにくい。
死を意識する(メメント・モリ):死から逆算して考える
メメント・モリとは、「死を忘れるな」というラテン語で、人生の有限性を意識し、今をどう生きるかを考える哲学的な概念です。
死を意識することで、自分の人生において本当に大切なことが何かを見極めることができます。
自分の本当に価値観・やりたいことが明確になる
死を意識すると、日常の些細なことや無駄な欲望が相対的に小さく感じられるようになり、自分が本当に大切にしたい価値観や、やりたいことが明確になります。
このプロセスを通じて、自分が本当に生きたい人生の方向性がはっきりしてきます。
人生の終わりを考える:自分が最期の瞬間に何を感じたいか、どんなことを達成したいかを考えます。
優先順位の明確化:死を意識することで、本当に大切なことに焦点を当てることができます。
自分の価値観ややりたいことに沿って逆算プランニングを作る
死を意識して見えてきた価値観ややりたいことに基づき、逆算思考で人生のプランを立てることができます。
例えば、「人生の終わりに後悔しないためには、今何をすべきか?」という問いからスタートし、そのゴールに向かって必要な行動を計画します。
これにより、日々の行動が明確な目的に基づいて進められ、充実感のある人生を送るための具体的な道筋が描けるようになるでしょう。
逆算思考の応用:シナリオプランニング
逆算思考は目標達成に向けて効果的な計画を立てるための手法ですが、その応用としてシナリオプランニングが挙げられます。
シナリオプランニングは、将来の不確実性に備えるために、異なるシナリオを想定し、それぞれの状況に応じた行動計画を立てる方法です。
ここでは、楽観的、現実的、悲観的の3つのシナリオを考える方法について説明します。
楽観的シナリオ
最も良い結果を想定し、大きな成功を目指すシナリオです。
モチベーションが高まり、積極的な行動を促すが、実現可能性が低く、リスクも伴います。
メリット
- 高い目標設定により、大きな成功を目指すことができます。
- モチベーションが向上し、積極的な行動を促します。
- チャンスを最大限に活かす計画が立てられます。
デメリット
- 実現可能性が低い場合があり、失敗のリスクが高まります。
- 楽観的すぎる計画が非現実的な期待を生みます。
- リソースや時間を過度に消費する可能性があります。
現実的なシナリオ
実行可能性の高い現実的な目標を設定するシナリオです。
バランスが取れ、リスク管理がしやすいが、大きな成功のチャンスを逃す可能性があります。
メリット
- 実行可能性が高く、現実的な目標設定ができます。
- リスクが適切に管理され、計画の信頼性が高まります。
- バランスの取れた計画により、予期せぬ事態に柔軟に対応しやすいです。
デメリット
- 大きな成功を狙うチャンスを見逃す可能性があります。
- モチベーションが高まりにくい場合があります。
- 成果が予測範囲内に留まり、驚きや感動を得にくいです。
悲観的なシナリオ
最悪の事態を想定し、リスク回避を重視するシナリオです。
リスク管理が徹底されるが、成長の機会を失い、モチベーションが低下することがあります。
メリット
- 最悪の事態に備えることで、リスク管理が徹底されます。
- リソースの節約や無駄なコストを抑える計画が立てられます
- 予想外の問題に対して準備が整い、対応が迅速にできます。
デメリット
- チャンスを逃し、成長の機会を失う可能性があります。
- ネガティブな視点が強調され、モチベーションが低下することがあります。
- リスク回避に重点を置きすぎて、保守的すぎる計画になることがあります。
Trello以外の逆算思考のツール
逆算思考を活用する際には、さまざまなツールや方法が役立ちます。
Trelloを利用した簡単な逆算思考の方法ごご紹介しましたが、
ここでは、Trello以外で逆算思考に役立つ3つのツールについて説明します。
マインドマップ
マインドマップは、中心に目標やテーマを置き、それに関連するアイデアやタスクを枝のように広げて視覚化する方法です。
逆算思考においては、最終目標をマインドマップの中心に配置し、その達成に必要なステップを次々に枝として広げていきます。
この手法は、複雑なプロジェクトや多くの要素が絡む計画を整理し、全体像を見渡すのに非常に有効です。
また、創造的な発想を促進し、計画の漏れや抜けを防ぐ効果もあります。
フローチャート
フローチャートは、プロセスや計画を順序立てて図示する方法です。
逆算思考においては、ゴールから逆算して、どのようなステップや決断が必要かをフローチャートで視覚化します。
これにより、計画の流れや分岐点が一目で分かり、複雑なプロセスもシンプルに理解できます。
たとえば、プロジェクト管理や問題解決の際に、具体的な行動手順を整理するのに役立ちます。
また、フローチャートを使うことで、途中での変更や修正が必要な場合にも柔軟に対応できるようになります。
宝地図
宝地図は、宝地図は、達成したい目標や夢を視覚的に表現するツールです。
雑誌の切り抜きや写真などを使って、自分の目標や夢を具体的なイメージとして作成します。
逆算思考の中で宝地図を使うと、最終的に達成したい姿や状況を視覚的に表現し、それに向かう道筋を明確にすることができます。
例えば、5年後に達成したいライフスタイルや仕事の目標を宝地図として作成し、それをもとに逆算して具体的な行動計画を立てます。
この方法は、目標へのモチベーションを高め、日々の行動に対する意識を向上させる効果があります。
まとめ
逆算思考は、最終目標を決めてから、それに向かうためのステップを逆算して考える方法です。
この思考法を活用することで、無駄を省き、効率的に目標達成に向けた行動が可能になります。
ただし、計画がうまく進まないこともあるため、臨機応変に考えることも重要です。
Trelloやマインドマップ、フローチャート、宝地図などのツールを使って、逆算思考を効果的に取り入れましょう。
これにより、長期的な視点で計画を考えられるようになり、モチベーションも維持しやすくなります。